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大人気アニメ『ガールズ&パンツァー』(以下、『ガルパン』/TOKYO MXほか)の舞台となった、茨城県久慈郡・大子町の旧上岡小学校に聖地巡礼で訪れるファンの行動が問題となっている。アニメやゲームなどのサブカルチャーで地域活性化を目指すサークル「Project Sora」が公式Twitter(@info_ps2012)でその旨を説明し、ファンによる「コスプレ禁止・場面の再現禁止・寄贈品の禁止」をすることを明かした。
Project Soraは3日、【緊急かつ重大なお知らせ】と題して「当団体が関わり始めた、大子町ですが、協力者の方よりお願いという事で、重大な話をさせていただきます」と前置きし、「旧上岡小学校においてのコスプレとその撮影に関しては、ご遠慮という表現ですが、実質的に禁止になりました。その理由として、無許可コスプレ・男性による女装コスプレ・商売目的と思われる撮影行為・撮影時のパンチラ行為等のマナー違反との行為があり、保存会で話し合いの結果、他の方も来られるという事で、残念ながらこういう結果になりました」と説明している。
『ガルパン』と言えば、茨城県・大洗町が物語の舞台になっていることが有名で、ファンの間では大洗町が聖地となり、そのことから地域や地元企業がアニメとのタイアップイベントを行ってきた。このイベントは地元もノリノリで、大洗観光協会サイトでは『ガルパン』の特設ページが設けられたり、大洗商店街では『ガルパン』のパネルがそこかしこに展示されたりして、その結果、地域のイベント「大洗春祭り 海楽フェスタ」には『ガルパン』効果で全国から約8万人もの人が集まるなど、アニメと地域が友好的な関係を保っていたように思われた。
今回話題となっているのは、『ガルパン』ファンの新たな聖地となった、2015年の『ガールズ&パンツァー 劇場版』で登場した、茨城県・大子町の旧上岡小学校。旧上岡小学校は、明治時代に建てられた木造の小学校校舎で、歴史的・文化的にも価値があり、廃校後10年以上たった現在でも地元民がボランティアで保存活動に取り組み、綺麗な状態を保たれている。それだけに『ガルパン』以外にもNHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』、『おひさま』、2011年のTVアニメ『神様ドォルズ』(テレビ東京系)などたくさんの映画やドラマの舞台として、登場している。
だが、旧上岡小学校は過去に取り壊しも検討されたことがある一校舎であり、観光名所ではない。そのことから観光のための整備も不十分で、その扱いはファンのモラルに任せられている面もある。そこで発生した『ガルパン』ファンによる「男性による女装コスプレ」「撮影時のパンチラ行為」などといった、見過ごせない事態が発生してしまったため、コスプレ禁止令(ご遠慮、という柔らかい表現を使用しているが)が出てしまったわけだ。
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「パンチラはまあ問題としても女装の何が迷惑なんだか」「ほかはわかる、でも女装がダメならマツコ・デラックスやはるな愛は立ち入り禁止ってことか?」など、「男性による女装コスプレ」禁止の部分に、特に不満を訴えている人が一部にはいるようだ。だが、イベント会場でも観光地でもないところで、女装したおじさんが現れることへの、付近の住民が不安がることを考えれば、止むを得ない措置ではないだろうか。しかもProject Soraも「コスプレ禁止は、隣に幼稚園があるのと、住民への迷惑になるからです」と説明をしている。
これまで『ガルパン』ファンはマナーが良いことでも有名であり、大洗町と『ガルパン』オタには確かな絆が築かれていただけに、今回の旧上岡小学校での出来事は非常に残念で仕方ない。節度とマナーを守った聖地巡礼を、切にお願いしたい。
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