昭和と令和の恋愛・結婚事情を比較! 国策としての「お見合い」からマッチングアプリへ – 意外な共通点も

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2025年02月10日 12:31  マイナビニュース

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エニトグループが手掛けるOmiaiは、マッチングアプリ「Omiai」のユーザー男女467名に、「昭和」に関するアンケートを実施(調査期間:2024年12月26日~2025年1月12日)し、当時から令和までの間に恋愛や結婚観がどのように変化してきたかを調査した。


「昭和時代のお見合い結婚をしてみたいか」と質問したところ、70%以上が「いいえ」と回答した。



「生まれ変わって恋愛するならどの時代がいいか」という質問には、30%以上が「今が良い」と回答する結果に。多くの人は昭和の恋愛に対し憧れを持ってはいないものの、一定数支持する人もいることがうかがえる。



「Omia」では今回、昭和から令和に至る「恋愛と結婚」を、「昭和人間のトリセツ」の著者である昭和評論家・石原壮一郎氏の解説と共に紹介する。


1926年~40年代、国策としてのお見合い 戦中から戦後



昭和初期の20年間はほぼ戦中であり、婚姻の形も今とは大きく違ったそう。恋愛を通じた結婚というものが存在せず、結婚は個人の自由というより、家族や当時の社会の価値観に根ざしたものであったという。



国策としての「お見合い」という形式が一般的だった婚姻においては、家族や仲人の介在により、慎重にパートナーが選ばれていたとのこと。その国策のもと、親から言い渡された相手と婚姻関係を結ぶことが当たり前だと思われていた時代であり、親が決めた相手が自分を幸せにする確率が高いに違いないと信じる時代であったという。



昭和初期は、「男女七歳にして席を同じゅうせず(一般に男女は7歳になれば、男女の別を明らかにして、みだりに交際させてはならない)」と言われていたように、婚姻前の男女が出歩いていたら注意や通報されるような時代背景から、神社や河原など人目につかない場所でデートを楽しんでいたと考えられるという。

1950年~70年代、高度経済成長における皆婚社会と恋愛羨望時代



1945年に終戦を迎え、その後1955年~1973年に高度経済成長を迎えるという目まぐるしい時代も、実は変わらず「お見合い」結婚が婚姻の多くを占めていたそう。しかし、戦中の国策としての「お見合い」とは少し違い、社会制度として「お見合い」が必要とされるという時代であったという。



男性は社会的信用のための婚姻という側面もあったが、高度経済成長という時代背景から、「専業主婦」がいないと生活できない働き方をしていたため、会社が身元を保証してくれる職場結婚が当時の日本社会・経済において果たす役割が大きかったそう。



1960年代には多くの恋愛小説や映画「愛と死を見つめて」(1964年公開)の大ヒットなど、恋愛もののコンテンツが流行。それまでお見合い結婚が主流で自由に恋愛がしづらかったなか、なじみの薄かった「恋愛」に触れることで、日本社会全体で恋愛は尊いものだと羨望され、恋愛の楽しさに浮かれている状態であったとのこと。



また、高度経済成長の急速な都市化や産業の発展が、自然と職場結婚の増加につながっていったそう。同時に、各地に根付いていた「地元のつながり」や、都市部における「近所付き合い」が盛んな「団地文化」などを背景に、地域の交流が恋愛に発展するケースが急増したという。



上記のような高度経済成長や恋愛をテーマにしたコンテンツの影響もあり、1950年には20%代だった恋愛結婚の比率は徐々に上がり、1966年に半数近くになりお見合い婚の割合を上回ったとのこと。



SNSがなかった昭和時代は、友人や先輩など、身近にいる信頼できる人からの口コミがデート情報を得るための重要な手段であったそう。

1970年~90年代、恋愛至上主義時代

1980年代後半から1990年代初頭、バブル景気に沸く日本では、恋愛も一層自由で華やかなものとなったそう。都会のナイトスポットやおしゃれな喫茶店、バーなどでの偶然の出会いが増加。さらに「合コン」や「ナンパ」といった軽やかな交流スタイルも登場し、恋愛のきっかけが多様化したとのこと。トレンディドラマなど華やかな恋愛スタイルがテレビ・雑誌で取り上げられ、それをなぞらえるように多くの人が恋愛に夢中になっていたという。



様々な場所が恋愛のプラットフォームと化しており、居酒屋に同性で行けば当たり前のようにナンパを期待する/期待されるのが前提。「ナンパ(声掛け)」は、現在と昔で同じ言葉、同じ行為であっても、社会的・心理的背景含めて全く異なるものであったようだという。



その年代を大学生として過ごした石原さん曰く、「居酒屋だけでなく生活のすべてが恋愛に繋がっていた。大学生や新社会人は恋愛に一生懸命になるものだと当たり前のように思い、むしろ声をかけないといけないという強迫観念にとらわれていた」とのことで、まさに恋愛至上主義というべき時代であったそう。



また、このころになると恋愛が婚姻のきっかけのスタンダードとなり、社内恋愛をきっかけとした職場結婚も増えてきたという。その裏側にあったのは、企業が女性をお嫁さん候補として採用するなど、今とは違った社会による恋愛・結婚への後押しがある構造であったとのこと。



昭和の恋愛模様を描いたTVドラマや映画は、デートのアイデアの宝庫であったそう。「トレンディドラマ」と呼ばれる作品群では、主人公たちが訪れるおしゃれなレストランや都会的なデートスポットが描かれ、多くの視聴者が「自分たちもあんなデートがしてみたい」とインスピレーションを得たという。



この時期の恋愛シーンで大きな役割を果たしたのが「クルマ」。それ以前はクルマを持っている若者は一部であったが、都市部を除き、若者が自分のクルマを持つのが当たり前となったそう。ドライブやスキー旅行で距離を縮めるなど、クルマは「恋愛の進展」に欠かせないアイテムだったと言えるとのこと。

2000年~2015年頃、女性自立時代



相手に価値観の一致を求める人が多い現代。実は「価値観の一致・相性の良さ」を求めるようになったのは平成に入ってからとのこと。言い換えれば、それまでは誰もが「同じ価値観」を持っているのが前提という一面があったそう。



また、1999年の男女共同参画社会基本法により、女性の社会進出・自立が飛躍的に進み、産業の発達により生活のための婚姻の必要性が薄らいでいったという。結果、「家庭を築く」という社会から見た婚姻の意義より、男女ともに「価値観」や「相性」が一致する相手と人生をともに歩むといった、個人から見た婚姻の意義が優先される時代になったとのこと。



この頃には「男性に尽くすのが女性の役割」「女性は選ばれる側の存在」という概念も、ほぼ消滅。専業主婦が珍しい存在となり、女性も仕事を長く続けることが当たり前に。夫婦の関係性も変わったという。ただ、実際のライフスタイルが大きく変化しているにもかかわらず、男性の意識変化に時間がかかり、男女間の認識に差が出始めている時期でもあったそう。



インターネットでの検索が増加しつつも、引き続きTVや雑誌からの情報も大きな影響力があったそう。テーマパークなど「最新のデートスポット」が次々と誕生し、それらを紹介する番組や記事も増加したそう。また、1980年代から始まった「グルメブーム」も世の中に定着し、カップル向けの飲食店も増加したという。



1990年代後半からの円高で、若者も海外旅行にカジュアルな気分で出かけるように。その傾向は2000年代に入ってからも続いたそう。温泉旅館やビジネスホテルをサイトで予約するスタイルが一般的になったことも、デートとしての国内旅行が広まった一因と言えるとのこと。

2015年~、恋愛オプション時代



マッチングアプリやSNSを通じて、物理的な距離を超えた出会いが日常化。個人の価値観や趣味に基づいた「ピンポイントのマッチング」が可能となり、時代を超えた「多様な出会い」の集大成ともいえる新たな恋愛スタイルが広がっているという。特に「マッチングアプリ」は2012年に婚活マッチングアプリ「Omiai」ができたことで市場が拡大し、2024年には4人に1人が婚姻相手と出会った手段となるほど一般的になっているという。



現代のデート情報収集は、スマートフォンを使った検索やレビューサイト、SNSの投稿が主流となり、情報量や選択肢が増加したとのこと。また、YouTubeやTikTokといった動画プラットフォームでは、実際にスポットを訪れた様子や体験動画が豊富に共有されており、まるで自分がその場にいるかのような感覚で情報を得ることが可能であるそう。



さらにSNS内にはレコメンド機能なども搭載され、自ら検索を行わずとも、自然と求める情報が集まる形となっており、より効率良くデートの情報収集ができるようになったという。



昭和時代のデートといえば、映画鑑賞や喫茶店でコーヒーを楽しむのが主流であったという。一方で、令和時代のデートでは、映画は映画館ではなく自宅でサブスクリプションサービスを利用して楽しむケースが増えているそう。



ライフスタイルの変化に伴い、デートの方法や場所が時代に合わせて進化している一方で、「映画」や「飲食」といったデートの定番要素は変わらず、世代を超えて愛され続けているという。これは、デートにおける「共有する楽しみ」という本質が、時代を超えて変わらないことを物語っているとのこと。( Yume)

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  • 昔は30歳独身だと恥ずかしいと言われた。現代においては余計なお世話だと思う。あと、えらい引っ付け好きなおばちゃんが必ず居た。
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