太平洋戦争中の空襲被害を救済する法案を巡り、記者会見する全国空襲被害者連絡協議会の吉田由美子共同代表(左)と、運営委員長の黒岩哲彦弁護士=19日午後、東京都千代田区 太平洋戦争の空襲被害者や遺族らでつくる全国空襲被害者連絡協議会(全国空襲連)は19日、今国会での救済法案の提出が見送られたことを受け、国会内で記者会見を開いた。救済法成立を「決して諦めない」と表明し、次期国会に向けて与党などに働き掛ける方針を示した。
共同代表の吉田由美子さん(83)は会見で「もうひと頑張りしたい。戦後80年という節目で結果を出してほしい」と訴えた。東京大空襲で母親と2人の弟を亡くした河合節子さん(86)も「被害者が生きているうちに成立させて」と求めた。
運営委員長の黒岩哲彦弁護士は、野党はすべて賛成している一方、自民・公明両党内で合意形成が得られていないと説明し、「与党に対し働き掛けを強めていきたい」と語った。
超党派の国会議員連盟が取りまとめた法案は、空襲で身体や精神に障害が残った人に対し、1人当たり50万円の支給を明記。政府による被害の実態調査や追悼事業の実施なども盛り込んだ。