井上祐貴、Sexy Zone中島健人との忘れられない思い出「鳥肌が立ちました」【連載PERSON】

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2023年08月13日 11:01  TVerプラス

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人生に影響を与えたテレビ番組を軸に、出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON〜人生を変えたテレビ番組」。今回は、『何曜日に生まれたの』(ABCテレビ・テレビ朝日系、毎週日曜22:00〜)に出演する井上祐貴さんが登場します。

井上さんは2017年、大学3年生の時に『第42回ホリプロタレントスカウトキャラバン』で審査員特別賞を受賞し翌年芸能界に入ります。その年のミュージカル『ピーターパン』で海賊マリンズ役として俳優デビューを果たすと、2019年の特撮ドラマ『ウルトラマンタイガ』で工藤ヒロユキ役としてテレビドラマ初主演。その後、様々な作品に出演するようになります。

『101回目のプロポーズ』『高校教師』など日本を代表する名作を数々生み出してきた脚本家・野島伸司さんのオリジナル作品となる『何曜日に生まれたの』では、落ち目の漫画家である父・丈治(陣内孝則)と2人暮らしの日々を送る引きこもり歴10年の20代女性・黒目すい(飯豊まりえ)の同級生・江田悠馬を演じます。同作は丈治がレギュラー連載を持つ雑誌の編集長・来栖久美から新たな企画を提案されたことをきっかけに、サスペンスあり、ラブストーリーありの予測不能のストーリーが展開していきます。

特撮作品で人気を博し、現在は様々なジャンルのドラマに出演する井上さんに、本作の見どころや、思い出のテレビ番組などについて話を聞きました。

27歳の井上祐貴、高校生役に挑戦で「難しいです(笑)」

――まず今回のドラマのオファーをもらった時の感想を教えてください。

今回は事前にオーディションを受けさせていただいたんです。決まった時はもちろん嬉しかったですし、すごく楽しみになりました。早く台本を読んでみたい、早く現場に行きたいなと思いました。

――野島伸司さんの脚本についてはどんな印象を持ちましたか?

野島さんがオーディションにいらっしゃったんです。野島さんの独特な世界観はもちろん以前から知っていたのですが、毎作品、違う印象なので、今回はどんな感じになるんだろうとか、野島さんはそもそもどういう方なんだろうと、気になっていました。実際に台本を読んでみて、引き込まれる世界観があって、本当にワクワクしています。

――演じられる江田悠馬は、ヒロインの高校時代の仲間で、現在は広告代理店の営業職に就く、明るくまっすぐなムードメイカー的な存在。自分と似ている部分はありますか?

自分と似ている部分が多いなと思いました。サッカーをやっていたという共通点がまず一つあります。似ていない部分でいうと、江田悠馬はエースストライカーで人気者だったという点です。僕はそうではなかったので(笑)。その違いはありますが、内面的な部分は、自分が「大丈夫」と当たり前にできていたことができなくなった時に、自分でも知らない自分が出てくるところとか、とても共感できました。

――役を演じる上で、何か準備していることはありますか?

今回、高校時代から27歳までを演じています。10年経ったらいろいろ変わりますが、その中でもちょっとした癖とか、好きなものとか、興味のあるものとか、ベースになる軸はぶれないように演じていこうと準備をしました。

――クランクイン後の現場の印象を教えてください。

とても明るい現場です。今(取材時)は、高校時代の回想のシーンの撮影が多いです。キャストみんなの制服姿は新鮮ですし、舞台が学校ということで、夏を感じながら、ちょっとフレッシュな気持ちを感じながら撮影できて、とても嬉しいです。

サッカーのシーンがあるのですが、サッカーをやっていなかったらできなかっただろう演出も多いんです。特にサッカーのゴールを決めるシーンは、そのシーンによって江田悠馬が人気者になったり主人公との関係が深まったりするシーンで、それをクランクインの日に撮りました。クランクイン前に何日か使って他のキャストと一緒にサッカーの練習して本番に挑みました。

――井上さんは現在27歳。高校生を演じる難しさはありますか?

あります。難しいです(笑)。でも周りの同級生役のみんなが僕と同世代なので、そこに助けられています。1人でもリアル17歳がいたらやばかったです(笑)。

――主演の飯豊さんの現場での雰囲気はいかがでしょうか?

初共演なのですが、明るくて気さくな方という印象で、頼れる座長という存在だと思います。

――井上さんから見て、今回の作品の見どころはどこでしょうか。

展開の読めないところが見どころだと思います。全9話を通して登場人物の印象がどんどん変わる可能性があると聞いて、そこも野島さんの脚本の魅力だと思いました。だからこそ演じていて不安もありますが。あと考察系ドラマの要素も強くあります。そういう部分が見どころだと思います。

自分が腑に落ちないままカメラ前には立たない

――ここからは、井上さんとテレビとの関わりについてお聞きしたいです。井上さんにとって、自分を形成してくれたような、強く影響を受けたテレビ番組はありますか?

そういう意味でいうと『特捜戦隊デカレンジャー』でしょうか。幼少時代の特撮作品はウルトラマンだったり、仮面ライダーだったり、戦隊だったり、ほとんど見ていました。弟が2人いるのですが、3人でソフビを持ってよく遊んでましたね。

その頃はヒーローに憧れていたわけではなく、警察官に憧れていたんです。それもあって『デカレンジャー』が好きでした。警察官は今でもずっとかっこいい存在として頭にあって、この仕事を始めた時に、何の仕事をしている役を演じたいんだろうと考えた時に、警察官や刑事の役をやりたいと真っ先に思いました。その後僕もウルトラマンを演じることになったのですが、子供の頃憧れたヒーローを思い浮かべて演じていたので、それも『デカレンジャー』を挙げた理由の一つです。

――最近よく見ているテレビはありますか。

基本的に毎クールドラマは全部見ています。何を見ているとかではなくて、全て見ています。昔からドラマを見るのが好きだったのですが、今は役者として勉強になっているといいなと思いながら見ています。TVerでもお気に入り登録するという感じではなく、目にした全部を見るという感じです。YouTubeのチャンネル登録とかもしないですね。見たいものがあった時はその都度検索して見ていく感じです。

――好きなジャンルは何ですか。

ミステリーが好きです。全話を通して謎が解けていくような作品が好きです。日曜劇場『テセウスの船』なんかはとても好きな作品でした。

――役者として大切にしている軸、信念、言葉などがあれば教えていただきたいです。

初めて挑戦する役や初めて向かう現場だと、わからないことがたくさんあるのですが、その時にわからないとか、不安があるまま、本番を迎えないということにこだわっています。当たり前のことなのですが、聞く事が怖かったり、いろいろな理由があって、それができていない時期もありました。

作品のオンエアを見ている時に「あっここは迷いながらやったところだ」と感じた時、このままではダメだと思いました。演じる前に聞いておけばよかったって後悔して……。それからは、自分の中で理解して、ちゃんと腑に落ちている状態でカメラの前に立とうと決めました。今も、それを軸として演技をしています。

――話題作への出演も多く、いろいろな方との共演や現場を経験されていると思うのですが、その経験から、何か印象に残っているエピソードはありますか?

『ニセコイ』という映画に生徒の1人として出演したんですが、その時はまだ役名もなかったんです。文化祭の準備で飾り付けをしている時に、アクシデントで脚立が倒れて上に乗っている生徒が落ちて、そこに主演の方が「大丈夫か」と駆け寄っていくシーンがあったんです。その落ちる生徒に現場で選ばれて、段取りをしている時にSexy Zoneの中島健人さんが来て、「祐貴、じゃあ、こっち回って」と、中島さんにさらっと名前を呼ばれ覚えられていることにびっくりしました。

僕の名前を覚えているということは、おそらく全員の名前を覚えているんだろうなって……。そう考えた時鳥肌が立ちましたし、自分もそうあろうと思いました。言い方もさりげなかったので、かっこいいなと思ったのを覚えています。

あれ以来まだ中島さんに会えてないです。会ったらその話をしてみたいなと思っています。中島さんにとっては当たり前の事すぎてもう覚えてないかもしれませんが……(笑)。

取材・文:名鹿祥史
撮影:フジタヒデ
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