箱根駅伝のシード権争いを駅伝ツウの西村菜那子が占う 上位にいく大学、「台風の目」となりそうな大学も挙げた

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2023年12月26日 11:01  webスポルティーバ

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西村菜那子の箱根駅伝予想

シード権争い編

(優勝争い編:駒澤大を脅かすことができるのは? 青学大と城西大に注目>>)

【國學院大と中央大は3位争い?】

"駅伝に詳しすぎるアイドル"として知られる西村菜那子さんが、第100回箱根駅伝の順位を大胆予想。前編の優勝争い編では、往路は駒澤大と城西大が山で競り合い、復路は駒澤大と青山学院大が争うと読んでいることを語ったが、他の上位校と「シード権争い」はどう考えているのか。

 復路で城西大に近づき、3位争いを繰り広げると予想しているのは國學院大と中央大だ。

「國學院大は全日本で出遅れましたが、中盤区間から順位を上げて、最後は2位の青山学院大と5秒差の3位。チームの底力を示していると思いました。箱根でも上位に食い込むんじゃないでしょうか」

 前回4位の國學院大は伊地知賢造(4年)、平林清澄(3年)、山本歩夢(3年)の3本柱が強力。中でも西村さんが期待を寄せているのは、主将・伊地知だ。

「伊地知選手は前回5区を走っています。山じゃない可能性もありますが、今回は5区の争いが盛り上がると思うので、そこに伊地知選手も加わってほしいなという気持ちがありますね。何区を任されても外すことはない選手なので、彼の走りに注目です」

 中大は前回、2区・吉居大和(4年)が区間賞の快走でトップを奪取。3区・中野翔太(4年)も区間賞で駒澤大に先行して、総合でも2位に入った。今季は出雲7位、全日本4位と不発に終わっているが、どんなレースを期待するのか。

「全日本は途中、悔しい思いがあったと思います。それでも、スピードがある選手が多い中で主将・湯浅仁選手(4年)が全日本7区を区間2位と好走して、MARCH対抗戦1万mでも28分12秒17の自己ベスト。頭角を現してきたので、注目しています。

 個人的には2区を走る姿を見たいですね。そうしてエースの吉居大和選手を1区に起用すれば、先行できるんじゃないでしょうか。吉居選手の調子が読めないですけど、ラストイヤーですし、今回も爆走してほしいです」

【創価大、早大も「上位を狙える」】

 他に、上位争いの期待が高いと予想するのが創価大と早稲田大だ。

 出雲で過去最高の2位、全日本で6位に入った創価大については、「吉田響選手(3年)がハンパじゃない」と西村さん。今季、東海大から転入した吉田が学生駅伝で大活躍している。出雲は5区で区間賞を獲得すると、全日本は5区で区間賞・区間新記録。区間2位に38秒もの大差をつけた。

「ちょっと調べたんですが、出雲と全日本で区間賞を獲得しているのは、駒澤大・佐藤圭汰選手と、城西大・キムタイ選手、創価大・吉田響選手の3人。その中で吉田選手は、テレビに映る時間が短かったんです。箱根駅伝も活躍すると思うので、今度はもっとテレビに映ってほしいなと思います」

 なお、城西大の山本唯翔と、創価大の吉田の"5区対決"は、「(上回るのは)吉田選手かな」と予想している。

「世間の注目度は山本選手のほうが上かもしれませんが、吉田選手のほうが勢いがある。ふたりとも、区間記録を塗り替えてくれるのじゃないでしょうか」

 早大は出雲で6位に入るも、全日本は10位と振るわなかった。

「早大は全日本が寂しい結果になったんですが、各学年に力のあるランナーがいるので、ピーキングさえ合えば上位を狙えると思います」

 3000m障害でも活躍する菖蒲敦司(4年)、1万mが27分台の石塚陽士(3年)、スピードが武器の間瀬田純平(2年)ら好選手がいるなかで、西村さんが最も楽しみにしているのが山口智規(2年)だ。

「関東インカレ5000mでラスト1周くらいからヌルッと前に来て、気づいたら3位に入っていたんです。そこから気になって注目しています。個人的には、山口選手は3区を走ってほしいですね。5区は伊藤大志選手(3年)が活躍すると思いますし、早大は確実にシード権を獲得するでしょう」

【シード権の「台風の目」は?】

 そして、シード権争いで「台風の目になる」と西村さんが期待しているのが大東文化大だ。箱根予選会は2年連続のトップ通過。全日本大学駅伝は7位に食い込み、18年ぶりにシード権を獲得している。

「大東大の注目は佐竹勇樹選手(4年)です。全日本は1区で区間5位。前回の箱根は山下りの6区を区間6位と好走しました。今回も6区なら前回以上の走りが期待できると思います。

 5区も前回は菊地駿介選手(4年)が区間12位でした。爆発的に強い選手がいるわけではありませんが、ここ数年で全体的にレベルを上げてきたイメージです。ピーター・ワンジル選手(3年)がしっかり走ればかなり面白いと思いますね。往路は厳しいかもしれませんが、復路で上げてくるんじゃないでしょうか。真名子圭監督の采配も楽しみです」

 大東大に続いて、順天堂大もシード権を獲得すると読んでいる。

「順大は、私と同じ長野県出身の吉岡大翔選手(1年)に期待しています。彼が高校を卒業する前日にインタビューしているんですけど、『大学駅伝では1区を走りたい』という熱い思いを聞きました。出雲は1区で伸びませんでしたが、箱根は1区で攻めの走りをしてほしいです。あと、三浦龍司選手(4年)はハマれば絶対に結果を出してくれる選手。日本を代表するエースランナーなので、花の2区が似合うのかなと思います」

 西村さんのシミュレーションでは、シード圏内の枠は残り1校。かなり頭を悩ませながら、「10位は帝京大かな......」と予想した。

「シード権は帝京大、東洋大、東海大あたりが最後の1枠を争うんじゃないかなと思います。その中では、全日本では3区で5位まで上がった帝京大が、最後の1枠に滑り込むんじゃないでしょうか。東洋大は石田洸介選手(3年)がエントリーから外れましたし、ちょっと厳しい戦いになりそうです。東海大はエース石原翔太郎選手(4年)、主将・越陽汰選手(3年)の復活次第でしょうか」

 ただ、近年は各校のレベルが拮抗している。他にもシード権争いに加わりそうな大学がたくさありそうだ。

「国士舘大は山本雷我選手(4年)が『激坂最速王決定戦 登りの部』で優勝。前々回が5区13位、前回が5区11位。今回は5区で上げてくると思います。また、山梨学院大の弓削征慶選手(2年)は同大会で山本選手と8秒差の2位に入りました。両校はケニア人留学生もいますし、シード権争いに加わるかもしれません。

 個人的には、陸上競技部のプロモーションビデオに出演させていただいた縁のある立教大に期待しています。今回は環境の変化もあったと思いますが、前回(18位)より大幅アップしてくれることでしょう」

 2024年の箱根駅伝は100回目のメモリアル大会。過去最多タイの23校が出場する華やかなレースになるが、西村さんは運命のめぐり合わせを感じているという。

「1年時から活躍している三浦龍司選手、吉居大和選手、石原翔太郎選手といったスター揃いの学年の最終ステージで第100回大会を迎えることが、彼らの持っている大きな運だなと思います。有力選手たちの学生駅伝"ラストラン"が本当に楽しみです!」

【プロフィール】
西村菜那子(にしむら・ななこ)

1997年8月11生まれ。長野県出身。2015年にNGT48第1期生オーディションに合格。両親の影響で箱根駅伝を見るようになり、現在は大学駅伝だけでなく、あらゆる駅伝大会に精通している。2022年9月にNGT48を卒業し、舞台など活動の幅を広げている。

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