
お酒を飲んでおしっこが近くなる、夜中にトイレに行くようになった、3時間の映画で我慢できるかな......。みんな一度は気にしたことのある"尿意"。でも深く考えたことのある人は少ないのでは!? これを機に学んでみましょう!!
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【紳士こそ尿意の知識を得るべし!】
最近尿が近くなった。夜、尿意で熟睡できない。などなど尿意に関する悩みは年を重ねるごとに増えていくもの。でも、意外と詳しくは知らない尿意の知識。というわけで、東京国際大堀病院の泌尿器科医・村山慎一郎先生に尿意にまつわる疑問について一問一答形式で教えてもらった。
まずは尿意に関する基本の「キ」から!
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Q.そもそも、尿意はどのように発生するの?
A.膀胱に尿がたまることで、膀胱壁が伸びて広がります。その刺激が脊髄を通じて脳に伝達され「おしっこがしたい」という感覚を覚えます。
Q.どれくらい尿がたまるとおしっこに行きたくなる?
A.平均的な膀胱の容量は300〜500ミリリットルで、100〜200ミリリットルほど尿がたまると尿意を感じるといわれています。
Q.健康な成人男性は1日にどれくらいおしっこをする?
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A.基本的に1500〜2000ミリリットル弱の尿を排出するといわれています。回数としては1日に5〜7回程度です。
健康な成人男性の尿の回数は1日に5〜7回程度
Q.おしっこがしたくなるタイミングは?
A.膀胱に尿がたまればどんな状況でも尿意は催しますが、排尿は自律神経によってコントロールされています。尿をためているときは緊張時に優位になる交感神経が働き、膀胱の出口が閉じて尿を外に出さないようにします。
トイレに入ると、リラックス時に優位になる副交感神経が働き、膀胱の出口が緩んで尿が出ます。つまり、緊張状態だと尿が出にくくなり、リラックス状態だと尿が出やすくなると考えられます。
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検尿のコップや簡易トイレなど、普段と異なる排尿状態に置かれると尿意があっても尿が出づらくなるのは、このメカニズムが原因です。
Q.おしっこの回数に個人差があるのはなぜ?
A.代謝が良い人や、水分摂取量の多い人はそれに伴って排尿の量も多くなります。また、成人以降は年を取るにつれて尿意を感じやすくなり、トイレに行く回数が多くなります。
続いては、加齢と尿意の関係の疑問を!
Q.年を取るとおしっこが近くなる理由は?
A.加齢に伴い膀胱の筋肉が衰えて硬くなり、柔軟性が失われると、膀胱壁の伸展が悪くなります。それにより尿をためられる容量が狭まり、尿意を催しやすくなるのです。
夜中に尿が近くなるのもこれが原因です。「頻尿のガイドライン」によると、1日8回以上、または就寝時に2回以上起きて排尿する人は頻尿であると定義されています。
加齢に伴い膀胱の筋肉が衰えて硬くなるため尿意を催しやすくなる
Q.高齢の男性に多い前立腺肥大症と尿意の関連性は?
A.男性ホルモンの働き低下やホルモンバランスの変化により、加齢とともに前立腺は肥大します。前立腺肥大症が進行すると、前立腺が尿道を圧迫し、尿意切迫感や頻尿、尿の勢いの低下、尿の出にくさなどを実感します。
Q.頻尿を治すためのトレーニングはある?
A.「膀胱訓練」という、尿を我慢して膀胱にためられる尿の量を増やすトレーニングはあります。しかし、我慢をしすぎて漏らしてしまったら、その経験がトラウマになる人もいると思います。私個人としては無理をするよりも行きたいときに行くほうがよいと考えています。
お次は、尿意と我慢にまつわるエトセトラを!
Q.おしっこは最大何時間我慢できる?
A.「行きたい」と感じてから最大で2時間程度ですね。車の揺れなどによって膀胱が外部刺激を受けた場合、我慢できる時間はさらに短くなると思います。
Q.我慢の限界で「膀胱が破裂する!」と言う人がいるけれど、本当に破裂することはあるの?
A.膀胱でためられる尿量を突破すると尿が漏れ出てしまうので、破裂することはありません。前立腺肥大症により1リットルほど尿がたまった人の膀胱を見たこともありますが、破裂は起きませんでした。
前立腺肥大症が進行すると、尿意切迫を感じることも
Q.尿意を抑える方法はある?
A.水分摂取を我慢すれば多少は抑えられると思いますが、飲み物を飲まなくても尿は体内で自然に作られていきます。膀胱に尿がたまるにつれて尿意は高まっていくので、完全に抑え込むことは不可能です。
Q.下痢止めのように、尿意を止める薬はない?
A.頻尿の改善薬として、膀胱の伸展を感知するのを抑えたり、膀胱の収縮力を緩める薬は存在します。ただし、感じている尿意をピタッと止めるような薬はありません。
Q.おしっこを我慢しすぎると膀胱炎になるとよく言われるが、ほかの病気にかかる可能性もある?
A.発熱や吐き気などの症状が現れる腎盂腎炎などの尿路感染症や、痛みを伴う睾丸の炎症などが起こることもあります。トイレは早め早めに行くように心がけましょう。
それでは最後に、尿意に関するとっても素朴な疑問集を!
Q.お菓子の「ボンタンアメ」で尿意を抑えられるというウワサがあるけど、本当?
A.映画『国宝』の鑑賞で話題になった方法のようですが、医学的エビデンスはありません。私も、周囲の泌尿器科医も、特定の食べ物によって尿意が収まるという話には懐疑的です。尿意が抑えられたと感じている人はプラセボ(偽薬)効果が大きく働いたのかもしれませんね。
ボンタンアメが尿意を遠ざけるとウワサになったが、医学的エビデンスはない
Q.サウナに入ったり、汗をかくと尿意が収まるというのは本当?
A.ありえます。サウナで大量の汗をかくことにより、体内の水分量が減少します。それにより、新しく作られる尿の量が少なくなり、膀胱にたまりづらくなるので、尿意が抑えられることもあると思います。
Q.逆に、寒いとトイレに行きたくなるのはなぜ?
A.寒冷刺激により膀胱が過敏になり、少ない尿量でも収縮しやすくなるためです。頻尿の改善薬も寒いときに飲むと効果が出にくいといわれています。
Q.お酒を飲むとおしっこが近くなり、飲んだ量以上に出ているような気がするけど、それは気のせい?
A.アルコールやカフェインには利尿作用がありますので、体にある水分が尿として出ます。なので、500ミリリットルのビールを飲んでもそれ以上が尿として出ることもあります。同量の水やジュースを飲んだときよりもアルコールを飲むと多くの尿が作られます。
アルコールには利尿作用があるので、飲んだ量以上の尿が出ることもある
Q.猛烈に尿意があるときに射精できる?
A.射精をするときは、膀胱に精液が流れ込むことを防ぐために膀胱を閉じているので、基本的には尿と精液を一緒に出すことはできません。
Q.お風呂やプールに入るとおしっこがしたくなるというのは本当?
A.正直、医学的にはよくわかりません。お風呂は前述のようにリラックス時に優位になる副交感神経が働く可能性、プールは冷えが理由という可能性もあります。
Q.恐怖を感じるとおしっこを漏らしてしまうのはなぜ?
A.これも私にはよくわかりません。いろいろと調べてみたのですが、医学的な答えは見つかりませんでした。
エビデンスがないので、あくまでも私の想像に過ぎませんが、恐怖を感じると自律神経のバランスが乱れるため、排尿をコントロールする交感神経と副交感神経に異常を来し、排尿すべきではない場面にもかかわらず尿を漏らしてしまうのではないかと推測します。
自分の尿意と向き合うことこそが、年を重ねていく上での男の道である!
取材・文/渡辺ありさ 写真/PIXTA
