比残留日系人「国籍取得願う」=戦後に迫害、平均84歳―戦後80年

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2025年08月13日 07:31  時事通信社

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インタビューに答えるフィリピン残留日系人の竹井ホセさん=8日、外務省
 「元気なうちに日本国籍の取得がかなうことを願う」。太平洋戦争後、フィリピンに残されて無国籍状態となった日系2世の竹井ホセさん(82)が切実な思いを語った。戦後80年を経て、日本外務省の支援で初めて訪日し、取材に応じた。6日に大阪府河内長野市で親族と対面。代理人を通じて東京家裁に国籍取得を求める申し立ても行った。

 竹井さんは1943年5月、フィリピン国有鉄道に勤めていた日本人の父と、未婚のフィリピン人の母の間に生まれた。父は竹井さんの誕生直前に家を離れて日本軍に合流。終戦に伴い帰国していたことが、2009年に厚生労働省への身元照会で判明していた。

 戦前、多くの日本人が政府の要請で海外に渡り、フィリピンには約3万人が移住。現地女性と結婚する例も少なくなかった。戦争が始まると日本人男性は現地で召集され、戦死や、捕虜収容所から日本への強制送還により家族と引き離された。

 戦後、父親を失った日系2世の多くは現地に取り残され、日本軍の侵略への報復で迫害を受けた。出自や名前を隠して生きざるを得ず、父系血統主義を採用していたフィリピンでは無国籍となる人が相次いだ。竹井さんもその一人だ。

 外務省やNPO法人「フィリピン日系人リーガルサポートセンター」によると、フィリピン残留日系人は故人を含め少なくとも3800人。うち1800人以上が日本国籍を得られないまま亡くなった。現在、国籍取得を望むのは約50人。生存者の平均年齢は84歳で、高齢化が進む。

 石破茂首相は今年4月、フィリピン・マニラを訪れた際、竹井さんら3人の残留日系人と面会。「一日も早く国籍取得や一時帰国が実現するよう取り組みたい」と約束した。外務省は今後も対象者の訪日支援を継続する方針だ。 

このニュースに関するつぶやき

  • バヨクとの交換もいいけど、核武装しろとか徴兵制とか、あるいは国防に邪魔な原発推進を言うバカウヨクも一緒に追い出してくれ。
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