『帝一の國』で人気急上昇! 岡山天音は次世代の“名バイプレーヤー”だ

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2017年05月26日 16:13  リアルサウンド

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 作品を支える縁の下の力持ちといえる脇役。本来、スポットライトが当たらない役回りに思えるが、脇役界の重鎮たちを主演に据えたテレビ東京の連ドラ『バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜』の人気も示す通り、昨今では名バイプレーヤーという言葉も浸透し、主役ではなく、この人を見たいからという、視聴者や観客の作品選びを左右する存在にもなっている。そんなバイプレーヤー界のアンダー25として台頭しているのが、22歳の岡山天音だ。


(参考:『帝一の國』間宮祥太朗&野村周平の演技はどう進化した? 『ライチ☆光クラブ』との違いを考察



 俳優デビューは09年のNHKドラマ『中学生日記』。転校生シリーズの『少年は天の音を聴く』で主人公の少年に扮し、このときに演じた役名の岡山天音がそのまま芸名となった。その後も映画『犬とあなたの物語 いぬのえいが』、『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』、『人狼ゲーム』、テレビドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』、『リアル鬼ごっこ THE ORIGIN』、『半沢直樹』など、途切れることなく話題作への出演を重ねていく。


 主役以外のキャストとして多数の作品に出演している俳優は、数えきれないほどおり、その入れ替わりも激しい。当然ながら、それだけでは名バイプレーヤーにはなれない。名バイプレーヤーと呼ばれる俳優たちは、みな主演も張っており、基盤となる演技力と共に、その人独自のオーラを放って鮮烈な印象を残す。単純に見た目をとってみても、多くの中に埋もれてしまうようなどこにでもいる外見というより、外見だけでもインパクトのある人が多い。


 岡山の、涙袋の目立つ少々離れたタレ目が、まさに武器になる。イケメンの隣に立つことで、その個性はさらに際立つ。近年、さらに勢いを増してきた印象があるのも、20代となり、いわゆるイケメン役者たちと並んでの出演が増えたこともあるだろう。


 野村周平主演、間宮祥太朗、古川雄輝ら共演による、カルト的な人気を誇るコミック、舞台を映画化した『ライチ☆光クラブ』では陽気な性格のヤコブに扮した岡山。役作り的にはほかのキャラクターほどの特徴のないヤコブだが、岡山は自身の個性によって、周囲の濃いキャラクターと並び立ってみせた。濃いキャラクターの青年たちが主人公といえば、公開中の青春コメディ『帝一の國』もそう。『ライチ☆光クラブ』も『帝一の國』も、同じ古屋兎丸原作である。


 菅田将暉、野村周平、竹内涼真、間宮祥太朗、志尊淳、千葉雄大がそれぞれに振り切れたキャラを楽しそうに演じきって話題だが、いつも紹介される6人以外のキャラクターも人気を得ており、岡山が演じた副ルーム長・佐々木もそのひとり。“帝一メンバー”が集まる最後の舞台挨拶として行われた声出し自由な応援上映イベントの際に、壇上の菅田が、別の日に行われた応援上映にお忍びで訪れたときのことを振り返り、「佐々木の人気がすごくてビックリした」と話したほど。


 さらに、主演を務める『ポエトリー・エンジェル』も公開中だ。武田玲奈とのW主演で、実家の梅農家をいやいや手伝いながら小説家になりたいと夢を見る主人公・勤役。妄想癖があり、ひょんなことから入った詩のボクシングサークルがきっかけで、自分を見つめはじめる。本当の自分はここにいるはずじゃない!ともがく青年を、演技に目を向けさせるのではなく、物語自体へと観客をいざなう目立ちすぎない芝居の巧さで成立させた。劇中ではサークル仲間のおじさん役の下條アトムや、勤の父役の鶴見辰吾との共演シーンも多い。同世代のイケメンと並んで発揮する強さだけではなく、年上のベテラン俳優の横に違和感なくしっくり収まるところも岡山の強みだろう。


 フジテレビ月9ドラマ『貴族探偵』には刑事役で出演中で、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』にも漫画家志望の青年役で登場予定。継続して出演中の、斉藤由貴、夏帆と家族を演じるKDDIの「au森家シリーズ」も好評だ。ロードバイクをテーマにした青春映画の『神さまの轍-check point of the life-』(荒井敦史とのW主演)の公開も秋に控える。主演作も楽しみだが、アンダー25にして、脇で存在感を発揮する力が大きな魅力の岡山。これからも次世代を担う名バイプレーヤーとして先頭を走る姿が目に浮かぶ。


(望月ふみ)


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