食事の前のあいさつ「いただきます」。小学生の頃、給食の時間になると「手を合わせていただきます」などと、同級生と声をそろえてあいさつした人も多いのでは。ごく当たり前の習慣かと思いきや、大人が外でやるのは恥ずかしいーーという意見があるようです。
「男の前だからってないわぁ」
「両手を合わせて『いただきます』『ごちそうさま』を言うのは恥ずかしいですか?」。大手質問投稿サイトに寄せられた質問です。投稿したのは24歳の女性会社員。社内で昼休憩を取っていた際、子どもの頃からの習慣で手を合わせて「いただきます」「ごちそうさま」とつぶやいたところ、同僚の一人に「両手を合わせていただきます、ごちそうさまするのやめなよ。あなた24歳でしょ。子どもくさい」と意見されたそう。
別の女性からはこんな体験談が。
同僚から人数合わせのために合コンに誘われ、渋々参加したときのこと。食事の最後に軽く手を合わせて「ごちそうさまでした」とつぶやくと、同席していた女性から「男の前だからってそれはないわ。キモすぎ」と辛辣な言葉を浴びせられたのだとか。
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一方で、他人が手を合わせる姿に感心したという声も。
投稿者の男性は、定食店のカウンター席で両隣の男性客が食事の前に軽く手を合わせて「いただきます」と言う姿に驚いたといいます。投稿者は何も言わずに食べることが当たり前だったそうで、「いただきますという感謝の気持ちを持ち、一人の時でも実行している人がいるんだなと感心しました」。
手を合わせてあいさつ、たびたび論争に
大人になってからも手を合わせて「いただきます」「ごちそうさま」をするかどうか。インターネット上ではこれまでもたびたび論争になるテーマです。
X上では「外食のときだってするよ」「手を合わせていただきますが言える人が好きだな」という肯定派がいる一方で、「手を合わせて挨拶することに違和感がある」「口に出さなくても心の中で言ったらいいのでは」と異を唱える人たちも。中には、「手を合わせていただきますしたら店員さんに笑われた」と嘆く人もいました。
文部科学省の小学生用食育教材「たのしい食事つながる食育」(平成28年2月)。低学年用の資料には、「食事をおいしくするまほうの言葉」として、いただきますとごちそうさまが挙げられています。米、野菜、肉、魚ももともとは生きていたものと紹介した上で、農作物の生産者や漁業関係者、運送業者、小売業者、給食調理員、家族などに感謝の気持ちを伝えようと呼びかけています。
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大人の皆さんは手を合わせて「いただきます」「ごちそうさまでした」を言いますか?