文化、食、自然の魅力あふれる飛越エリアに行こう 【2】食事編

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2024年01月09日 12:50  OVO [オーヴォ]

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文化、食、自然の魅力あふれる飛越エリアに行こう 【2】食事編

 岐阜県飛騨地域と富山県南部地域は、古くから経済的、文化的にさまざまな結びつきがあり、飛越と呼ばれている。庄川峡や西穂高岳などの豊かな自然に恵まれ、多くの体験ができる上、山の幸と海の幸、両方を堪能できる。馬場家や森家、飛騨の古い町並みなどの伝統的な家屋や、井波彫刻といった歴史的な遺産も数多く存在する、自然・食・文化の宝庫だ。

 今回は飛越エリアの食を紹介する。

富山湾の新鮮な魚介類を堪能

 富山駅から徒歩5分ほどの場所にある美喜(みき)鮨は、創業73年の老舗。北アルプスの山々のミネラルが海に注ぎ、プランクトンが豊富な富山湾で育った魚介類の、新鮮なすしを味わえる。

 ネタにする魚は、昆布締めにしたり水分を抜いたりして提供している。昆布締めは、北前船が活躍した江戸時代から明治時代にかけて発祥した歴史ある食べ方。水分を抜いた魚は味が濃縮され、身も引き締まり食感が変化する。

 握りじょうゆには、みりんと酒を混ぜて調節した濃口ベースのしょうゆを使用し、シャリには地元産のコシヒカリとてんたかくを混ぜているそうだ。店主の横嶋幹雄さんは「コシヒカリだけでは粘り気が強すぎてしまい、てんたかくだけではうまみが少ない。合わせて使うことで、口の中でほどける食感を出しています」とこだわりを話した。

 魚は日によって変わるが、なかなか取れないクエがお目見えすることもある。富山の日本酒とあわせて楽しんでみては?

蔵元経営の酒屋で100種類以上の酒を味わう

 富山市北部の岩瀬エリアにある酒屋、沙石(させき)。地元で人気の高い地酒「満寿泉」の蔵元である枡田酒造店が経営しており、店内では100種類以上の酒を販売している。

 金沢酵母という酸味の少ない酵母やワイン酵母を使用しているのが特徴で、定番の日本酒以外にも、オークたる熟成という、酒をたるで香りづけする製法で作ったワインなど、さまざまな酵母を使用した酒が店内に並んでいる。店長の品川里美さんは「酵母の違いで味の違いを表現しています」と話した。

 品川さんのおすすめは、富山の米を100%使った沙石にしか置いていない「TOYAMA JAPANボトル」。フランス製のこだわりのボトルのかわいらしさも人気の理由の一つ。飲み終わったボトルをインテリアとして活用する人もいるそうだ。

 店では、しぼった酒をすぐにびんに詰めた「絞り」など、商品化されていないものも、利き酒で楽しめる。気になった酒は、土産として買う前に試飲(有料)をおすすめする。

2種類の源泉、エステも心地よい老舗宿

 富山県砺波市の庄川温泉郷にある鳥越の宿・三楽園。「心身ともにキレイになれる宿」として、全国に先駆けて1996年からエステを提供し始めた宿だ。温泉泥を使用したエステは日本で3カ所しか実施しておらず、その一つが三楽園という。また、美肌効果のある塩泉と、皮膚系の病気に適応がある赤茶色の鉄泉、二つの源泉を引いているため、異なった2種類の濁り湯が楽しめる。

 そしておいしい食事も魅力の一つ。宿から漁港まで30分ほどなので、毎朝新鮮な魚を日替わりで提供する。なるべく富山のものを使用しているとのことで、富山の代表的な魚のホタルイカや白エビが食卓に並ぶ。地魚をふんだんに使ったお造りは、塩や大根おろし、ミョウガなどの薬味とお好みで食べてほしい。

 三楽園の中陣敏正経営企画室長は「庄川温泉郷は四季折々楽しめる地域。特に冬は真っ白の山々が見られてとてもきれいです」と庄川エリアの魅力を教えてくれた。

飛騨牛の“味力”に酔いしれる

 飛越エリアを訪れたら外せないのが飛騨牛だ。厳しい条件をクリアし、飛騨牛銘柄推進協議会事務局が認定した牛だけが「飛騨牛」ブランドとなる。網目のような霜降りと芳醇(ほうじゅん)な味わいが特長で、肉質はきめ細やかでやわらかく、口の中であっという間にとろけてしまう。そのおいしさは“味(魅)力”的であり人気が高く、海外からも飛騨牛を目当てにこの地域を訪れる人がいるほど。

 また、通常メニューにはない限定飛騨牛ランチメニューを楽しむ方法もある。「飛騨牛ランチクーポン」は、参画する飛騨エリアの7店舗の飛騨牛オリジナルメニューをそれぞれ3300円(税込み)で堪能できるお得なクーポン。事前に店舗へ電話で予約し、専用サイトからクーポンを購入して利用する。

 岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷エリアにある「お食事処あんきや」で飛騨牛ランチクーポンを使うと、自分で焼き加減を調整して蒸し焼きにして食べる飛騨牛をはじめ、山菜の盛り合わせや、小さいジャガイモを甘辛く煮詰めた岐阜名物の「ころいも」、飛騨地方の方言で漬物という意味の郷土料理「煮たくもじ(野沢菜)」など、豪華な御膳が食べられる。飛騨牛にあわせるたれは自家製で、タマネギやリンゴを使用したさっぱりした野菜ベース。濃厚な飛騨牛とマッチする。

 2017年から始まったランチクーポンは、加盟店舗のオリジナルのメニューを楽しめることもあり大変好評とのことなので、このエリアを訪れたらぜひ味わってほしい。

 海の幸、山の幸に恵まれた飛越エリアはおいしいものであふれている。今回紹介したものはほんの一部だが、おなかと相談しながら食事を楽しんでほしい。

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