元大阪地検検事正による性的暴行事件で、記者会見する被害者の女性検事=21日午前、東京都千代田区 部下に性的暴行をしたとして元大阪地検検事正の北川健太郎被告(65)が準強制性交罪に問われた事件で、被害を受けた女性検事が21日、日本外国特派員協会(東京)で記者会見した。女性検事は、北川被告が「私の命に代えて(被害申告を)やめていただくようお願いします」などと口止めを迫った直筆の書面を公表した。
書面は事件から約1年後の2019年10月28日付。北川被告は謝罪の言葉をつづる一方、「事件が公になった場合、私は自死するほかないと決意している」と記載。「大スキャンダルで検察組織に強烈な批判があることは明らか」とし、「上級庁に訴えることを私の命に代えてやめていただくようお願いします」などと記した。
会見で女性検事は「脅迫、口止めされ、組織や職員を人質にされた。恐ろしすぎて訴えられなかった」と声を震わせた。
その上で、北川被告側に捜査情報を漏えいした女性副検事に検察が適切に対応しなかったとして、組織による二次加害を主張。「検察に対し、独立した公正な監察が必要。第三者委員会を設置し、再発防止を講じるべきだ」と訴えた。
北川被告は昨年10月の初公判で起訴内容を認めたが、その後無罪主張に転じた。

元大阪地検検事正の北川健太郎被告が被害者の女性検事に宛てた直筆書面=21日