DENSO KOBELCO SARD GR Supraが今季初の表彰台。脇阪寿一監督「我々にとってようやくスタート」

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2023年08月28日 15:10  AUTOSPORT web

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予選12番手からオーバーテイクを連発したDENSO KOBELCO SARD GR Supraの関口雄飛
 気温30℃を超える真夏日のなかで行われた2023スーパーGT第5戦鈴鹿。GT500クラスでは予選で後方に沈んだトヨタGRスープラ勢が決勝で挽回をみせ、DENSO KOBELCO SARD GR Supraが3位チェッカーでその後上位の失活で2位に入り、今季最上位を獲得した。

 開幕戦の岡山ではウエット路面に足元をすくわれ、マシンが宙を舞う大クラッシュを喫するなど、波乱の2023シーズンスタートとなった39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supr。脇阪寿一監督は後半3戦に向けて手応えを感じる1戦だったと振り返った。

 予選では6台のGRスープラのうち5台がQ1敗退。39号車も12番手に終わったが、決勝では前半を担当した関口雄飛がライバルを次々とオーバーテイクし、12周目には7番手に浮上。15周目に1回目のピットストップを済ませると、さらにポジションを上げ、全車が1度目のピットストップを終えた30周目には4番手に浮上した。

 その後、関口はNiterra MOTUL Zを抜いて表彰台圏内に進むと、43周目に2度目のピットストップを行い中山雄一にドライバー交代。後半はライバルに追い詰められるシーンが何度かあったが、最後まで堪え切って今季初表彰台を獲得した。暫定表彰式では3位として登壇したが、後に暫定2位のMOTUL AUTECH Zが車検不合格で失格となり、正式結果では2位に繰り上がった。

 今回の鈴鹿戦、決勝前夜にチームはパドック内にあるレストランを使って『TGR TEAM SARD FAN MEETING 2023 in SUZUKA』を開催し、80人のファンが集まる盛況だったとのこと。毎年恒例となっていたSARDのファンイベントもコロナ禍の影響で4年ぶりの開催。ファンの声援も決勝での快進撃への後押しとなった。

 今回の結果に対し脇阪監督は「正直優勝を狙っていたので、3位(その後正式結果で2位繰り上げ)という結果は残念。だけど、予選があの位置(12番手)だったことを考えると、この結果は嬉しいです。前回の富士からクルマに対してテーマを持ってやっていることがスピードにつながっていることに満足しています」とコメント。長年、39号車陣営にとって課題となっていたことに対して、ここ最近になって改善が見られているという。

「たとえば36号車で出来て我々が出来ないことというのが、ヘイキ(コバライネン)がいた頃からずっとありました。36号車は(関口)雄飛がいた時から強いですし、(宮田)莉朋が加入してからもそうです。その差を自分たちの中で『なぜなのか?』という検証作業をしていくなかで、いくつか見つけることができました。それをチームと話し合いながら進めていきました」

「今回鈴鹿に来て、今までは『リヤがロックするし、オーバーステアだ!』と言っていたクルマが、ビクともしないようになりました。それと同時に今まで使えなかったようなタイヤも使えるようになって、決勝ペースも良くなりました」

「何よりも、富士と鈴鹿でのクルマの変化が、このチームのポテンシャルの幅を1段階上げた気がしています。後半戦に対してものすごく弾みのついた“悔しい富士と鈴鹿”になったのかなと思っています。ここから我々にとってはようやくスタートかなと思っています」

 脇阪監督は今回のレース後半にENEOS X Prime GR Supraの山下健太が背後に迫ってきた時の“中山の冷静さ”も評価していた。

「(山下)健太は(中山)雄一の精神面を削りにいく攻め方をして、相手のミスを待っていたと思います。今までの雄一だったら、ミスをして抜かれてしまい、後半でペースが良くなっても抜けずに終わったと思います。だけど、今日の雄一は強かったし、健太の動きも分かってコントロールしていました」

その接戦となった後半スティントを担当した中山は「レース後半はタイヤの保ちが良いセットになっていたと思います。終わってみて分かることでしたけど、タイヤ選択とかセットアップを含めてレース後半の仕様だったのかなと思います」と分析する。」

 最後はライバルを引き離してゴールした中山。昨年も第5戦鈴鹿で39号車は3位を獲得しているが、その時とは異なる手応えを得ているという。

「昨年は運良くSCが出る直前にピットインできたので『3位だったけど運が良かっただけだね……』という感じでした。今回はFCYしか出ていなくて、そんなに荒れたレースではなかったなかで、12番手から3番手(その後正式結果では2位)までしっかり上がっていけました。もちろん作戦面もありますけど、前回大会からスピードが出てきているなと感じていますし、サクセスウェイトが軽いというメリットも活かせたと思います。正直、最低限の結果ではありますけど、昨年よりは達成感のある3位だったかなと思います」

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