画像提供:マイナビニュースPGF生命は5月13日、「2025年の還暦人に関する調査」の結果を発表した。調査は2025年3月19日〜3月21日、今年還暦を迎える1965年生まれの男女2,000人を対象にインターネットで行われた。
○「還暦の実感がわかない」8割強
今年還暦を迎える1965年生まれの人(以下、還暦人「かんれきびと」)2,000名に、還暦の実感について質問した。
まず、全回答者に、還暦を迎えるという実感がわかないかを聞いたところ、「そう思う」は83.2%、「そう思わない」は16.9%だった。過去の調査結果と比較すると、還暦を迎えるという実感がわかない人の割合は、2018年の初回調査から、2024年の調査まで緩やかな上昇傾向にあったが、今回調査では前回と同水準となった。
また、還暦を迎えたことを他人に知られたくないかを聞いたところ、「そう思う」は15.0%だった。男女別にみると、「そう思う」は男性(10.9%)と比べて女性(19.0%)のほうが8.1ポイント高くなった。
○心と体の実感年齢
次に、自身の年齢を何歳相当だと実感しているか、精神年齢と肉体年齢についてそれぞれ聞いたところ、精神年齢(精神的な若々しさ)の実感と肉体年齢(身体的な若々しさ)の実感のいずれも「50〜54歳相当」(精神年齢28.0%、肉体年齢30.6%)に最も多くの回答が集まったほか、精神年齢では「40〜44歳相当」(18.0%)、肉体年齢では「55〜59歳相当」(20.7%)や「60〜64歳相当」(22.2%)にも多くの回答があった。平均年齢は精神年齢45.9歳、肉体年齢54.5歳だった。
また、最近、記憶力の衰えを感じるかを聞いたところ、「感じる」は65.3%、「感じない」は34.7%となった。男女別にみると、記憶力の衰えを感じると回答した人の割合は、女性では70.3%と、男性(60.3%)と比べて10.0ポイント高くなった。
○嬉しいと感じる還暦祝い
嬉しいと感じる還暦祝いを聞いたところ、イベントごとや体験では1位「一緒に旅行に行く」(34.6%)、2位「食事会を開く」(28.2%)、3位「プレゼントをもらう」(24.7%)、プレゼントでは1位「現金」(27.6%)、2位「旅行券」(20.6%)、3位「おしゃれな洋服・小物(バッグ・腕時計など)」(14.2%)だった。
男女別にみると、イベントごとや体験では男女ともに1位は「一緒に旅行に行く」(男性27.9%、女性41.3%)となり、男性では2位「一緒にお酒を飲む」(24.0%)、3位「食事会を開く」(22.9%)、女性では2位「食事会を開く」(33.5%)、3位「プレゼントをもらう」(28.8%)となった。
反対に、嫌だ・遠慮したいと感じる還暦祝いを聞いたところ、イベントごとや体験では「赤いちゃんちゃんこを着る」(58.4%)が突出して高くなり、2位「マッサージしてもらう」(11.8%)、3位「一緒にお酒を飲む」(10.9%)が続いた。プレゼントでは1位「夫婦ペアグッズ(ペア財布・ペア腕時計など)」(23.4%)、2位「記念品(似顔絵・メッセージ入り置き時計・フォトフレームなど)」(22.7%)、3位「花束」(14.7%)となった。
○若い世代をみて「うらやましい」と思うこと
今の若い世代の人たちを見ていて"うらやましいな"と思うことを聞いたところ、1位「スマホ・携帯電話がある」(46.1%)、2位「インターネットが普及している」(45.0%)、3位「情報を入手しやすい」(42.0%)となった。必要かつ有益な情報を手早く、簡単に入手できる通信環境をうらやましく思う人が多いようだ。以降、4位「ハラスメントから守られている」(29.4%)、5位「子育て支援が手厚い」(26.7%)が続いた。
男女別にみると、「子育て支援が手厚い」(男性16.4%、女性37.0%)は男性では9位となったのに対し、女性では5位となった。女性では、現役の子育て世代のように、自身も子育てに対する公的サポートなどを受けたかったと感じる人が多いのかもしれない。
○還暦に見えないくらい容姿が若いと思う有名人
今年の還暦人と同年代の1965年生まれの有名人について聞いた。
還暦に見えないくらい容姿が若いと思う同年代の有名人を聞いたところ、俳優として活躍している「沢口 靖子さん」が1位となり、2位「本木 雅弘さん」、3位「YOSHIKIさん」、4位「吉田 美和さん」、5位「仲村 トオルさん」が続いた。男女別にランキングをみると、男性回答では1位「本木 雅弘さん」、2位「YOSHIKIさん」「吉川 晃司さん」、女性回答では1位「沢口 靖子さん」、2位「吉田 美和さん」、3位「本木 雅弘さん」だった。
○影響を受けた同年代の有名人
次に、自身が影響を受けたと思う同年代の有名人を聞いたところ、今年、自身初のトリビュートアルバムを発売した「中森 明菜さん」が1位となった。以降、2位「吉川 晃司さん」、3位「吉田 美和さん」、4位「本木 雅弘さん」、5位「YOSHIKIさん」が続いた。
男女別にランキングをみると、男性回答・女性回答ともに1位は「中森 明菜さん」となり、女性では197名とダントツとなった。男性回答では2位「吉川 晃司さん」、3位「吉田 美和さん」、女性回答では2位「吉田 美和さん」、3位「本木 雅弘さん」「沢口 靖子さん」が続いた。
○自身の還暦パーティーに呼びたい同年代の有名人
また、自身の還暦パーティーに呼びたいと思う同年代の有名人を聞いたところ、自身が影響を受けたと思う同年代の有名人と同様に「中森 明菜さん」が1位となった。続く2位は「吉田 美和さん」、3位は「ヒロミさん」だった。
○現段階の貯蓄額「100万円未満」は30%
全回答者(2,000名)に、現段階の貯蓄金額(配偶者がいる場合は夫婦2人分)を聞いたところ、「100万円未満」(30.0%)に最も多くの回答が集まったほか、「100〜300万円未満」(15.8%)や「500〜1,000万円未満」(11.8%)、「1,000〜1,500万円未満」(9.8%)、「3,000〜5,000万円未満」「1億円以上」(いずれも7.0%)などに回答が分散し、平均は2,460万円、中央値は475万円だった。また、「500万円未満」の割合は50.0%、「2,000万円以上」の割合は26.5%となった。
過去の調査結果と比較すると、貯蓄金額の平均は、2023年以降の減少傾向が続き、2023年3,454万円→2024年2,782万円→2025年2,460万円と、2024年の調査から322万円の減少がみられ、2025年は調査開始以来の最低額となった。
また、現段階の貯蓄金額が「100万円未満」の割合についてみると、2025年は30.0%と調査開始以来最も高い水準に達した。一方、「3,000万円以上」の割合は、2018年の初回調査から25%前後を推移していたものの、2024年以降は2024年18.0%、2025年19.7%と2年連続で20%未満にとどまった。物価上昇により貯蓄を取り崩さざるを得ないケースや、2024年開始の新NISA制度を活用した「貯蓄から投資へ」の動きの影響が生じているのかもしれない。
○「友人・知人などの交友関係にお金を使っている」6割
友人・知人などの交友関係にお金を使っているかを聞いたところ、「使っている」は59.3%、「使っていない」は40.7%となり、4割の人は交友関係にお金を使っていないことがわかった。男女別にみると、友人・知人などの交友関係にお金を使っている人の割合は、男性では57.9%、女性では60.8%となった。居住エリア別にみると、友人・知人などの交友関係にお金を使っている人の割合は、関東(64.3%)で最も高くなった。
交友関係にお金を使っている人(1,187名)に、交友関係に使っているお金はひと月あたりどのくらいかを聞いたところ、「5,000円〜10,000円未満」(28.4%)、「10,000円〜20,000円未満」(31.9%)に回答が集中し、平均金額は11,469円だった。男女別にみると、男性では平均が14,474円、女性では平均が8,606円となり、女性と比べて男性のほうが5,868円高くなった。
○趣味のために使っている金額は月平均17,864円
趣味のためにお金を使っているかを聞いたところ、「使っている」は68.5%、「使っていない」は31.5%となった。男女別にみると、趣味のためにお金を使っている人の割合は、男性では73.0%と、女性(64.0%)と比べて9.0ポイント高くなった。
趣味のためにお金を使っている人(1,370名)に、趣味のために使っているお金はひと月あたりどのくらいかを聞いたところ、「10,000円〜20,000円未満」(30.0%)に最も多くの回答が集まったほか、「5,000円〜10,000円未満」(18.9%)や「20,000円〜30,000円未満」(13.8%)にも回答が集まり、平均は17,864円だった。
過去の調査結果と比較すると、平均は2023年20,621円→2024年19,529円→2025年17,864円と減少傾向が続き、2024年からは1,665円減少した。
○女性2割強が「推し活でお金をかけている」
全回答者(2,000名)に、推し活としてお金をかけていることがあるかを聞いたところ、「ある」は15.9%、「ない」は84.2%となった。男女別にみると、推し活としてお金をかけていることがある人の割合は、女性では21.8%と、男性(9.9%)と比べて11.9ポイント高くなった。
推し活としてお金をかけていることがある人(318名)に、最もお金をかけている推し活の内容と、その推し活に1年間にかけている金額を聞いたところ、かけている金額の平均は、「スポーツ観戦をする」が168,217円で最も高くなり、大相撲観戦に1,500,000円かけているといった回答もみられた。次いで「観劇をする」が88,235円、「コンサート・ライブに行く」が86,464円、「スポーツチーム・選手を応援する」が68,188円、「グッズを買う」が42,000円、「CD・DVDを購入する」が20,500円となった。
また、推し活が生きがいになっているかを聞いたところ、「なっている」は63.2%、「なっていない」は36.8%となった。男女別にみると、推し活が生きがいとなっている人の割合は、女性では68.9%と、男性(50.5%)と比べて18.4ポイント高くなった。
○還暦人の7割半がキャッシュレス派
全回答者(2,000名)に、買い物では現金決済よりキャッシュレス決済をすることが多いかを聞いたところ、「多い」は73.7%、「多くはない」は26.4%となり、大多数がキャッシュレス派となった。男女・居住エリア別にみると、現金決済よりキャッシュレス決済をすることが多い人の割合は、男女ともに関東(男性78.6%、女性78.8%)で最も高くなった。一方、男性では北海道・東北(66.3%)、女性では九州・沖縄(58.7%)が最も低くなった。
○「還暦を過ぎても働きたい」働く還暦人の約9割
59歳時点で就労をしている・していた人(1,486名)に、還暦以降の就労意向について質問した。
60歳以降、働きたいと思うかを聞いたところ、働きたいと思う人は87.1%、働きたいと思わない人は12.9%と、大多数が還暦以降の就労に対して意欲的であることがわかった。
また、60歳以降、何歳まで働きたいかについてみると、65歳以降も働きたいと思う人(65歳以降の年齢を回答した人)の割合は80.8%、70歳以降も働きたいと思う人(70歳以降の年齢を回答した人)の割合は44.0%だった。
過去の調査結果と比較すると、70歳以降も働きたいと思う人の割合は、2022年36.5%→2023年39.0%→2024年42.7%→2025年44.0%と、2022年以降の上昇傾向が引き続きみられ、調査開始以来最も高い水準となった。
59歳時点で就労をしている・していた人で、60歳を過ぎても働きたいと思う人(1,294名)に、60歳を過ぎても働きたいと思う理由を聞いたところ、「働かないと生活費が不足するから」(56.6%)が最も高く、5割半となった。物価上昇が続くなか、年金や貯金だけで生活していくことが困難だと感じている人が多いのかもしれない。以降、「健康を維持したいから」(43.0%)、「その歳までは元気に働けると思うから」(41.3%)、「生きがい・やりがいがほしいから」(32.1%)、「人と関わりを持ちたいから」(31.4%)が続いた。
○「SNSを使っている」5割
SNS(Facebook,X-旧Twitter-,Instagramなど)を使っているかを聞いたところ、「使っている」は50.7%、「使っていない」は49.3%となり、拮抗する結果となった。男女別にみると、「使っている」の割合は、男性では50.3%、女性では51.2%となった。居住エリア別にみると、SNSを使っている人の割合は、九州・沖縄(60.4%)が突出して高くなった。
SNSを使っている人(1,015名)に、情報収集をSNSですることが多いかを聞いたところ、「多い」は62.7%、「多くはない」は37.3%となった。男女別にみると、情報収集をSNSですることが多い人の割合は、女性(68.6%)では男性(56.7%)より11.9ポイント高くなった。居住エリア別にみると、中国・四国(74.2%)、九州・沖縄(70.4%)では多い人が7割を超えた。(Yumi's life)