
「だいじょうぶ」の気持ちが詰まった、今井真実さんのレシピ本
「毎日忙しいけれど、自分や家族においしいものを作りたい」
家庭のキッチンを預かる方は、誰しもそう思いながら毎日の食事を作っているのではないでしょうか。
栄養や味のバランスや味の好み、食卓に並ぶ品数を考慮してレシピを決め、レシピの分量や手順を守って作る…。
ごはん作りには「これ!」という正解がないから、調理の際に考えることがたくさんで、疲れてしまうこともあるでしょう。
今井真実さんの著書「だいじょうぶレシピ」は、そうした毎日のごはん作りで疲れた人たちをふわっと包みこんで安心させてくれる、そうした力のあるレシピ本です。
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今井さんの提案するメソッドを知り、実践すれば、使う調味料が少なくても味がバシッと決まり、ごちそう感のあるおかずが完成します。
また、毎回レシピとにらめっこしなくても、自分だけの料理が作れるようになり、「きっとおいしく作れる」という自信がわいてくるんです。
ふだんのごはんは「塩ソテー」と「塩ゆで」でだいじょうぶ!
本書の冒頭で、著者の今井さんは「塩ソテー」と「塩ゆで」の2つの調理方法をすすめています。
今井さんいわく、毎日おいしいごはんを作りたい人におすすめの「究極のメインディッシュ」が、この2種類の調理方法で作れるそう。
「塩ソテー」または「塩ゆで」で作るメインに、野菜ひとつで作る炊き込みごはんや、お湯をそそぐだけの味噌汁があれば、大満足の食卓ができあがります。
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炊き込みごはんや味噌汁のレシピも本書に収録されていますから、その中から組み合わせて、まずは本の通りに作ってみてください。
「塩ソテー」と「塩ゆで」のレシピを紹介
ここからは、本書より「塩ソテー」と「塩ゆで」のレシピを1つずつご紹介します。
鶏むね肉をジューシーにいただく「塩ソテー」
鶏むね肉の火の通し方に技あり!なソテーのレシピ。
仕上げの段階で火を消し、余熱で仕上げることで、むね肉がジューシーに仕上がります。
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一緒のフライパンで作るパプリカのソースも、むね肉のおいしさを引き出してくれますよ。
材料(2人分)
鶏むね肉……1枚(300g)
塩……3g (鶏肉の重量の1%)=小さじ1/2強
パプリカ(赤)……大1個
にんにく……1かけ
オリーブオイル……大さじ1
[お好みで]
粉チーズ……適量
タバスコ……適量
作り方
1. 鶏肉は冷蔵庫から出して室温に戻し、キッチンペーパーで水気を拭きます。鶏肉の皮は引っ張って外し、包丁を寝かせて1cm幅のそぎ切りにします。
鶏むね肉は繊維が多く、焼くと縮まってかたくなるので、繊維を断つように切ること。そぎ切りにした1枚が大きければ、さらに半分にそぎ切りにします。
2. 鶏肉に塩をまんべんなくふり、まな板の上で軽くもんで全体に行き渡らせます。
パプリカは縦半分に切ってヘタと種を取り、繊維に垂直になるように横に薄切りにします。ここはがんばってなるべく薄く切るのがポイント。
3.フライパンにオリーブオイルをひいてパプリカを入れ、その上ににんにくをすりおろし、塩ひとつまみ(分量外)をふります。
ひとつまみとは指3本でつまんだ量で、数値は約1g。味つけは濃くなったら元に戻せませんが、薄い分には足すことができるので、気持ち少なめにすると安心です。
4.パプリカをフライパン全体に広げ、蓋をして中火にかけ、5分ほど蒸し焼きにします。蒸し焼きにすることでしっとり、くったりしてソースのように。
しんなりしたら蓋を開けて全体を混ぜ、パプリカの汁気を飛ばしてから火を止めます。
5.パプリカをフライパンの端に寄せ、鶏肉を並べます。弱火にかけ、うっすら白くなったら裏返します。ここで焼きすぎないようにしましょう。
6.両面がうっすら白くなったら火を止め、そのまま5分ほど蒸らします。このときにピンク色の部分があってもOK。蒸らすことで中まで火が入り、やわらかく肉質を保てます。
蓋を開け、まだピンク色の部分が残っていたら、再び10秒ほど弱火にかけて、同様に蒸らしましょう。
パプリカと鶏肉をざっと混ぜて器に盛り、好みで粉チーズとタバスコをかけていただきます。
ほわっとした食感が魅力「ゆで塩鮭」
焼いて食べることが多い塩鮭ですが、ゆでると「ほわっ」とした食感に仕上がります。こちらも余熱で火を通すのがポイント!
たれの黄身おろしポン酢は、肉にも魚にも使える万能だれ。覚えておくと役立ちます。
材料(2人分)
塩鮭(甘口)…2切れ
水…300mL(目安)
「たれ」…黄身おろしポン酢(作りやすい量)
大根…100g
卵黄…1個分
ポン酢…適量
※たれは黄身おろしポン酢のほか、お好みのものを使ってもだいじょうぶです。
作り方
1. 黄身おろしポン酢を作ります。大根はすりおろし、水気を絞ります。卵黄とポン酢を加えて混ぜたら完成です。
2. 塩鮭はキッチンペーパーで水気を拭きます。 小さめのフライパンに鮭と、かぶるくらいの水を入れて、中火にかけます。
フライパンが大きいと、その分水の量が多く必要になってしまうので、ぴったりサイズがおすすめ。塩鮭には塩が含まれているので、ここで塩を入れる必要はありません。
3.沸騰したら蓋をして火を止め、3分ほど余熱で火を入れます。
4.水気をきった鮭を器に盛り、黄身おろしポン酢など好みのたれでいただきます。
身近な食材のお助けレシピもたくさん
本書は塩ソテーと塩ゆでのレシピを中心に、豆腐や卵などの身近な食材で作るお助けレシピや、自由な発想で楽しむミニマルな鍋料理レシピ、お湯を注ぐだけでできる冷凍味噌汁の素など、毎日のごはん作りに役立つレシピが満載。
この1冊に集約された今井さんのレシピを繰り返し作っていけば、いつか「この本がなくても、ごはん作りはもうだいじょうぶ」と思えるようになるはず。
現在、ごはん作りにモヤモヤを抱えている方は、ぜひ本書をお手に取ってみてくださいね。
(撮影:今井裕治 スタイリング:来住昌美)
だいじょうぶレシピ(料理はこれだけ覚えておけばいい)(家の光協会)
このレシピさえあれば、今日もだいじょうぶ。
疲れていても、料理が苦手でも無理なく続けられる安心レシピ。
料理を作るときに、毎回レシピを見ながら計量して作るのは、とても時間がかかるもの。本書は、「頭の中で覚えられるくらいのミニマルなレシピ」をテーマに、とにかくハードルを下げた料理を掲載。
塩分1%のルールさえ覚えれば、簡単にできて繰り返しつくりたくなる料理が、みるみるうちに自分のレパートリーに。料理をおっくうに感じる人や、忙しいけど温かみのある料理が食べたい人は必見です。
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