写真せっかく気になる男性と一緒の時間を過ごせるチャンスに、彼には絶対にバレたくない恥ずかしいピンチが襲ってきたら……あなたならどうしますか?
今回は、そんな経験をした女性のエピソードをご紹介しましょう。
◆会社の気になる後輩から、突然ランチに誘われて
須藤美咲さん(仮名・30歳/会社員)は、同じ部署の後輩・野崎浩史さん(仮名・26歳)のことが気になっていました。
「以前野崎くんが仕事でミスをして困っていた時に私がフォローしたことがあったんですが、それ以来よく話しかけてくれるようになって。彼の一生懸命なんだけどたまに天然っぽい発言をするところが、可愛いなと思うようになったんです」
そんな野崎くんから「よかったら今日、一緒にランチ行きませんか? 最近できたばかりの和定食屋さん、評判みたいで気になって」とランチのお誘いを受けたそう。
「いきなり今日? しかも2人きりで? 本当に? と内心は焦りまくっていましたが、涼しい顔で『いいね。私も気になっていたところだったから』と答えて、慌ててトイレに走り入念にメイク直しをしました」
◆事件発生! スカートを押さえて立ち尽くす私
そして野崎くんと和定食ランチを楽しんだ帰り道、事件が起きました。
「実はその日に私が身につけていた下着は、両サイドが細いひも状になっていて結んで履くタイプのいわゆる“ひもパン”だったんですが……ひもパンの左側のひもが急にほどけて、下着がずり落ちそうになってしまったんです」
サッと左サイドのひも部分を押さえて、ひもパンが足元に落ちることはなんとか阻止。
「いきなり腰の辺りを押さえたまま黙って立ち止まった私を見て、野崎くんは心配していました。『え、もしかしてぎっくり腰ですか? 顔色悪いですけど、大丈夫ですか?』と言われたんですが、私はあまりの出来事にどうしたらいいのか分からなくなっていて、内心はパニック状態でしたね」
◆ついに……ひもパンが道に落ちてしまう
一度は押さえたものの、ひもパンは変わらずほどけたままでピンチには変わりありません。しかも、2人が歩いていたのは人通りが多い場所でした。
「その日は膝下丈のフレアスカートをはいていて、スカートも長いし足の甲を覆うタイプの靴だからと、浅いタイプの靴下をはいて、ノーストッキングだったんですよね。こんな日に限ってなんでこんなユルい格好で来ちゃったんだろう? と後悔が半端なかったです」
すると野崎くんに「すごく痛いですか? 病院行きます?」と両肩を掴まれた瞬間にドキッとしてつい左手の力が抜けてしまい……。
「ひもパンは真っ逆さまに足元へ落下してしまいました」
最大のピンチ、どう乗り切る?!
◆スカートで隠せたのに、通ゆく人たちに注目されたワケ
「ですが私は瞬時にその場にしゃがみ込んで、フレアスカートの膨らみをテント状にすることで、道に落ちたひもパンを隠すことに成功したんです。
ですが今度はいきなり座り込んでしまった美咲さんに野崎くんが驚いて「大丈夫ですか?!」と騒いでしまい、その様子を道ゆく人達がチラ見していくことがとても気になったそう。
「正直私はサッとひもパンを拾ってポケットにしまって何事もなかったかのように歩き出したかったのですが、野崎くんが私から1秒も目を離さずに声をかけてくるので……もう腹をくくるしかないかなと思いました」
◆後輩に壁になってもらい、ひと段落
美咲さんは野崎くんに「お願い! 私に背中を向けて立って、壁になってくれない?」と耳打ちしました。
「野崎くんは『え?』と不思議そうな顔をしていましたが『早く!』と私が急かすと、言われた通りに壁になってくれたのでその隙に私は目的を果たすことができたんですよ」
そして今度は急に颯爽と歩き出した美咲さんを見た野崎くんが「え、もう治ったんですか? いったい何が起こってるのか教えてくださいよ」と軽いパニック状態になってしまったそう。
「本当はひもパンがほどけて道に落ちたとは言いたくなかったですが、変に嘘をついても辻褄が合わなくなっておかしなことになるかなと思い『心配させてごめんなさい。実は下着がちょっと……』と私が言いかけたら『え、パンツがキツすぎて気持ち悪くなっちゃったんですか?』と真面目な顔で言うので思わず吹き出しちゃいましたね」
◆その後、2人の関係に大きな変化が
美咲さんはそのまま『うん、そうそう! もう大丈夫だから安心してね』と話を濁して本当のことは言いませんでした。
「なんか『ひもパンがほどけて……』とか言ったら誘っているみたいで怖いかな? と思ったんです。それより、気持ち悪くなって道に座り込むほどキツいパンツって何?って感じですよね(笑)」
そしてその事件以来、軽口を叩く中になった2人は徐々に距離が縮まり、お付き合いをするようになったそう。
「いまだに野崎くんは私が調子悪そうにしていると『大丈夫? パンツキツいんじゃないの?』と言ってくるんですよ」と微笑む美咲さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop