
世の夫たちが隠し持っている、妻に見られたくない“アレ”。自分の死後、遺品整理をする妻の手によってつまびらかにされてしまったら―!? 男たちが終活でサッサと処分してしまいたい、でも今も大事に持っているモノは何かを大調査!
妻に知られたくない処分したいものは
50代も半ばに入ると、何かのタイミングで脳裏をよぎるのが「終活」。残された家族に迷惑をかけないよう、しっかりと準備をしたいものだ。そこで世の男性がひそかに恐れ、頭を悩ませているのが、「妻に知られたくないモノ」の処分だという。
かのサザンオールスターズ・桑田佳祐にも、そんな“モノ”があるという。4月13日に放送されたTBS系バラエティー番組『日曜日の初耳学』では、知り合いが心筋梗塞になった際に真っ先にしたのが「秘密のDVDを隠したこと」だったというエピソードを明かした。
これに桑田は「すごくわかるんですよ」と共感。彼自身も秘密のDVDの処分について考えることがあると言い、「スタッフに頼むのもね……」と迷いを見せた。
数々の神曲を生んだ希代のポップスターすら悶々とする男の終活。世の男性が、妻に知られず処分したいと考えている秘密のモノとはいったい何なのか。その実態を探るため、「終活するなら処分したいモノ」「処分したい理由」について、50代〜90代の男性を対象にアンケートを取った。その結果は……。
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「エロ本」「エロ動画」「エロ画像」「エロビデオ」「エロ漫画」「アダルトDVD」「AV」「エロ動画サイト」……取材班の予想どおり、エロ、エロ、エロの連打連続フルコンボ! 雑誌や画像、漫画にビデオなど、人それぞれエロの形は違えど「エロ」アイテムが最多、最優先の処分対象であることが判明した。
アンケート対象300人中、エロがらみのモノを答えたのはおよそ50人。彼らの「処分したいモノとその理由」を聞いてみよう。
「AV。いい年をしてまだこんなものを見ていたかと思われそう」(兵庫県・67歳)、「エロ画像。高齢になってふさわしくない」(千葉県・77歳)、「エロ本。55歳にもなって見ていることについて指摘されそう」(埼玉県・55歳)
などの意見からは、年齢とエロの間で揺れる葛藤が伝わってくるようである。
「エロ画像。男の性の本質」(東京都・74歳)、「昔買ったエロ本。結婚する前からそのままになっていて妻はそういうモノに理解がないので」(大阪府・56歳)
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など、“男がエロを愛して何が悪い!”と開き直りながらも処分するクチだろうか。
また、
「PC内のエッチ画像。数十年前のもので画質が良い。内容がエキゾチック」(香川県・64歳)、「エロ画像のデータ。かなり古いものでマニアック」(岐阜県・66歳)、「スケスケ勝負パンツ。隠れゲイだったのは妻には内緒」(東京都・53歳)
といった、単純に“エロだから処分”するのではなく、内容の特殊さゆえの回答も。それぞれに処分したいと言いながらもこだわりと愛着が垣間見えてしまっているのはご愛敬。
最近の終活で注目される「デジタル遺品」
なかなか処分できず、いまわの際に「アアッ!」とならないようにお願いしたい。
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「パソコン」「スマホ」などのほか、「パソコンの中身」「ネットの検索履歴」を挙げたのは約20人。
これらは「デジタル遺品」として最近の終活で注目されている。個人データのかたまりであるスマホの中身を残したままでは死んでも死にきれない人は多いだろう。読まれたくない個人ブログ、SNSなども同様だ。
「検索履歴。何でもすぐにインターネットで調べるので、その直前に何を調べていたかによるが、恥ずかしい場合がある」(静岡県・58歳)、「コメント履歴。見られて困るようなコメントは一切ありませんが、コメントしていることを知られること自体が恥ずかしい」(愛知県・53歳)。
夫のヤフコメの内容や検索履歴など知らずに済むならそのほうがいい。そして、次に多かったのが、過去の女性に関する写真や手紙、日記で、18人が挙げた。
「昔の彼女の写真。捨てられず困っている」(神奈川県・58歳)、「元カノの写真。捨てられないけど、見られたくない」(東京都・60歳)、「ツーショット写真。初恋の人だから」(京都府・78歳)
と今も残る淡い恋心が見て取れる。
「昔の浮気相手の写真。今さら言い訳するのは面倒」(愛知県・62歳)。
こう言いつつも捨てられなかったのは、ロマンチストなのか未練がましいのか。
「何十年分の日記。もちろん妻への文句や、他の女性のことも……」(秋田県・77歳)、これを見つけたら妻も読まずにはおれないだろう。ちなみに「妻からの手紙」と答えたのは1人。その理由は「懐かしさもあるが、当時のいざこざもいろいろと書かれているから」(埼玉県・66歳)。
何かのいざこざの際の切り札なのだろうか。ドラマを感じて気になるところ。
「小物のコレクション。こんなつまらないモノを集めていたと思われたくない」(東京都・66歳)、「小学生のころの今から思えばゴミみたいな収集品。見た目はゴミにしか見えないから」(京都府・67歳)
という少年心を残した意見も。
ギャンブルの収支表は「見つかるとヤバい」
他人にはゴミでも自分には宝。コレクターの男性諸氏は専門店での生前見積もりを取って処分することも選択肢に入れてはどうか。残された妻には、たぶんただのゴミなので……。
また、
「ネット銀行の口座の入出金履歴。馬券や宝くじを買っていてかなりマイナスなので、履歴を見られたくない」(埼玉県・56歳)、「ギャンブルの収支表。見つかるとヤバい」(岐阜県・58歳)、「貯金通帳。過去の無駄遣いがわかるので」(埼玉県・80歳)
といった浪費グセを隠すスタイルも。
「自費制作したCDの在庫。300枚作って70枚ほど抱えています。売り切ってないのにまた制作中なのでたぶん叱られる」(福岡県・63歳)、「自分で書いた小説。内容が子どもの書いたようなストーリーなので」(兵庫県・56歳)
など、妻に知られたくない趣味の作品を挙げる声もあった。
「壊れたプリンター。壊れているのに捨てていないと怒りそうだから」(千葉県・67歳)、「ほとんど使わずにダメになった健康器具。やる気がありそうな顔をして買って、ほぼ手つかずなのを気づかれたくない」(千葉県・68歳)
……妻の代わりに言うが、終活とかではなく、さっさと粗大ゴミに出してはどうか。昔の自分の写真を挙げていた男性も数人いた。理由は、
「太っていたから」(東京都・58歳)、「だいぶ現在とかけ離れているから」(千葉県・68歳)、「荒れてたから」(大阪府・53歳)、「丸刈りで恥ずかしいから」(秋田県・72歳)
など、現在の自分の姿とのギャップを挙げており可愛らしい。なかなか男心は複雑なもののようだ。
ちなみに回答の最多は、「特にない」で173人。理由には
「すでに処分しているので何もない」(東京都・72歳)、「見られて恥ずかしいモノはない。転勤のたびに不用品を捨て続けてきたので」(岡山県・58歳)などの処分済み回答も含む。「妻に見られて恥ずかしいモノはない」
という回答も5人ほどいた。その中には潔い理由もあった。
「死んだらそれまでだから」(神奈川県・51歳)。
う〜ん、確かにそうだが、そう言い切れない方は、終活で処分を忘れずに!
取材・文/ガンガーラ田津美