限定公開( 1 )
2023年シーズンにリーグ3連覇、2年連続の日本一を目指すオリックス。監督、コーチ、選手、スタッフらの思いを、「猛牛ストーリー」として随時紹介していきます。
第80回は、宮城大弥投手（21）です。4年目の今季も、10試合に登板し6勝2敗、防御率2.51とチームの勝利に貢献しています。
その一方で、4月に自己最短の1回2/3で降板したり、6月には自己ワーストの8失点で5回KOされたりするなど、波の大きさも。しかし、8失点後に受けた森友哉捕手からの主戦投手としてマウンド上での仕草や気持ちの持ち方のアドバイスを胸に、18日のヤクルト戦（神宮）ではチームトップタイの6勝目をマーク。「もっと、野球がうまくなりたい」と新人王以来のタイトル獲得を目指します。
◆ 「野手は見ているよ。やるべきことをやろう」
「いい後輩がいっぱい入って来ていますからね、頑張らないと」
ヤクルト戦で6勝目を挙げた数日後、大阪・舞洲の球団施設で調整をしていた宮城の表情は明るかった。21歳ながらチームの勝ち頭だが、頭に描いたのはキャッチボールの相手をしてくれた3年目の山下舜平大か、取材中に横を通った新人のドラフト5位・日高暖己（宮崎・富岡高校）だったのだろうか。
自身の開幕から4連勝と順調なスタートを切った今季。ただ、3戦目の日本ハム戦では、打線の奮起で勝ち負けはつかなかったものの、初めてのエスコンフィールドのマウンドも影響したのか、2回途中5失点で降板し、さらに6月11日のDeNA戦（京セラドーム大阪）では8失点と、好不調の波が激しかったのも事実だ。
|
|
|
|
8失点で2敗目を喫した試合で、宮城が得たのは、マウンドに立つ自身の存在の大きさを知ったことだった。
1回に一死満塁のピンチを招き走者一掃の二塁打を許すなど4失点。2回も先頭打者の本塁打を含む3失点、ソロ本塁打で8点目を与えた5回で降板した試合後、マスクを被っていた森友哉から「悔しいのは分かるけど、投手は主役なんだ。野手は見ているよ。やるべきことをやろう」と声を掛けられた。
「暗い表情や、マウンドでの態度を指摘していただきました。うまくいかなかった時、自分にイラッとしていることがありました。やっているつもりはなかったのですが、そう見えるのは味方の野手にも申し訳ないことですし、反省しないといけないと気付きました。アマチュアの時には注意されたことはありますが、プロに入って指摘を受けたのは初めてでした。今後、そういう状況になった場合には、しっかりと対応していこうと思いました」と宮城。
◆ 「次は『宮』が持って行けるように頑張ります」
その反省は、次戦（18日）のヤクルト戦ですぐに生かされた。
|
|
|
|
体調不良の中嶋聡監督に代わり指揮を執った水本勝己ヘッドコーチは「前回登板の（悪い）イメージが残っていたと思うけど、我慢してゼロに抑えたことはよい材料だと思います。今日気付いたこともあるだろうし、次の登板に生かしてほしいですね」とコメントし、負けを教訓とし引きずらなかった宮城を評価した。
「ただ一生懸命に投げただけ。（援護してくれた）野手のみなさんのおかげです」と振り返った宮城だが、「森さんのアドバイスも生きていました」と付け加えるのも忘れなかった。
4年目を前に、悪かった試合を積極的に振り返ることを決めた。結果が悪いとへこんでしまい、試合のビデオを注視することが出来なかったが、ステップアップするために振り返りを大事にしている。
そんな時に受けた森のアドバイス。
|
|
|
|
「今年は軽く2段モーションを取り入れ、状況によってタイミングを変えたりしていますが、余裕のない時はそれが出来てはいませんでした」
改めて、マウンドでの立ち居振る舞いも含めた自身の投球を見つめ直すことが出来たという。
「最近、みんな『山』がつく人が持っていくんで。次は『宮』が持って行けるように頑張ります」
チームには日本のエース・山本由伸を筆頭に、山岡泰輔、山��福也、山��颯一郎、山下舜平大ら名前に「山」のつく実力者がずらり。そんな中で、7本塁打を放ち、打率.338で首位打者の頓宮裕真と2人でチームを盛り上げたいという。
1年目から1勝、13勝、11勝と積み上げてきた。あと10数回ある登板機会を考えると、背番号（「13」）を超えることは十分可能。
「数字の目標はないのですが、タイトルが取れればうれしいですね。そのためにも、もっと、野球がうまくなりたいですね」
互いに認める佐々木朗希と投げ合う、27日の本拠地でのロッテ戦に注目だ。
取材・文＝北野正樹（きたの・まさき）
|
|
|
|
このニュースに関するつぶやき
-
日本一になってようやく記事が増えたオリックス。
-
0人
0件
-
|
|
|
|
Copyright(C) 2024 SEESAW GAME, Inc. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。
スポーツ
