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航空自衛隊のT4練習機1機が墜落したのは愛知県犬山市のため池「入鹿池」で、近くには人気の観光施設があった。墜落の一部始終を目撃した人もおり、来場者らは高く上がった水しぶきや大きな衝撃音に驚きを隠せない様子だった。
現場の西に位置する観光施設「博物館明治村」を訪れていた名古屋市の男子大学生(20)は「上空で飛行機の音がしたので見上げたら、上下逆さまの状態の航空機が頭の真上を通過し、池の方に飛んでいった。『墜落するんじゃないか?』と思ったら、数秒後に『ざばんっ』と機体が水にたたきつけられるような大きな音がした」と当時の様子を語った。
大学生によると、明治村から池の水面までは崖のようになっており、高さ15メートルほどある。池の上で粉々になった機体の一部のようなものが水しぶきと一緒に舞い上がるのが見え、明治村にもガソリンのような臭いが漂ってきたという。大学生は「操縦ミスのようには見えず、パイロットが人のいる場所を認識して、それを回避するように落ちていったように見えた」と話した。
明治村の学芸員の女性も「ドカーン」という爆発音のような大きな音を聞いた。女性は「まだ具体的なことが分からないけど、被害が起きているなら残念だ」と不安そうに言った。
現場近くの会社に勤める50代男性はニュースで事故を知り会社の定点カメラを確認したといい「航空機はスピードが出ていて、かなり水しぶきが上がっていた」と説明した。
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池の近くに住む女性によると、池の上空は日ごろから自衛隊機の飛行ルートになっていたという。女性は「今日はやけに音が近くに聞こえるなと不思議に思っていたら、その後、大きな音がしてびっくりした。しばらくすると消防や警察のサイレンが鳴り響き、消防隊がゴムボートで池に入っていった。犠牲者がいないか心配だ」と話した。
東京・市ケ谷の防衛省では14日午後7時すぎ、中谷元・防衛相が集まった記者たちの前に姿を見せ「国民に心配をかけていることを心からおわびする。原因は不明だが、人命救出に全力を尽くしていく」と語った。
その後、内倉浩昭航空幕僚長が記者会見し、沈痛な面持ちで「国民の皆様におわびする」と頭を下げた。【梶原遊、塚本紘平、真貝恒平、道下寛子、小林多美子】
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