先進7カ国首脳会議(G7サミット)で招待国も含めた討議に臨む各国の首脳ら=16日、フランス・エビアン(代表撮影) 【エビアン時事】17日閉幕した先進7カ国首脳会議(G7サミット)では、重要鉱物のサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化を共同で進めることなどを柱とする声明が採択された。名指しこそ避けたが、重要鉱物を他国への圧力に利用する中国へのけん制が念頭にある。中東情勢などを巡って関係が冷え込む欧米が「一致できる数少ないテーマ」(政府関係者)だった。
声明では、重要鉱物の恣意(しい)的な輸出制限や報復措置を含む経済的威圧に「深刻な懸念」を示した上で、「G7重要鉱物強靱性・生産同盟」の設立を表明した。中国が不透明な補助金などの非市場的な政策・慣行を通じて過剰生産や不当廉売を行い、他国の産業を空洞化させたことに対抗。供給網を多角化し、公正な市場を作るのが狙いだ。
先端電子部品に使われるレアアース(希土類)については、「単一供給国」への依存度を2030年までに60%未満に引き下げ、可能な限り早期に50%にする目標も掲げた。中国は世界で採掘の7割、精錬の9割を握る。
各国が適切な形で備蓄能力を高め、危機時に備えた情報共有の仕組みを整えることでも合意した。備蓄実績がある日本は、今回の会議で各国の備蓄を支援する構想を表明していた。ただ、共同調達や補助金、最低価格の導入などは「検討を続ける」との表現にとどめた。
「対中国」の姿勢は、他のテーマの声明にも反映された。世界経済の不均衡是正では、非市場的な政策や慣行がもたらす悪影響への共通の懸念を再確認。途上国に対しては、中国から低利融資を受けた国が返済に行き詰まり、鉱山や港湾の権益を握られる「債務のわな」に陥る事態が起きていることを踏まえ、G7が債務管理や民間資本の呼び込みを支援し、互恵的な関係を築く方針を明記した。