限定公開( 7 )
学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る財務省の公文書改ざんを苦に自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さん(当時54歳)の妻雅子さんが、財務省の佐川宣寿・元理財局長に1650万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(平木正洋裁判長)は、雅子さんの上告を棄却する決定を出した。12日付。雅子さん敗訴とした1、2審判決が確定した。裁判官5人のうち4人の多数意見。
国家公務員が違法に他人に損害を与えると、国家賠償法に基づき国が賠償責任を負うが「公務員個人は賠償責任を負わない」とする最高裁判例がある。
雅子さん側は自殺につながる改ざんを指示したとして佐川氏の賠償責任を主張していたものの、1審・大阪地裁は2022年11月の判決で、判例を根拠に雅子さんの請求を棄却し、2審・大阪高裁判決も23年12月に支持していた。
雅子さんは20年3月、佐川氏に加えて国も相手取った訴訟を起こしていた。国は21年12月、赤木さんの自殺と改ざんとの因果関係を認め、請求されていた約1億700万円を支払うとしたため、国との訴訟は終結。佐川氏との訴訟だけが続いていた。【巽賢司】
「本当のこと話して」
|
|
上告棄却を受け、雅子さんは代理人弁護士を通じ、「最高裁の判断はとても悔しいですし、信じられません」と心境を明らかにした。佐川元局長については「訴訟はこれで終わりですが、本当のことを話してくれるように、私は働きかけを続けたいと思います」とコメントした。【土田暁彦】
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 THE MAINICHI NEWSPAPERS. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。