フェルスタッペンが今季10勝目。角田裕毅が8戦ぶりの入賞果たす【決勝レポート/F1第13戦】

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2023年07月30日 23:30  AUTOSPORT web

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2023年F1第13戦ベルギーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
 7月30日、2023年F1第13戦ベルギーGPの決勝レースが行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季10勝目、自身通算45勝目を飾った。

 また、レッドブルは開幕12連勝を達成し、1988年にマクラーレン・ホンダが記録した開幕連勝記録を上回り新記録を樹立。2位にセルジオ・ペレス(レッドブル)、3位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続いた。角田裕毅(アルファタウリ)は10位となり、今季3度目、8戦ぶりの入賞を果たした。

 今季F1が開催されるサーキットの中でもっとも高低差の大きいスパ・フランコルシャン・サーキットを舞台に開催された今季12レース目。今大会ではC2タイヤがハード(白)、C3タイヤがミディアム(黄)、C4タイヤがソフト(赤)に割り当てられている。

 スタートタイヤは、ポールスタートのルクレールをはじめ、多くの車両がソフト(赤)をチョイス。

 ミディアム(黄)を選択したのは、5番グリッドのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、7番グリッドのランド・ノリス(マクラーレン)、8番グリッドのジョージ・ラッセル(メルセデス)、9番グリッドのフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、10グリッドのランス・ストロール(アストンマーティン)、11番グリッドの角田、そしてピットスタートのニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)の7台となった。

 決勝は依然曇り空となるも、雲の隙間から青空も顔をみせるドライコンディションに。気温18度、路面温度27度、湿度61%となるなか、44周の決勝レースはスタートを迎えた。

 ターン1で5番グリッドスタートのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)とカルロス・サインツ(フェラーリ)が接触し、ピアストリはスローダウン。

 その間隙をうまく抜け出した11番手スタートの角田が8番手にジャンプアップ。さらに、トップ争いでは1周目のケメルストレートで早々にセルジオ・ペレス(レッドブル)がルクレールをパスし、ラップリーダーに浮上する。

 これで5周目にはトップがペレス、2番手ルクレール、3番手ルイス・ハミルトン(メルセデス)、4番手フェルスタッペン、5番手アロンソ、6番手にピアストリとの接触でマシンにダメージを負ったサインツというオーダーに。そのサインツを追うのは、2周目にノリスをかわし7番手に浮上した角田だった。

 そして5周目のターン5で角田はサインツをオーバーテイクし、6番手に浮上する。一方6周目のターン5ではフェルスタッペンがハミルトンを攻略し、早々に表彰台圏内となる3番手に浮上する。

 3番手に浮上したフェルスタッペンはファステストを更新しつつ、2番手のルクレールを追う。7周目に2台の差は1秒を切る。

 角田は1分53秒後半のペースで周回。5番手アロンソとのギャップは徐々に広がり、9周時点で3.9秒となるも、7番手ストロールとのギャップを5秒まで広げる走りを続ける。

 フェルスタッペンは9周目のターン5の飛び込みでルクレールを難なくパス。これでレッドブルのワンツーとなる。フェルスタッペンはそこから2.8秒先を先行するペレスとのギャップを徐々に縮める。

 角田は9周目に最初のピットストップを敢行し、ミディアムからミディアムに交換。アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)の眼前でコース復帰するも、ターン5でアルボンにかわされ11番手となる。

 しかし、タイヤが温まると角田は11周目のターン5でアルボンをオーバーテイク。さらに前を走るアロンソは、スタートからピットを先延ばしにするヒュルケンベルグのペースに付き合う形となり、アロンソと角田のギャップは3.4秒に縮まった。

 12周目終わりにハミルトンが、13周目にペレスとルクレールがミディアムに交換するも、ペレスはピット作業でわずかにタイムロス。そして14周目にフェルスタッペンがミディアムに交換するが、ここでは順位は変わらず。ペレスの2.4秒後ろでコース復帰を果たした。
 
 一方、15周目時点で5番手のストロール、7番手のラッセル、8番手のピエール・ガスリー(アルピーヌ)の3台は降雨を期待し、ピットを先のばす。アロンソはこれら3台を易々と攻略し5番手の座を取り戻す。これら3台は16周目には角田の眼前に現れた。

 17周目、フェルスタッペンがペレスのDRS圏内に入ると、2台はテール・トゥ・ノーズでターン4を立ち上がった。その後のケメルストレートでフェルスタッペンがトップに浮上。

 5基目のギヤボックスドライブライン、ギヤチェンジコンポーネントおよび補助コンポーネント(GBX DL)を投入したペナルティを早々に跳ね除けることが叶ったフェルスタッペンは、そこから独走体制となる。

 18周目、サインツが「ターン15で雨が降りはじめた」と無線を飛ばすが、雨は本降りにはならず。そんななか、20周目のターン1で角田がストロールを攻略し8番手に浮上する。

 レースも折り返しを迎えようかという21周目、ストロールはミディアムからソフトに交換し18番手でコース復帰。ところによってはうっすらと雨粒が落ちるなか、アストンマーティンは雨が強くならないと判断したようだ。

 22周目にラッセルがピットインするも、こちらもソフトタイヤに交換。一方、角田は23周目のケメルストレートでガスリーをオーバーテイク。ステイ組の2台をコース上で攻略し、6番手の座を再び掴んだ。

 角田は5番手のアロンソを追う展開へと変わったが、24周時点で2台の差は13秒まで広がっていた。なお、24周目にはサインツがマシンをガレージに収めリタイアとなっている。

 角田は24周目に2度目のピットでソフトタイヤ装着し、見た目上12番手でコースに復帰し、ソフトでも好ペースを維持しながらタイヤマネジメントを続ける。

 27周目に4番手ハミルトンが、そして28周目にルクレールがミディアムからソフトへ交換。ルクレールはハミルトンの前でコース復帰も、アウトラップでは一時1.3秒までハミルトンに接近されるも、ポジションを死守。

 その様子を見てか、29周目にはペレスが、30周目にフェルスタッペンがミディアムからソフトに交換するが、トップ5の順位は変わらず。

 残り10周となった35周目、見た目上9番手を走行する角田の背後にエステバン・オコン(アルピーヌ)が接近。オコンはケメルストレートエンドのターン5で角田の隙を窺うも、ここでは角田がポジションを守る。

 角田はオコンをDRS圏外まで引き離すことはできないが、オーバーテイクポイントとなる最終シケインやターン5で隙を与えないまま周回は続いた。

 しかし、38周目のターン5進入でオコンがアウトから差し込むと、ターン6ではアウトインが入れ替わりオコンが9番手に浮上、角田が10番手に後退する。

 さらに、角田の2.5秒後方にはミディアムタイヤを履くガスリーが続いており、角田は終盤も予断を許さない状況となる。

 42周目終わりに4番手ハミルトンが3度目のタイヤ交換で新品のミディアムに交換し4番手のままコース復帰。ファステストラップを狙うようだが、ハミルトンには新品のソフトは残されていなかった。また終盤、角田はストロールの1秒以内まで接近。しかし、オーバーテイクには届かず。

 44周目、フェルスタッペンが後続に22秒差をつけてトップチェッカーを受け、今季10勝目を8連勝で飾った。これにより、レッドブルが開幕連勝記録を12に伸ばし、1988年からマクラーレン・ホンダが守り続けた開幕連勝記録を更新した。2位にペレス、3位にルクレールが続いた。

 4位にハミルトン、5位にアロンソ、6位ラッセル、7位ノリス、8位オコン、9位ストロール、10位角田までがポイント獲得。角田は今季3度目の入賞となった。

 また、角田のチームメイトのダニエル・リカルド(アルファタウリ)は16位となった。なお、ファイナルラップにハミルトンが1分47秒305をマークし、ファステストラップポイントを獲得している。

 次戦となる2023年F1第14戦オランダGPは、サマーブレイク明けの8月25〜27日に、オランダのザントフォールト・サーキットで開催される。

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