
Q. 五月病が長引いていて、やる気がおきません。回復を待つしかないですか?
Q. 「新生活に慣れようと4月から必死で頑張ってきましたが、最近はどうしてもやる気が出ず、毎日がつらいです。いわゆる五月病だと思うのですが、仕事以外のことも気力がわかず、休日も1日中だらだらと過ごしています。このまま何もせずに、回復を待つしかないでしょうか? 何か対処したほうがいいことがあれば、教えてください」A. 長引く場合、放置は危険です。五月病だとあなどらず、専門機関の受診を
「五月病」は、主に新生活による心身の疲れが原因で起こる不調です。「やる気が出ない」「気持ちがさえない」などのスランプ状態のことを指します。正式な病名の病気ではなく、多くは一時的な反応で、十分な休養を取れば自然と改善します。しかしながら、こうした症状が数週間以上続いたり、日常生活に支障をきたしたりしている場合は、注意が必要です。うつ病や適応障害など、より深刻な「心の病気」へと進行する可能性があります。特に「死にたい」という気持ちが出てきた場合は、ただの五月病ではないと考えましょう。精神科や神経科を、早急に受診することが必要です。
五月病の症状は、よくある心身の疲労反応として誰にでも起こりえます。しかし「かなり長引いている」「症状が悪化してきた」と感じる際は、我慢すべきではありません。適切に、医療機関に助けを求めることが重要です。長引く五月病を放置することは、症状のさらなる悪化につながる恐れがあるという点を頭に置いていただき、早めの対処を心がけてください。
中嶋 泰憲プロフィール
千葉県内の精神病院に勤務する医師。慶応大学医学部卒業後、カリフォルニア大学バークレー校などに留学。留学中に自身も精神的な辛さを感じたことを機に、現代人の心の健康管理の重要性を感じ、精神病院の現場から、毎日の心の健康管理に役立つ情報発信を行っている。(文:中嶋 泰憲(医師))
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