阪神・岡田監督も全幅の信頼を置く「スペードのエース」 桐敷拓馬が猛虎をさらなる高みへと導く

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2023年10月20日 16:45  ベースボールキング

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阪神・桐敷拓馬 (C) Kyodo News
◆ 圧巻の3者連続三振

 リリーバーとして才能を開花させた若虎が、ポストシーズンでもフル回転の勢いだ。タイガースの2年目・桐敷拓馬が自身初のクライマックスシリーズ登板で見せたパフォーマンスは出色だった。

 18日、カープとのファイナルステージ初戦。6回1失点と役割を果たした若き大黒柱・村上頌樹からバトンを受け3点リードの7回に登板すると、対峙する打者をなで斬っていった。

 先頭打者から左打者3人が並ぶ打順。レギュラーシーズンで対戦打率.190に抑え込んでいる“左キラー”の血が騒いだ。坂倉将吾をフォークで空振り三振に仕留めると、田中広輔は148キロのツーシームに手が出ない。最後は代打で出てきた右の堂林翔太を、フルカウントからこの夜最速の150キロで空振り三振と3者連続で「K」を積み上げ、チームの勝利をたぐり寄せた。


◆ リリーフ転向で才能が開花

 「緊張しましたけど、やるだけだと思って腕振っていきました。頌樹さん(村上)が良い流れを作ってくれたので、そこに乗っかるじゃないですけど、そういう気持ちで投げていきました」

 コメントからも分かるとおり、まだキャリア2年目の若手。5月26日のジャイアンツ戦では7回1失点の快投を披露してプロ初勝利をマークしているように、ポジションも本来は先発だ。

 その後、思うような結果を残せず6月にニ軍降格となったが、岡田彰布監督の“目”が覚醒を呼び込む。

 7月に出場したフレッシュ球宴で、リリーフとして登板している姿を見た指揮官が適任と判断。7月下旬の再昇格とともに配置転換される。

 すると対左打者としての起用だけでなく、先発時の経験を生かしての複数イニングでの登板も難なくこなし、シーズン後半だけで14ホールドを挙げてリーグ優勝に貢献。岡田監督からも「スペードのエース」と独特の表現で称され、信頼を勝ち取って見せた。


 3者連続三振で仕事を果たした試合後、背番号47は「シーズンと同じように投げられたのかなと思う。(3者連続三振は)できすぎじゃないですけど、ここからまた戦いが続くので」と気を引き締め直した。

 シーズン終盤はやや疲れも感じる部分もあった中で、直球の最速は150キロを記録するなど“充電完了”の気配も感じられる。

 一発勝負の短期決戦において、快投で好発進した桐敷の存在は大きい。数ある手持ちのカードの中で、岡田監督がスペードのエースを切る回数は自然と増えていくはずだ。


文=チャリコ遠藤(スポーツニッポン・タイガース担当)

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