星野源、高橋一生、ムロツヨシ……Twitter女子が彼らの妄想ツイートに精を出すワケ

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2017年10月14日 20:03  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

「Family Song」/ビクターエンタテインメント

 今、Twitterで「#職場の星野源」「#高橋一生で妄想」「#ムロツヨシください」などで検索すると、女性たちの“妄想ツイート”が大量に出てくる。

 星野源・高橋一生・ムロツヨシをこよなく愛する女性たちが、もし彼が自分の彼氏や上司だったら……という設定で、キュンとする妄想を繰り広げ、共有しているのだ。「風邪を引いた時に優しく看病してくれる星野源」「残業をしていると飲み物をくれる高橋一生」「家で仕事の壁ドンの練習をするムロツヨシ」など、細部まで描写されており、いいねやリツイート数も多い。

 「#職場の◯◯」「#◯◯ください」などの“妄想ハッシュタグ”が作られている芸能人は彼らだけではないが、多くの人気イケメン俳優を差し置いて、今最も人気なのがこの3人である。しかし一部女性からの絶大な人気の一方で、ネットでは「イケメンではない」「その辺にいそう」「なぜ人気なのかわからない」などという声も多い。確かに、星野と高橋はいわゆる塩顔イケメンと呼ばれる部類で、端正な顔立ちではあるが、細い目が地味な印象を与える。ムロは個性派俳優というポジションを確立しており、イケメン俳優というイメージはない。3人とも目鼻立ちのはっきりした正統派イケメンではなく、ほかの人気イケメン俳優やアイドルと比べると、劣るルックスではあるのかもしれないが、まさにこの“イケメン過ぎないところ”が妄想人気の最大の要因であるように思う。

 一般社会では滅多にお目にかかれないほどの圧倒的なイケメン芸能人は目の保養になるが、イケメン過ぎて現実感がないとも言える。一方、この妄想ハッシュタグ三銃士は、“その辺にいそうなイケメン”ゆえの親近感があり、身近にいても違和感がないため妄想しやすい。かっこつけた感じや気取った感じもなく、人当たりの良さそうなところも身近に感じる。キラキラし過ぎていないからこそ、リアルな生々しさが宿り、妄想を駆り立てるのではないだろうか。女が求めているのは、決してイケメンだけではないのだ。

 このような、言うほどイケメンではない男がモテる現象は、実は普遍的なものではないかとも思う。芸能界だけではなく、学校や職場の男性に対して、「あの人はそれほどイケメンじゃないし、人気があるわけではないけど、本当はかっこいい」などと“自分だけが魅力に気付いている”と思ったことのある人は少なくないだろう。そして、自分だけがかっこよさを知っているという特別感がより好意を大きくさせる部分もあるのではないか。

 しかしこのような人は、実は他人も同じように考えていて、実際は結構モテているというパターンが多い。この「自分だけが気付いていると思っている魅力は、実はみんな気付いている」という現象は、星野・高橋・ムロがSNS上で爆発的にブームになったことにも通じている。まだ誰も気付いていない(と思っている)彼らの魅力を、自身の妄想ツイートによってほかの人に知らしめようとしている節もあるのだ。

 ほかに3人の共通点を挙げるとすれば、ブレークしたのが30代以降と、比較的遅咲きである点だ。下積み時代が長く苦労も多いことから、有名人ながら一般人の感覚を持ち合わせていそうなところも親近感を増大させるのかもしれない。また、彼ら自身も、そんな自分の売りをわかっているのか、ラジオやバラエティ番組で親しみやすいキャラクターを見せているのもポイントだ。

 芸能人をただ眺めて応援したり崇めたりするのではなく、妄想を共有するという、SNSが発達した現代ならではの消費スタイルは、今後の芸能界の流行にも影響を与えるかもしれない。数多くの映画やドラマで活躍しつつもメジャーな存在ではなかった、かつての星野・高橋・ムロに似たポジションと顔の系統の俳優としては、加瀬亮、大森南朋、鈴木浩介あたりに妄想ハッシュタグ要素を感じる。また、次世代バイプレーヤーとの呼び声高い中村倫也、太賀などの若手には、“次世代妄想ハッシュタグ俳優”としても注目していきたい。
(文/絶対に終電を逃さない女)

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