伊藤美来が体現する“不変”と“進化”―11thシングル「点と線」インタビュー

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2023年10月11日 12:51  アニメ!アニメ!

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アニメ!アニメ!

伊藤美来 11thシングル「点と線」インタビュー
10月11日(水)にリリースとなる伊藤美来の11thシングル「点と線」。表題曲は、TVアニメ『星屑テレパス』オープニング主題歌にもなっている。また、カップリング曲「空色ミサンガ」では、ボサノバ・サンバのピアニストであり、作曲家・編曲家・プロデューサーとしても活躍する今井亮太郎氏が作詞/作曲/編曲を手がけたサンバに挑戦している。

アニメ!アニメ!では伊藤美来にインタビューを実施。11thシングルリリースの翌日に27歳の誕生日を迎える彼女。本楽曲への思いとともに、次の1年へ向けた展望を語ってもらった。

取材・文・撮影:吉野庫之介
ブラウス、スカート:S/ile スタイリスト:川端マイ子
ヘアメイク:大久保沙菜



想う、繋ぐ、届く。「点と線」で繋がったアニサマ

――表題曲「点と線」は、視点は地上にありつつも、不思議と宇宙を漂っているような感覚にもなる楽曲だなと思いました。

私も最初にメロディーを聴いたとき、主題歌を担当させていただいたTVアニメ『星屑テレパス』に寄り添った内容の浮遊感・宇宙感のある楽曲だなと思いました。いろんなところで音が鳴っていて、いい意味で“芯がない曲”というか。

歌詞も渡部紫緒さんが紡いでくださった素敵な言葉が並んでいるのですが、とくに「迷いは音立てて決意に変わる」というフレーズがカッコよくて。ふわふわとした中にある“夢を追いかける強さ”のようなものを感じたので、聴いてくださる方や、作品のキャラクターたちの背中を押せるように歌えたらと思いました。





――渡部紫緒さん(作詞)、坂部剛さん(作曲・編曲)が揃った楽曲は「ワタシイロ」以来かと思いますが、今回なにかお話しはされましたか?

私の中で「ワタシイロ」のレコーディングはとても苦戦した思い出があるのですが、その頃から見守っていただいているお二人ということもあり、「こういう曲も歌えるようになって、大人になったね。」というお話をしていただきました。

――私も伊藤さんに初めてインタビューをさせていただいたのが約4年ほど前になるのですが、その頃からアーティスト活動やお芝居を拝見していて、より感情の幅が広がっているなと感じることがあります。今回の「点と線」からもそんな成長が見て取れて。

ありがとうございます。応援してくださっているみなさんにも、そんな成長した私を感じ取っていただけたら嬉しいなと思います。



――また、本楽曲は「Animelo Summer Live (アニサマ)2023 -AXEL-」のステージで初披露となりましたが、会場全体が無重力感に包まれるような感じがありました。

それはよかったです! あのときの私は初披露ということで必死すぎて…(笑)。ステージから会場のみなさんが初めての曲にどんなノリ方をしてくださるのかを見ていたのですが、サイリウムも模索しながら振っていただいて、ライブの中でこの一曲を知ろうとしてくださっているのがとても伝わってきました。

――これからのライブでセットリストに入れる際にも、リズムを変える“転換点”になりそうな一曲というか。

そうですね。これからのライブやツアーの際にも歌っていく楽曲になると思いますし、フッと切り替えができるぶん、どこに入れたらいいんだろう…というのは考えどころですね(笑)。

――次回のライブが楽しみです(笑)。また、今回のMVはどのようなコンセプトで制作されたのですか?

今回の楽曲は私にとって「挑戦」の意味合いもあり、“新しい伊藤美来”を表現したいという思いもあったので、MVもこれまであまり見せたことのないスタイリッシュなビジュアルや、アーティスティックな映像にこだわって制作しています。

――水色の糸の線が張り巡らされ、その交差もまた点となっていたり。表題の解釈が広がるような演出が散りばめられていましたね。

人同士の繋がりや、自分自身の目標や歩んでいく道、人によってさまざまな捉え方ができる表現になっていると思います。あとは女性の手がたくさん登場するシーンがあるのですが、あれは急に決まったカットで、現場にいたありったけの女性をかき集めてネイルをして出演してもらったんです(笑)。

――あのシーンにはそんな裏話があったんですね。あとはスーパーボールがたくさん飛び交っているカットもありましたが、当たって痛くないのかな?と思いました(笑)。

意外と痛くないんですよ(笑)。スーパーボールのほかにも、風船や宇宙ヘルメットに見立てた金魚鉢など丸いものが多く、スタジオが小さな宇宙空間のようで、とても楽しい撮影でした。



――みなさんにもじっくりと見ていただきたい映像ですよね。また、カップリング曲の「空色ミサンガ」も聴かせていただいたのですが、「点と線」が明暗を感じられる楽曲なのに対して、こちらは色彩豊かなイメージの楽曲となっていますね。

そうですね。カラフルなブラジル感のある音楽で、パワーがあふれてくる楽しい一曲になっています。歌詞でも「当たり前のことの中に感じる幸せ」が表現されていて、感性を刺激されるような言葉が散りばめられています。

――「秋のプリズムの中に春の陽射し感じたら」や「冬のクリスタルの中に夏の渚感じたら」といった季節の対比表現も素敵ですよね。

素晴らしいワードセンスですよね。私もお気に入りのフレーズです。

――伊藤さんは夏の思い出はできましたか?

実はちょうど夏休み明けで、髪色を変えてみたり、大好きなヒーローショーに足を運んでオタ活をしたり。今年はとても暑かったですが、夏だからこその楽しみも街にはあふれているんだなという気持ちを思い出しました(笑)。



――先ほども話しましたが、声出し解禁のアニサマも熱かったですね。

本当に熱くて感動しました! お客さんもブランクをまったく感じさせないくらい盛り上がっていて、やはり直接レスポンスを感じられるというのは嬉しかったですね。コロナ禍でのライブも、みなさんが心の中でひとつになる団結感があったと思うんですけど、声出し可能な会場で、一人ひとりのパワーが重なって生まれる奇跡のようなものを改めて感じて。

――客席側からもそれは感じましたね。それこそ「点と線」で繋がっていく感じがあって。

隣の方と肩を組んで繋がって、あの高揚感やエネルギーはステージから見ていても本当に大きかったですね。アニサマで「点と線」を初披露した際も、すごく緊張していた私にみなさんが「任せろー!」「大丈夫だー!」って声で返してくださったことがすごく力になって、歌いきることができました。

――歌詞の中にもある「想う、繋ぐ、届く。」が体現されたというか。

そうですね。参加してくださったみなさんに気持ちが届いていたらいいなと思います。





変わらない、変えられない、変えたくない。不変と進化の先にある“伊藤美来らしさ”

――11thシングルのリリースがお誕生日の前日となりますが、26歳はどんな1年となりましたか?

26歳はとても早かったなと感じます。挑戦できたこともあれば、ネガティブな気持ちになることもあって。改めて振り返ると、自身の成長や大人になるための一歩だったのかなと感じますし、その想いを噛み締めながらグッと我慢するような時間も過ごしたので、27歳はそれを放出するような1年に出来たらいいなと思います。



――感情の波ってありますよね。私も最近感情が底辺まで落ち込む出来事があったんです(笑)。

一番下ですね!(笑) でも、そういうタイミングってやっぱり誰にでもありますよね。

――ただ、その底辺の中で新たに見えてくるものもあって。

そうなんですよね。私も底辺まで落ち込んだときに少し安心するというか、「ここまで落ち込めたら、あとは大丈夫かも」と気持ちの転換ができるので、決して悪いことではないのかなと。

――わかります。あと、それまで幸せを覚えなかったことにまで幸せを感じられるようになったりして。感受性がより豊かになる感覚というか。

「ご飯美味しい!」みたいな(笑)。感性が磨かれている証拠ですよね。

――本当にそうなんですよね(笑)。ちなみに気持ちを切り替えたいときにはどんなことをされていますか?

私の場合は、誰かの人生について書かれたエッセイ本を読んでみたり、ドキュメンタリー番組を見たりしますね。そうすることで、自分の見ている世界がいかに狭いのかを実感したり、もっと広い世界に目を向けてみようと思えたりするので。



――それはいいですね。落ち込んでいると、どうしても主観的になってしまうので。

「どうして私だけ」と思いがちになってしまうけれど、もっと壮絶な人生を歩んでいる人もいれば、ふと周りを見渡してみると幸せそうにサンバを踊っている人がいたり、植物たちも頑張って生きていることに気がついたり(笑)。

――不思議と周りの「生」を感じやすくなりますよね(笑)。そこからパワーを分けてもらえるというか。

わかります。「ダンゴムシ可愛い!」みたいな(笑)。人それぞれの方法があると思いますが、誰かに会ったりしてアクティブに行動するよりも、自分自身に問いかけながら負の感情を散らしていくのが私にはあっているのかなと思います。

――そうした自分にあった復活のための「点」を見つけて、「線」で繋いでいって。

そうですね。自分にあった「カラフルな点」が周りにきっとあるはずなので、「点と線」で繋がって。

――「カラフルな点」、素敵な表現ですね。

ちょっと今MVのスーパーボールを思い出して言いました(笑)。





――たしかにあれも「カラフルな点」ですね(笑)。また、27歳の目標として具体的に考えていることはありますか?

27歳は「空色ミサンガ」メンタルで、季節の巡りや広い世界を楽しみながら、色々なものを愛せたらいいなと思っています。

あとは10月12日にオフィシャルファンクラブ「all yours」を開設するので、私のプライベートな姿をもっとみなさんにお見せしていきたいと考えています。たとえば、コラムを書いてみたり、写真に挑戦してみたり。これまでは「センスがないから無理!」と思っていたようなことにも手を伸ばしてみたいなと。

――いいですね。私も写真が趣味で仕事以外でも撮影することがあるのですが、普段見ている景色がより特別に見えたり、一瞬一瞬を意識するようになりました。たとえば、今日も伊藤さんを撮影させていただきましたが、この状態の伊藤さんはこの瞬間しか撮ることができないと思うと、その時間の貴重さに気づけたりもして。

その一瞬一瞬を残すということですからね。私もこれまで記録を残すことにそんなに執着するタイプではなかったんですけど、新しい視点を見つけるためにも始めてみたくなって。

――愛犬のピノちゃんの写真を撮ってみたり。

本当に。ピノを可愛く撮ることができたらなんて素晴らしいんだろうって思います(笑)。





――お仕事の面ではいかがですか?

自分自身が表現できるものをより突き詰めていきたいですね。あれもこれもというより、自分の声質、お芝居、歌、それぞれを磨いていった先にある“伊藤美来らしさ”を出していきたいなと思います。

26歳の1年間もさまざまな役を演じさせていただいたり、朗読劇などの舞台に出演させていただく機会もありました。そうしたこれまでの経験を活かしながら、より自分自身を知り、固めていけたらと考えています。

――10thシングル「青100色」リリース時のインタビューでも「変わらずにいること」を目標にされていると仰っていましたが、やはり伊藤さんは自らの持つ軸を突き詰めていきたいのですね。

そうですね。変わらないことが一番難しいことですが、最終的には「伊藤美来といえばこれだよね」「変わらないね」と言っていただけるようなものを作っていけたらと思います。

――ファンのみなさんとの関係性を含めて「変わらないこと」が伊藤美来のテーマというか。

変わらない、変えられない、変えたくない。ファンのみなさんとは、そんな関係性であり続けたいと思っています。


伊藤美来 11thシングル「点と線」

発売日:2023年10月11日(水)

DVD付き限定盤(CD+DVD):2,090円(税抜1,900円) COZC-2032〜3
「点と線」Music Video、メイキングを収録したDVDを同梱。
通常盤(CD):1,430円(税抜1,300円)

<CD収録内容>
1.点と線 TVアニメ『星屑テレパス』オープニング主題歌
作詞:渡部紫緒 作曲・編曲:坂部 剛
2.空色ミサンガ
作詞・作曲・編曲:今井亮太郎
3.点と線(off vocal ver.)
4.空色ミサンガ(off vocal ver.)

<DVD収録内容>
1.点と線 Music Video
2.点と線 メイキング映像

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