誕生から8年、「BsGirls」を“卒業”するCHALのオリックス優勝への思い

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2021年08月13日 12:54  ベースボールキング

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今季限りで「BsGirls」を卒業するリーダーのCHAL〔写真=北野正樹〕
◆ BsGirlsと共に歩んだ8年

 オリックスの球団公式ダンス&ヴォーカルユニット「BsGirls(ビーズガールズ)」(以下BsG)のリーダー、CHALが今シーズンを最後にBsGを“卒業”する。創設期からの初期メンバーで、2厘差で優勝を逃した2014年を知るただ1人のメンバーとして、自身、最後のシーズンにかける思いは強い。
 
 BsGは14年、球界初の「ダンス&ヴォーカルユニット」として誕生。メンバーは、エイベックスに所属するアーティストでもあり、毎年、CDもリリース。ヴォーカルとパフォーマーで構成され、8年目の今シーズンはヴォーカル4人、パフォーマー10人の計14人で、歌とダンスで球場を盛り上げる。

 メンバーは毎年、倍率100倍以上のオーディションで選ばれ、メンバーであっても合格しなければ再任されず、今シーズンは5人が新たなメンバーに加わった。

 リーダーも同様で、オーディションに合格しなければ、メンバーには残れない。CHALは補欠メンバーとしてスタートしたが、3年目からリーダーを務め、6年間チームをまとめ、引っ張ってきた。

 CHALが卒業を意識したのは、18年シーズンの終盤だったという。「なにか、きっかけがあったわけではないけど、メンバーになって5年目、リーダーになって3年目。1つの区切りとして次の世代に引き継ぐことを考えるようになった」という。

 球団やエイベックスにも思いを伝え、サブリーダーを19年から1人、20年からは2人体制にして、継続性を重視しつつ新たな挑戦にも取り組んで来た。


◆ 球界では異例の餞も

 チームがスタートした14年は、首位で前半戦を折り返し、実質的な最終戦となった10月2日の敵地でのソフトバンク戦にサヨナラ負けを喫したものの、2位に躍進。しかし、その後、チームは低迷し、ここ2年は連続最下位。「どんなに負けていても『「明日はいけるよ(勝てるよ)』などと声を掛けてくれるファンに支えられてきた。初年度に優勝争いを経験したことで、低迷しても、まだいけると思って続けられた」と振り返る。

 今年1月29日の2021年メンバー発表時に、「今シーズンの活動を終えれば、歌とダンスから離れ、表舞台からも引退します」とコメントを発表した。「チームに参加した時には、もっとダンスがしたい、などいろんな夢があった。でも、リーダーとなってBsGを運営していく中で、オリックスの優勝が目標になった。なんの悔いもない。(卒業後に)ステップアップしても、BsGの活動を超えるものはない」と言い切る。

 コロナ禍で昨シーズンは公式戦が短縮されるなど、チームの活動も大きく制限されてきたが、思い残すこともないという。どんな時でも、「120%」で臨んできただけに、完全燃焼してきたということだろう。

 8年間の活動のラストイヤーに、CHALのボブルヘッドも誕生。「CHALのボブルヘッド付きチケット」(9月20日の西武戦=京セラドーム大阪)が販売された。球団によれば、「チアリーディングチームメンバーのボブルヘッドは初めてではないか」という。

 当日はCHALプロデュースの飲食イベントも企画されており、CHALは「選手でも限られた方しかボブルヘッドがない中で作っていただき、しかもイベントまで企画してもらえるなんて」と感激する。


 公式戦はきょう13日から再開され、後半戦が始める。

 「BsGの活動を通して、野球を知らない人も球場に足を運んでいただき、ファンと選手の架け橋になるのが理想。チームとBsGを分けてみて下さる方もいるが、チームの一員として一つになって戦っている。どんどんチームの魅力を知ってもらい、ドームに来て選手の後押しをしてほしい」とCHAL。

 「BsGに入った時は、オリックスのことも人並みにしか知らなかったが、今は好きが溢れるほどになった。偶然、私の最後の年にいい戦いが出来てうれしい。いい位置にいるので最後まで頑張ってほしい」。

 25年ぶりの優勝に向け、120%のパフォーマンスでチームを盛り上げる。


取材・文=北野正樹(きたの・まさき)


【動画】CHALのボブルヘッドができるまで

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