オードリーが「おしゃべり報道番組」で見せた“新境地” 少年刑務所内の中学校で『ヒルナンデス!』を放送する意義

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2024年09月18日 07:00  ORICON NEWS

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『news オードリー』に密着取材 (C)ORICON NewS inc.
 お笑いコンビ・オードリーが、日本テレビ系『news every.』のスタジオで自身が取材したことを語り合う“おしゃべり報道番組”『news オードリー』が、16日に放送された(TVerで見逃し配信中)。オードリー×報道番組の化学反応に期待する声は高く、放送前にYouTube上で先行アップされた「冒頭トーク」も大いに注目を集めたが、本編の内容も濃密なものに仕上がっていた。

【スタジオ写真】2人で向き合い…笑顔の若林と「トゥース」の春日

 若林が訪れたのは、長野県松本市にある日本で唯一の少年刑務所内にある公立中学校。外から見た高い壁、物々しさも感じた刑務所の入口、外の世界と隔絶されすぎていないグラウンド、そして刑務官との会話などが紹介されていく。

 給食時にはすべて均等に分けられ、全員が黙って食べる。その様子を見た若林は「ご飯を一緒に食べるっていうことは、どういうことかっていうことを考えるきっかけになりました。パンをあげるとかすると、上下関係とかグループが生まれるんだって。みなさんしっかり守って、しゃべんないで食べて」と回顧。

 そして「意外だったんだけど、学校の中にテレビがあって、普通に『ヒルナンデス!』やってんの。それは、社会に出た時に浦島太郎にならないように…っていう意味があるみたい。(テレビを見ながら)『これ、美味しそう』とか言ったりしていて、それもひとつのテレビの大きな役割だな」とかみしめるように語った。

 さらに、急きょ生徒たちと実際に話をすることになったことも明かし「けっこう質問攻めでした。『嫌いな人が職場にいたらどうしますか』とか、シリアスなものもあったりして」としながら「いろんな意見あるでしょうけど、生徒さんの意見を聞くと(これまでは)中学にしっかり通って勉強する環境じゃなかった。それがすべてではないですけど、環境(も関係している)。悪いことをする時に、周りがみんなやるから考えなかったとも話していて、教育というものが、考えるクセをつけるっていうことを、コミュニケーションの価値を考えさせられました」と言葉に力を込めていた。

 一方の春日が訪れたのは、野生の熊の被害を受けている秋田県の某所。住宅地の数10メートル先まで熊が出てくるほど日常生活に迫っている住民の危機を守るため、熊と戦う猟友会の活動に密着した。何気ない田舎の風景、しかしすぐそこにある熊の恐怖。ロケ当初は「トゥース!」といつも通りの春日だったが、「大きな爪で顔を引っかかれて…」「両腕を掴まれて…」と実際の被害を聞き、熊を捕らえるための大きな罠を自分の目で確かめるごとに、徐々に深刻さを理解していく。

 春日は「ニュースでよく『命に別状なし』って言われるけど、その時に亡くならなかっただけで、生活に支障が出てしまうような傷が残ってしまったりとか、亡くなっちゃうとか」と被害の深刻さを指摘。

 さらに、春日のVTRでは密着した猟友会の人物などにモザイクがかけられていたが、ここにも隠された思いがあった。「ロケ地が秋田某所とか、私もはっきりわからないように話しているじゃないですか?(密着した猟友会の)大将の名前も本名を教えてもらえなかった。なんでかって聞いたら、全国からクレームがくるんだって。『クマを殺すな』『クマがかわいそう』とか。でも、クレームを言ってくる側もそっちはそっちで正義があるじゃない?私はどっちが正しいかわからないんでね、次回はクレームを言う側に密着しないといけないなと思って」。

 ラジオ同様、相方と向き合って、自分が何を体験してきたのか、VTRを交えながら語るオードリーの姿に、気づけばこちらも引き込まれていた。それぞれ取材した内容はシリアスなものを含んでいるが、決して取材対象をないがしろにせず、かと言って終始深刻なトーンで伝えるわけでもなく、2人ならではの絶妙な空気感で“おしゃべり報道番組”を成立させていた。

 番組の模様は現在「TVer」にて配信中。濃密な内容に仕上がったことから、Huluで「若林刑務所取材 完全版」が配信された。また、「スタジオディレクターズカット版」「春日クマ取材 完全版」も順次公開される。

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