
歓楽街の締め付けが強まる中、ホストクラブの出店ラッシュは留まることを知りません。“歌舞伎町バブル”というブームが起きて以来、数億円を売り上げるキャストがゴロゴロと登場し、その結果、新店を増やすグループや、会社から独立して経営側にまわるホストが多くなったのです。
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「○億円プレイヤー誕生」なんて書かれた街宣車を見れば、どのお店もたくさんの女性で賑わっているように思えるでしょう。しかし実のところ全ての店舗がうまくいっているわけではありません。出店したは良いものの初回(※)の集客さえままならず、閑古鳥が鳴くお店も少なくはないようです。
(※)初回:指名が決まっていない状態で来店する、ホストクラブ独自のシステム。初来店時のみ格安で遊べる。
話題になるのは最初の3カ月まで!?新しいもの好きが意外といない現実
有名ホストが出店しても、最近は流行が長く続かないそうです。もちろん最初の方は話題になりますが、あくまで1〜3カ月程度。その後は店に実力がないと、すぐに空席が目立つ状態に陥ります。
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そもそも、歌舞伎町に入り浸るホス狂いと呼ばれる女性の多くが、「新しいもの好き」ではありません。まっさらな新人と発展途上のお店より、安定を求めています。
なんせ彼女たちは目的がハッキリと決まっているため、能力が未知数のものには強い警戒心を抱くとか。特に夜職未経験の新人キャストは、目が肥えた“狂い”の人々から苦手意識を抱かれやすく、「未来のスターを育てるための新店です」みたいな育成施設は、玄人からするとウケが悪いのでしょう。
とはいえ最近の新店は歌舞伎町の住人よりも、TikTokやYouTubeホストに興味を持った新たな客層にアプローチしていることも多いです。既存の人間だけで回すよりも、新しい客層を取り入れて店を賑わせる方を狙っていますから、運営側も玄人の間だけで話題になるのを望んではいません。
「ホス狂いの女の子たちはすでに指名が決まっていて、担当ホストにガチガチに固められているケースがほとんど。そこを奪い合っても意味がないですから、違う層を引き入れて安定を狙います。まぁ半年以上、歓楽街で話題にのぼり続けるのは難しいので……どこも“持って3カ月”、“あとはSNSに頼って集客頑張ろう”くらいに思っているはずですよ」
と、語るのは某ホストクラブの裏方スタッフTさん。今の運営陣はブームが継続しない現実を理解した上でのアプローチを練っているそうです。
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出店ラッシュ=集客に繋がるとは限らない、街の厳しさ
出店ラッシュが相次ぎますが、新店が必ずしも集客に繋がるとは限りません。グループなど関係なく新店舗は毎月のようにあちこちで誕生するため、店ができること自体はちっとも珍しい話ではないからです。むしろ無名グループや「個人店」と呼ばれる小規模なところだと話題にならないどころか見向きもされません。
近頃は外販と呼ばれるキャッチにも規制が入り、集客がとても苦戦している状態。有名店が拡大移転をするなら、それなりにブームは起きるでしょう。しかし、欲をかいてムリヤリ規模を広げて失敗する例も多いですね。
「狭いからこそ賑わっていた」みたいな感じだと、オープン間もないのに空席が目立つ場合もあるそうで……。店内があまりに寂しいと初回に来た客も不安になり、リピートする気が失せ、閑古鳥が鳴く悪い流れも起きがちです。
一見華やかである出店ラッシュも、蓋を開けてみれば天国と地獄が大きく分かれるもの。少しの宣伝で魚がたくさん釣れるわけではないため、ひと捻り加えたやり方でないと、あっという間に散っていくでしょう。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。
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