【2024年F1全チーム展望:アルピーヌ】主要スタッフ刷新のなか生まれたA524。「大胆なアプローチ」で再興なるか

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2024年02月09日 11:01  AUTOSPORT web

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BWTアルピーヌF1チームの2024年型マシン『A524』のカラーリング
 2024年F1シーズンに向けて、各チームが新車発表会を行う時期を迎えた。プレシーズンテスト前のため、ニューマシンのカラーリング披露にとどまる場合もあるが、発表会において明かされる事実、首脳陣のビジョンなどから、見えてくるものは多い。この連載では、各チームの2024年発表会で披露されたニューマシンとチーム体制についてまとめる。今回はアルピーヌとその新車『A524』を特集する。

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 1年前の新車発表会がイギリスの首都ロンドンで、元サッカー選手のジネディーヌ・ジダンらを招いて華やかに行われたのに対して、今年のアルピーヌの新車発表会はチームのファクトリーがあるオックスフォード郊外のエンストンで開催された。

 会場だけでなく、登壇者も昨年とは異なった。昨年はルノーCEOのルカ・デメオがフランスから駆けつけ、アルピーヌのCEOを務めるローラン・ロッシが壇上に並んだ。さらにチーム代表だったオットマー・サフナウアーも2人のドライバーとともに登壇していた。

 しかし、ロッシは昨年の7月20日にCEOの職を解任され、チームを去った。さらに、その1週間後にはサフナウアーも代表の座を追われた。そのサフナウアーに代わって、今年の発表会でアルピーヌのチーム代表として登壇したのが、昨年後半、暫定チーム代表として指揮を執っていたブルーノ・ファミンだった。

 そのファミンとともに発表会に出席し、新車を技術的に解説したのが、テクニカルディレクターのマット・ハーマンだった。ハーマンは昨年も新車の解説を行なっており、昨年、新車発表会にホスト役として出席したなかでただひとり2年連続で登壇した人物となった。

 アルピーヌは昨年の夏に、チーフテクニカルオフィサーのパット・フライも離脱。アルピーヌの技術的な未来はハーマンの手にかかっている。

 そのハーマンが手がけたA524の開発は、2022年の後半にスタートが切られていた。その時点で2023年のA523は製造段階に入っていたが、ハーマンは、「A523はわれわれが望んでいたようなものではなかった」との理由から、A524では「非常に大胆なアプローチを取ることにして、開発が進められた」と言う。

 昨年、チームの主要スタッフが相次いで離脱したアルピーヌ。その穴を埋めるような大物スタッフが加入していないことから、A524のパフォーマンスが不安視されるのは当然だろう。

 しかし、F1では大物スタッフがそろっているチームよりも、必要最小限のスタッフだけのほうが、開発の方向性を変えるときには機動性が発揮され、有利なこともある。

 つまり、A524のパフォーマンスがどうなるのかという評価は、昨年の夏にファミンが行った組織改革が正しかったのかどうかに直結する重要な指標となる。

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