ノーベル生理学・医学賞の受賞決定を受けた記者会見終了後、撮影に応じる大阪大の坂口志文特任教授(右)と妻教子さん=7日午後、大阪府吹田市 ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった坂口志文特任教授(74)は7日、大阪府吹田市の大阪大で招聘(しょうへい)教員の妻教子さん(71)と記者会見した。坂口さんと「二人三脚」で研究してきた教子さんは、「長い間苦労してやってきたことが形になって本当に良かった」と声を詰まらせながら喜びを語った。
2人は、坂口さんが京都大大学院を中退し、愛知県がんセンター研究所で研究している際に知り合った。教子さんは「見たこともない変わった種類の人が、すごく一生懸命研究をやっていた」と第一印象を話す。その後、2人は米国に移り、一緒に研究し、論文を書くようになった。
研究室での役割分担について、坂口さんは「家内のほうが器用なので細かい実験は任せておけるが、マウスをいじるのは私」と説明。「夫婦2人で考えると、いろんなアイデアが湧いてくる」と相乗効果を口にした。
研究室内の人間関係が不穏になったとき、修復するのは教子さんの役割。坂口さんは、教子さんと知り合ってから「明るくなったね」と言われることもあったといい、「家内の影響かもしれない」と認めた。
坂口さんの「粘り強く諦めず、ずっと信じて努力するところ」が、ノーベル賞につながったと分析する教子さん。坂口さんは「本当に長年一緒にやってきたので感謝している」と照れた様子で語った後、「これを言わないと怒られるんです」と笑いながら付け加えた。

ノーベル生理学・医学賞の受賞決定を受け、記者会見する大阪大の坂口志文特任教授(右)と妻教子さん=7日午後、大阪府吹田市

ノーベル生理学・医学賞の受賞決定を受け、記者会見する大阪大の坂口志文特任教授(右)と妻教子さん=7日午後、大阪府吹田市