空腹シグナルを出し続ける!?「人口甘味料」の摂取によるリスクを医師が解説

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2025年06月28日 16:00  クックパッドニュース

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さまざまな食品に使用されている人工甘味料。カロリーが控えめでダイエットに活用できるイメージを持っている人も少なくないと思いますが、実は逆に過食を引き起こしてしまう危険性もあるそうなのです。そこで、人工甘味料を摂取することのリスクについて、YouTubeチャンネルの登録者数が50万人を誇る、医師でヘルスコーチの石黒成治先生に教えてもらいました。

“人口甘味料”が過食を招いてしまう!?

昨今はカロリーカットを目的として人工甘味料が利用されることが多いですが、さまざまな健康に対する懸念が多くの研究結果で報告されています。

そんな中、砂糖の約600倍の甘さを示すスクラロースという人工甘味料が、脳にどのようなシグナルを与えるのかを見た研究があります。

砂糖入りの水、ただの水、スクラロース入りの水を飲んだときに、視床下部がどういった血流になるかをMRIを使って調べました。

すると、スクラロースを摂取すると、水や砂糖水を飲むよりも視床下部への血流をかなり増加させ、食欲や空腹感の刺激を送ることがわかりました。

また、性別で見ると、女性のほうがより強く反応するということもわかりました。 女性は刺激に対して脳が鋭敏に反応してしまうので、人口甘味料の摂取はあまりおすすめできないという結果でした。

さらに、スクラロースを摂取すると、視床下部とほかの脳の領域、前帯状皮質という食べ物に対する欲求や活動が強まる部分とのつながりが強くなることもわかりました。

スクラロースを摂取すると、脳にはエネルギーが入ってくるという期待を抱かせますが、実際にはカロリーがほとんどない。 そのため、視床下部が食欲を抑えるという機能を発揮せず、空腹シグナルを出し続けて過食を招く危険性があるということなのです。

人工甘味料は“遺伝的な安全性”にも影響を及ぼす!?

スクラロースは砂糖に塩素を付着させた化学物質で、人体にとって安全であると考えられていましたが、2023年にWHOが体重管理にはあまり使わないほうがいいと報告しました。

ほかにも、スクラロースの摂取群は糖尿病のリスクが上昇するという研究結果や、消化管の甘味の受容体を刺激してインクレチンやインスリンの分泌を誘導するという報告もされています。

インスリンの分泌を誘導するということは、より早く血糖値を下げる、もしくは血糖値を下げすぎるので、食後2〜3時間でまた食事を摂りたくなるという反応性低血糖を引き起こすリスクも高くなります。

スクラロースやアセスルファムKなどの人工甘味料を摂取すると、心臓の冠動脈疾患のリスクが有意に上昇するというデータもあります。

アスパルテームの摂取は脳卒中のリスクと関連するという報告もありますし、アスパルテームやアセスルファムKは、がんのリスクが上がるということも報告されています。

また、マウスの実験では、スクラロースの摂取によって、白血病やリンパ腫などの発生が有意に増加するという研究結果もあります。

さらに、スクラロースの摂取が、リンパ球の異常やDNAの修復関連を司る遺伝子の異常を引き起こすという報告もあり、遺伝的な安全性に関しても懸念されています。

1〜2回飲むことでは何も起こらないと思いますが、何かを期待して毎日飲むようなことは、人工甘味料全般において控えたほうがいいでしょう。

▼動画でもっと詳しく知る

画像提供:Adobe Stock

石黒成治先生


消化器外科医、ヘルスコーチ。
1973年、名古屋市生まれ。1997年、名古屋大学医学部卒。国立がん研究センター中央病院で大腸癌外科治療のトレーニングを受ける。その後、名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンター中央病院、愛知医科大学病院に勤務する。2018年から予防医療を行うヘルスコーチとしての活動を開始。腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法の普及を目的に、メールマガジン、YouTube、Instagram、Facebookなどで知識、情報を分かりやすく発信している。Dr Ishiguro YouTubeチャンネル登録者数は50万人超(2025年5月時点)。

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