横浜FM、マンC戦でも“らしさ”発揮へ！　喜田拓也「マリノスの魅力を世界に発信する良い機会」

　横浜F・マリノスのキャプテンを務めるMF喜田拓也が、23日に控えた『明治安田Jリーグワールドチャレンジ2023』のマンチェスター・C戦の前日会見に出席した。

　マンチェスター・Cは2022−23シーズンにプレミアリーグ、FAカップ、チャンピオンズリーグ（CL）優勝を果たし、CLを含めた“トレブル”達成を成し遂げた。イングランドのクラブとしては1998−99シーズンのマンチェスター・U以来の快挙で、過去を振り返ってもこの偉業はわすが8クラブ（マンチェスター・Cも含む）しか成し遂げていない。正真正銘“最強”のチームが、2023−24シーズンに向けたプレシーズン期間に来日する。　

　そんなマンチェスター・Cとの対戦を翌日に控え、喜田は「プレミアリーグ、そしてCLのチャンピオンでもあるマンチェスター・Cという素晴らしいクラブと対戦できることを非常に嬉しく思います」と率直な心境を吐露。一方で、キャプテンの視線は相手チームだけに向いているわけではない。「明日の試合はたくさんのお客さんが入ると聞いています。日本ではなかなか見られないマンチェスター・Cの選手たちやサッカーを見に来る方が非常に多いとは思いますが、そのような方々にも横浜F・マリノスの素晴らしさ、自分たちのプレーや姿勢を伝えたいです」と続け、マンチェスター・C相手にも横浜FM“らしさ”を出していくことを誓っている。

「戦うからにはそのような姿勢を見せるべきだと思っていますし、マリノスの魅力を世界に発信する良い機会です。みんなで恐れずに戦っていきたいと思います」

　明治安田生命J1リーグにおける横浜FMは攻撃力に定評のあるチームだが、それはマンチェスター・Cも同じだ。横浜FMは優勝を果たした2022シーズンの明治安田生命J1リーグ全34試合で合計70ゴールを記録したのに対し、マンチェスター・Cは2022−23シーズンのプレミアリーグ全38試合で最多の90ゴールを叩き出している。「攻守ともに主導権を握りにいきたいです」と意気込んだ喜田は「もちろん、世界のトッププレイヤーが相手なのでそう簡単にはいかないと思いますが、そのような部分も含めて、最初から腰が引けた戦い方をするのではなく、自分たちからチャレンジしていきたいです」と言い切る。もちろん、この試合から何かを学び取る姿勢を忘れてはいない。「思い切ってぶつかるつもりですし、そうすることによって見えてくる部分があると思っています」と自身の考えを明かした後、次のような言葉で勝負へのこだわりも見せた。

「1つ言えるのは、思い出作りで試合をするわけではないです。これまでマリノスが見せてきた姿勢、プレー、やってきたことにこだわって勝負したいです」

　横浜FMは2019年7月にもマンチェスター・Cと対戦しており、当時のアンジェ・ポステコグルー監督（現：トッテナム）が植え付けた“らしさ”を見せながらも、1−3で敗れていた。あれから約4年の月日が流れ、当時を知る選手は喜田、畠中槙之輔、松原健、マルコス・ジュニオール、飯倉大樹の5名のみとなっている。当時を知る数少ない1人の喜田は「すべてのポジションにハイクオリティな選手がいるので、チームとして対戦を楽しみにしています」と前置きしつつも、個人としても今回対戦を楽しみにしている2名の選手も明かしてくれた。

「敢えて挙げるとすれば、ほぼすべての人が名前を挙げるであろう（ケヴィン・）デ・ブライネ選手と対戦するのが楽しみです。彼はケガの状態がちょっとまだわからないですが、彼は4年前に対戦した時にも出場しており、ピッチで体感した身としては、チーム全員のレベルが高い中、1人ちょっと別次元だったかなという印象があります。もう1度対戦してみたいと思っていました」

「もう1人の選手は、（フィル・）フォーデン選手です。彼も4年前の試合に出ていました。当時は有望な若手選手の1人という位置付けでしたが、今やマンチェスター・Cに欠かせない存在です。対峙した選手があのような成長を遂げて、刺激を受けた部分もありました。再び会えるのを楽しみしています」

『明治安田Jリーグワールドチャレンジ2023』、横浜FMとマンチェスター・Cの一戦は、23日の19：00に『国立競技場』にてキックオフ予定。試合の模様は「Lemino」にて独占無料生配信される。

取材・文＝榊原拓海