大貫勇輔、アニメ声優初挑戦は「2割の不安と8割の楽しみ」 『富豪刑事』宮野真守との共演を語る

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2020年04月09日 10:01  リアルサウンド

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大貫勇輔(写真=映像企画MOVE-ON)

 フジテレビ“ノイタミナ”で4月9日より放送がスタートする『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』。筒井康隆によるミリオンセラー小説『富豪刑事』(新潮文庫刊)を、伊藤智彦監督をはじめ『僕だけがいない街』の主要スタッフがCloverWorksとともにアニメ化に挑む。


参考:『ルパンの娘』大貫勇輔、歌と踊りで異彩を放つ ダンスで培った“空気を変える”技術とは


 本作の主人公は、有り余る財力と最新のテクノロジーを駆使して様々な事件を半ば乱暴に解決していく神戸大助。演じるのは、アニメの声優は初挑戦という俳優の大貫勇輔だ。舞台をはじめ、昨年は『ルパンの娘』(フジテレビ系)や『グランメゾン東京』(TBS系)などドラマで大活躍、そして今回は声優に挑戦と、活動の幅を広げる大貫に、声の芝居への思いや、宮野真守との共演について聞いてみた。


■役づくりでは「身体のあり方を研究する」
ーー役をいただいたときのお気持ちをお聞かせください。


大貫勇輔(以下、大貫):オーディションで決まったのですが、伊藤監督が「神戸大助という役に大貫くんの声が合うと思うからお願いしたい」と言ってくださって、本当に嬉しかったです。でも、「アニメの声優を僕がやっていいんですか?」という不安な気持ちもありました。初めてのことだらけだったので、2割の不安と8割の楽しみな感じでしたね。


ーー伊藤監督は大貫さんを選んだ決め手についてお話しされましたか?


大貫:全体のバランスが「僕が思う大助にすごく合う」とおっしゃってくださいました。あと、伊藤監督の『僕だけがいない街』も拝見したんです。僕はもともと原作漫画がすごく好きで、今回伊藤監督とご一緒することが決まったときに、とても嬉しかったです。しかも『僕だけがいない街』は、満島真之介さんと土屋太鳳さんが主役という座組みだったのもあり、俳優と声優の声の違いみたいなものも感じられて、伊藤監督が僕を選んでくれた理由の一つを感じられたような気もしました。


ーー声で演じるということに対して、映像や舞台とのギャップは感じますか?


大貫:ギャップはあまり感じませんでした。もちろんアニメーションに合わせるために、いろんな声優さんのテクニックがあると思うんですけど、本質は共通したお芝居だと思っています。台本を読み込んで、大助という人間が、この瞬間に何を感じていて、どんなことを思っているのかを考える。その過程で、自分が演じることが声に乗っていくという感覚はあるので、そこにギャップはありませんでした。


ーーなるほど。


大貫:僕はもともとダンサーということもあり、役作りの段階で、その役の身体のあり方を研究するんです。そうすると拠り所ができる。どんな仕草をするのか、どんな風に呼吸をするのか、どんな風に喋るのか、いろいろな考え方を構築していくと、自分の中でその役の人間性が見えてくるんです。例えば、息を吸うときに自然と胸が開きながら首が動いたりとか、そういう細かいことなんですけど。大助のポジションは、割とどっしりと構えているような感覚です。


ーーアフレコのときもそういった仕草を使ってスイッチを入れているのでしょうか?


大貫:今回は身体が動くことはあまりないですね。もし感情がすごく動く役だったら、身ぶりや手ぶりを入れながら大きく演じると思いますが、大助は意外と感情の起伏がない役なんです。だけど、丁寧に言葉を発したいときには、音の高低の取り方や厚みを、手を使ってイメージを探したりします。


■大貫勇輔の挑戦し続ける原動力とは?
ーー大貫さんならではの役へのアプローチが神戸大助に反映されているんですね。アフレコで感じたことはありましたか?


大貫:新しい気づきだったのは、普段アニメを観ているとき、もっとキャラクターの表情が変化しているものだと思っていたんです。でも、実際にアフレコに臨んでみると、実は思っていたより絵の表情は変わっていなくて、声優さんの声の力によって表情が変わっているように見えていたんだと。これが声優の仕事なんだという感動がありました。今日初めて他の声優の方々と一緒にアフレコしたのですが、プロの方たちに囲まれて、ものすごい緊張感でした。でも、実際やってみると、会話のキャッチボールが、普段のお芝居をしているような感覚になれました。


ーー現場にリズムが生まれていくんですね。


大貫:お芝居としてはやりやすかったんですけど、リハーサルのとき、大助は人の話を聞かないマイペースなキャラクターなんですが、そこで人の芝居を聞きすぎて優しい人間になってしまって。もちろん本番ではきちんと修正しました。


ーー原作は筒井康隆さんによる45年も前のベストセラー作品です。


大貫:実は『ルパンの娘』でご一緒した深田恭子さんが、ドラマ版の『富豪刑事』(テレビ朝日系)の主演をやられていたんですよね。そういう意味で、少しつながりを感じていて、嬉しくもありました。今回のアニメーションは、原作がありつつもかなりオリジナル要素が入っていて、今現代で実際にありうるレベルの最先端技術、そしてお金を駆使して、難事件を解決していくというお話です。僕が演じる大助と、アニメオリジナルキャラクターである加藤という正義感の塊の刑事の凸凹コンビがいろんな事件を解決していきます。


ーー加藤を演じるのは宮野真守さんです。初共演となりますが、アフレコで実際にお会いされましたか?


大貫:今日初めてお会いし、アフレコをご一緒させていただきました。宮野さんは、ドラマ『高嶺の花』(日本テレビ系)で僕のことを知ってくださったみたいで、僕は『DEATH NOTE』のアニメで夜神月の声をカッコいいなと思って初めて声優の方を調べて、宮野さんのお名前を知りました。そのあとバラエティで見て素敵な方だな、多方面で活躍されているすごい方だなと、今回の共演が叶ってすごくワクワクしていました。


ーー実際お会いしていかがでしたか?


大貫:バラエティ番組で見た宮野さんのイメージ通りの方でした。アフレコでは優しくて、気さくに話かけていただいています。声優としての芸歴も非常に長い方ですし、ご一緒してもすごいんです。声の色や幅に、いろいろな引き出しがあって、ただただ感心するばかりでした。


ーー大貫さんご自身も、舞台やドラマ、今回声優といろいろな挑戦を続けていらっしゃいます。そういった新しいことに挑戦し続ける原動力はどこにあるのでしょうか?


大貫:原動力は、本当に楽しいからが第一です。いろいろな出会いやご縁で、「せっかく機会をいただけるのなら是非やらせてください」という思いでやってきました。僕の軸にはダンスがあって、ダンス以外のことをやることでそれがダンスに還元できて、相乗効果が得られると感じています。「ダンスだけやってたらこの考えには至らなかったな」と思うことがたくさんあるので、本当に恵まれているというか、いろんなことに挑戦させていただいている環境に本当に感謝です。


(文・取材=安田周平)


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