スピッツ、初の日本武道館公演を開催ーー結成から27年の軌跡を振り返る

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2014年02月03日 12:10  リアルサウンド

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スピッツ『小さな生き物』(ユニバーサルJ)

 スピッツが2014年7月2日の愛知県日本ガイシホールを皮切りに、4都市10公演のアリーナツアーを行うことを発表した。1987年結成のスピッツにとって、日本武道館での単独公演(ツアー内で4デイズ予定されている)はなんと初となる。



(参考:RADWIMPS、サカナクション、POLYSICS……実力派バンドの新春全国ツアーまとめ



 今年結成27年目となるスピッツは、大学の同級生であった草野マサムネ(Vo)と、田村明浩(Ba)を中心に結成。ファンには知られた話だが、結成当初はいわゆる誰もが思うスピッツのイメージからはかけ離れた、ブルーハーツに影響を受けたパンクバンドとしてスタート。その後新宿JAMや渋谷La.mama、そして新宿ロフトを中心に活動し、今の音楽的方向性に近い形になったスピッツは1991年メジャーデビュー。ちなみに同期にはBLANKEY JET CITY、THE MAD CAPSULE MARKETS、スピッツと同じく渋谷La.mamaをホームとしていた翌年デビュー組のMr.Children、ウルフルズ、THE YELLOW MONKEYなどがおり、今日の日本のロックシーンの大物たちを多数輩出した世代である。しかし、今も同じ形態で活動続行しているバンドは限られる上に、メンバーチェンジすらないスピッツはかなり稀な存在といえる。



 デビュー当時から業界内での評価は高かったものの、セールス的にも動員的にもなかなか日の目を見ることはなかった彼らだが、1994年リリースの『空も飛べるはず』ヒットから徐々に世間的認知度が上がり、1995年の『ロビンソン』の大ヒットで一躍時の人気バンドとなる。その後の大ヒット曲の数々とバンドの躍進は周知の通りだが、2000年代に入り兼ねてからメンバーが強い拒否反応を示していたベスト盤のリリースがあったり、(後の2006年に“公認”ベストアルバム『CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection』と『CYCLE HIT 1997-2005 Spitz Complete Single Collection』が発表になることで、メンバーの不本意の中1999年発売された『RECYCLE Greatest Hits of SPITZ』は製造中止に)、2002年発表の『三日月ロック』から2005年発表の『スーベニア』までに2年4ヶ月の間、オリジナルアルバムのリリースが空いたり、ワンマンライブを行わない年があったりと流動的な活動となる時期もあった。しかしその中でもライブ活動を着実に行い、リリースを重ね、2009年にはバンド初となるワンマンアリーナ公演をさいたまスーパーアリーナと大阪城ホールにて開催。2011年には草野の療養によりライブの延期を余儀なくされることもあったが、2度目となるアリーナツアーを開催し、2012年には全国22カ所を廻るファンクラブ限定ライブハウスツアーを行うなど、フィジカルなライブバンドとしての体をさらに強くした活動を行ってきた。



 昨年5月、2年半ぶりにミュージックステーションに出演し、2年8ヶ月ぶりのシングル『さらさら』を披露、大きな反響を呼んだのは記憶に新しい。その後9月には3年ぶりのオリジナルアルバム『小さな生き物』をリリース。デビュー以降一貫したスピッツの音楽性と、震災以降の時代性に呼応して力強さを増した楽曲で構成されたこのアルバムは各音楽メディアに絶賛され、2007年リリースの『さざなみCD』以来3作品ぶりとなるオリコン初登場1位を獲得。そして同年9月には16年ぶりとなる野外ワンマン公演を横浜赤レンガ倉庫特設会場にて開催し、その後『SPITZ JAMBOREE TOUR 2013-2014』で今年5月まで全53公演に及ぶツアーを敢行しているなど、バンドの意欲的な様子が伺える。



 結成から四半世紀以上が経ち、ここにきてなおもアクティブな活動を見せるスピッツ。これからもリスナーの確かな信頼とともに、シーンにおいて唯一無二の存在感を放っていくに違いない。(岡野里衣子)



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  • カラオケで初期とかアルバム曲を歌って「え、スピッツこんなの歌ってるの?」って言われると勝った気になる。エロい曲だと特に。
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