経営統合についての記者会見を終え、撮影に応じる(左から)トヨタ自動車の佐藤恒治社長、日野自動車の小木曽聡社長、三菱ふそうトラック・バスのカール・デッペン社長、ダイムラートラック社のカリン・ラドストロムCEO=10日午後、東京都千代田区 日野自動車と三菱ふそうトラック・バス(川崎市)は10日、経営統合契約を締結したと発表した。2026年4月1日に統合予定。両社の統合により、日本のトラックメーカーは日野自・三菱ふそうと、いすゞ自動車・UDトラックス(埼玉県上尾市)の2大グループに再編される。
商用車業界で電動化や自動運転の開発が急速に進む中、日野自親会社のトヨタ自動車、三菱ふそう親会社の独ダイムラートラックを加えた4社の経営資源を結集して生き残りを目指す。
統合に向けてトヨタとダイムラートラックが持ち株会社を設立し、日野自と三菱ふそうはその傘下に入る。持ち株会社は上場させ、トヨタとダイムラートラックが25%ずつ出資し、残りは株式市場で流通させる予定。独禁法などの競争法に対応するため議決権比率はトヨタが19.9%、ダイムラーは26.7%とする。最高経営責任者(CEO)には三菱ふそうのカール・デッペン社長が就く。
4社は10日夜に東京都内で記者会見し、デッペン氏は新興国メーカーとの競争激化で、電動化などへの巨額投資が必要になると指摘。「規模が重要だ。日本で多くの商用車メーカーが個々に存続し続けることは現実的ではない」と訴えた。トヨタの佐藤恒治社長も「世界で戦うために必要な規模を確保することが、技術開発のスピードアップと生産効率の向上につながる」と強調した。