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タレント・中居正広氏と女性との深刻なトラブルに端を発したフジテレビの騒動は、いまだ世間の注目を集めている。
そんな中、「物言う株主」として知られる米投資ファンドのダルトン・インベストメンツは2月3日付で、フジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングス(HD)に対し、日枝久取締役相談役の辞任を求める書簡を送ったとことを発表した。
グループ全体でフジHDの株式を7%超保有しているダルトンは、フジを巡る問題では早期の会見実施、第三者委員会の設置やすべてのメディアを対象とした記者会見を開くことなどを求める書簡を送り、フジHDはその要求を飲むこととなった。
そして今回、また新たに日枝氏の処遇を求めた格好だ。
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日枝氏は1988年6月にフジの社長に就任以降、40年近くに渡り“フジのドン”として君臨。現在は、フジサンケイグループ代表で、フジHDとフジテレビの取締役相談役を務めている。
各メディアによると、ダルトンは日枝氏について、「なぜ、たった1人の独裁者がこの巨大な放送グループを40年近くも支配することが許されてきたのか」などと批判したというが、芸能ジャーナリストの竹下光氏はこう語る。
「日枝さんに関してはフジの黄金期を築くなどの功績もある一方、上場企業において長年にわたり絶大な権勢を誇ってきたという点に関しては、海外の企業からすると違和感をおぼえる部分も大きいのでしょう。それにしても株主が名指しでいち取締役の辞任を要求するというのは非常に珍しいケースですよね」
その一方、日枝氏は一部メディアの取材に対し、自身の進退について「人事に関しては会社が決めることで、ここで言う話ではない」とし、ダルトンの書簡については「知りません」と答えたという。
「日枝氏にとって一連の騒動は“対岸の火事”といった感覚なのでしょう。だからこそ会見にも出席しないし、記者の取材を受けることもなく逃げ回っている。そもそも、フジサンケイグループ代表という正式な肩書きはなく、周囲が忖度した結果、絶大な権力を保持している印象すらあります」(スポーツ紙の放送担当記者)
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日枝体制下において歴代のフジの社長は日枝氏が指名し、気に入らないと短期間でクビをすげ替えるといういびつな支配体制が形成されて久しい。
前社長の港浩一氏は、15年6月にグループ会社の共同テレビ社長に就任。
それに伴い、フジの社長就任の可能性が消えたと言われていたが、日枝氏と親しい人物に取り入ることで見事に返り咲きを果たしたという。
「『週刊文春』は港氏が共テレの社長時代に井澤オフィスの創業者・井澤健会長とバーニングプロダクションの周防郁雄社長を“女子アナ接待”漬けにしていたと報じています。芸能界の重鎮である2人は日枝氏とも懇意の仲だった、と。結果、港氏は芸能界の重鎮2人の後押しもあり、日枝氏の心証を良くし、フジの社長の座をゲットしたということでしょう」(前出のスポーツ紙記者)
だが、今や井澤氏、周防両氏とも高齢で、周防氏に至っては体調不良により会社の社長の座を息子に譲り、第一線から退いたと一部週刊誌で報じられている。
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さらに、日枝氏は大きな後ろ盾も失いつつあるとか。
「日枝氏は同じ早稲田大学の卒業生である森喜朗元首相とも盟友関係にあると言われています。しかし、森氏が率いていた自民党の派閥の清和会は政治資金パーティーをめぐる問題などで昨年に解散。自民党内における森氏の影響力も落ちているともっぱらです」(一般紙の社会部記者)
ここに来て激しい逆風を浴びている“フジテレビのドン”だが、その動向が今後も注目を集めそうである。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)