Moto3:佐々木歩夢、雪辱を果たす今季初優勝「最後まで戦ったチームも僕もこの勝利にふさわしい」/第20戦バレンシアGP

0

2023年11月29日 11:50  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

Moto3:佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)/2023MotoGP第20戦バレンシアGP
 11月26日、2023年MotoGP第20戦バレンシアGP Moto3クラスの決勝がリカルド・トルモ・サーキットで開催された。佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)は前戦のカタールGPでの雪辱を果たす今季初優勝を手にし、Moto3クラスのラストレースを終えた。

 佐々木は2017年からMoto3クラスにフル参戦を開始し、今シーズンで7年目を迎えた。2024年はMoto2クラスへの昇格が決まっているため、今大会はMoto3クラスで戦う最後のレースとなった。そんな佐々木は初日こそ総合13番手に沈むも、予選ではフロントロウを獲得して決勝に挑むことになった。

「ベストラップで少しミスをしてしまいましたが、良いラップだったので満足しています。ギャップが接近していたので、ポールを争うことができたかもしれません。でも、最も重要なことはバイクの感触が良かったことです。レースに向けてどこを改善できるかを確認するために、最後に少し違うセッティングを試したことが功を奏しました」

「僕たちのレースペースはかなり良さそうなので、明日はチームメイトと一緒にギャップを広げて良いレースをして、できれば勝って終わりたいと思っています。そうなれば今シーズンの良い締めくくりになりますし、僕にとってもチームとMoto3との良いお別れになると思います。ラップタイムとペースがほぼ同じなので、先頭は小さなグループができると思いますが、僕たちは最後まで戦うつもりです」

 決勝は好スタートを切ってホールショットを奪うも、2周目にチームメイトのコリン・ベイヤー(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)に先頭を奪われてしまう。デニス・オンジュ(Red Bull KTM Ajo)も交えてトップ争いを展開し、一時は4番手まで後退したものの、すぐに挽回して中盤以降まで2番手を維持していた。

 終盤に差し掛かると積極的にベイヤーに仕掛けていき、16周目に首位奪還。イバン・オルトラ(Angeluss MTA Team)の追撃を受けながらも、しっかりと各コーナーを抑え切っていく。そして、残り周回は一度も先頭を譲ることなく、トップチェッカーを受けて悲願の今季初優勝を飾った。日の丸を掲げて走ったウイニングランの合間には、両親と抱き合って喜びを分かち合い、目には涙を浮かべて感極まる様子もあった。

「素晴らしいシーズンでしたが、同時に厳しいシーズンでもあったので、今日は表彰台の最上段に立つことができてとてもホッとしました。チームも僕もこの勝利にふさわしく、最後までチャンピオンシップを目指して戦ったので、とても良い気分です」

「最終的にはランキング2位になりましたが、それでも今年はとても多くのことを学べたので、素晴らしいシーズンでした。そして、2023年だけでなく、チームが僕に決して忘れることのない多くのことを教えてくれたので、この2年間はとても勉強になりました。最後のレースで勝つことは素晴らしい締めくくりになりましたし、ともに歩んできた僕たちの旅の終わりを祝う素晴らしい方法だと思っています」

「LIQUI MOLY Husqvarna Intact GPには感謝してもしきれません。最後になりましたが、皆さんおめでとうございます。なぜなら僕たちがチームのワールドチャンピオンだからです!」

 佐々木は今シーズン、幾度となくトップ争いを展開していたが、惜しくも優勝を逃すという悔しい戦いが続いていた。そのなかでも、18戦終了時点で10度の表彰台を獲得してランキング2位につけ、ジャウマ・マシア(Leopard Racing)とチャンピオン争いを展開。しかし、前戦のカタールGPでの直接対決で執拗な妨害を受けて順位を落としてしまい、王座争いに敗れてしまった。

 今回の最終戦バレンシアGPでは、そんな前戦の悔しさを跳ね除けて今季初優勝を獲得した。最終的にはマシアとのポイント差を6に縮めてランキング2位、そして逆転でチームチャンピオンも獲得して今シーズンを終えている。王座争いには敗れてしまったものの、最後は7年間の集大成ともいえるレースを披露した佐々木は、来シーズンにMoto2クラスでどのような戦いぶりを見せてくれるだろうか。

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定