史上初の「3D心臓」シミュレータが登場

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2015年05月25日 07:20  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

航空機システムの設計などで知られているフランスのダッソー・システムズ社は、来る5月29日に世界で初めて市販される、科学的に正確なシミュレーションが行える健康な心臓の完全な3Dモデルを発表する予定だ。

このモデルを活用することで、専門医の心臓病患者の治療方法に革新をもたらすという。

心臓のシミュレーションが手術の成功率を上げる

このダッソー・システムズ社の『リビング・ハート・プロジェクト』によって、心臓の疾患状態を理解するために、医師や医療機器メーカーは必ずしも動物実験に頼る必要はなくなるだろうという。

心臓専門医はこの3Dモデリングデータを利用することで、困難な手術のリハーサルを行うことができるのだ。また、ソフトウェアエディターを利用すれば、形や組織特性を修正して、心臓病の調査を行うことができる。

同社の説明では、コンピューター上で飛行機をシミュレーションすることと同様に、心臓をシミュレーションすることができるというわけだ。


動画を別画面で再生する

このプロジェクトには、45人の医療専門家や、FDA(米食品医薬品局)を含む団体や医療産業が参加している。特にFDAは、心臓モデルの開発を監督するために、ダッソー・システムズ社と5年間の共同研究契約を締結している。

このシミュレーターが有効な例として、弁置換手術の計画を立てる場合が上げられている。心臓のサイズや形状は人によって異なるため、医師が誤ってサイズが合わない代用の弁を選んでしまうリスクがある。これは2D画像に頼っているからだ。

しかし3Dのシミュレーションで代用の弁を装着してみれば、心臓がどのように反応するか事前に確認でき、手術の成功率が向上することが期待出来る。これは画期的なことだ。

患者の心臓で何が起きているのかを説明できる

医師は心臓のデータをラップトップコンピューターに保存することができる。この心臓に実際の鼓動をシミュレーションさせたい場合は、データをより高性能なサーバーやクラウドにアップロードすれば、結果をアニメーションとして得ることが可能である。

また、シミュレーションでは、医師が心臓の中に入ることもできるのだ。

心臓に入っていける

さらに、医師が患者に心臓の状況を説明するためにも利用できる。患者の心臓で何が起きているかをより具体的に理解できるのだ。

つまり、患者は手術前に、自分の心臓の状態をシュミレーションで見て理解できる。

このような心臓のシミュレーション技術の向上は、より多くの患者を救うことになるだろう。

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