消費者庁が入る中央合同庁舎第4号館=東京都千代田区 「動画のスクリーンショットを送れば報酬がもらえる」とうたい、作業ミスなどの名目で高額送金を求められる被害が相次いでいる。消費者庁には昨年1年間で1615件の相談が寄せられ、確認された被害額は10億円を超えた。
同庁によると、被害者は動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」やインスタグラムなどで「簡単に稼げる副業」とうたう広告を通じて勧誘された。「要求通りに動画を見るだけで、報酬がもらえる」と説明され、見た動画のスクリーンショットをLINEで送信すると実際に数百円の報酬が支払われたという。
報酬を払って信用させた後で、「より高い報酬を得るためには参加費用が必要」「作業ミスがあったので追加送金が必要」などと金銭を要求してくるという。20〜50代の被害が多く、数千万円を支払った人もいた。
追加で払った費用は、作業が完了すれば返金されると説明されていたが、実際に返金されたケースはなかったという。
同庁は「『簡単に稼げる』と称する副業を信用せず、お金を振り込まないようにしてほしい」と呼び掛けている。