大富豪が「お金にも人格がある」と考える納得の理由

進学するにも、転職するにも、結婚や出産にも、そして旅行などのレジャーにもお金がかかる。生きることとはお金との戦いだ。
「お金さえあれば…」
こんな苦い思いで、お金が足りないために何かを諦めなければいけなかった経験は誰しもが持っている。お金持ちになりたいと誰もが思うが、それは会社に勤めているだけでは到底叶わない。

◾️大富豪が「お金にも人格がある」と考えるワケ

誰もがお金持ちになれるとは限らない。しかし、それでもお金に不自由しない人生、お金で何かを諦めなくていい人生を送りたいのなら、お金持ちの言葉に耳を傾けてみよう。

お金にも人格（person）がある。
（中略）
人といっしょにいるのが好きで、群がってくるお金もあるし、一生を隠れたままで過ごすお金もある。お金たちのたまり場もあるし、流行にのって集まったり散ったりもする。大事にしてくれる人にはついていき、いい加減な人には手痛いしっぺ返しをしたりもする。（『お金は君を見ている　最高峰のお金持ちが語る７５の小さな秘密』より）

『お金は君を見ている　最高峰のお金持ちが語る７５の小さな秘密』（キム・スンホ著、吉川南訳、サンマーク出版刊）の著者、キム・スンホ氏は韓国人として初めて、アメリカでグローバル外食企業を成功させた人物。そのキム氏のお金観は「お金にも人格がある」というものだ。

これだけ聞くと少し奇妙な見解に思えるかもしれない。しかし、これはお金持ちになる人のメンタリティを端的に表しているとも言える。

お金は大事にしすぎて家に閉じ込めていると、隙を見て逃げ出そうとする。大事にしてくれない人に対しては、お金持ちになるための協力もしない。お酒やギャンブルに使われたお金は、主人に背を向ける…。

お金を大事に思っていないと、使い方もお金を払うかどうかの判断も雑になる。結果的に、お金はよりついてこない。お金を無機質な価値交換の記号だと思わずに、お金のことをよく考え、お金持ちになるための相棒だと思って大切にする。こんな人のところにお金は集まってくるのだ。

◾️早くお金持ちになる唯一の方法は、早くお金持ちになろうとしないこと

早くお金持ちになりたいと思うと、手っ取り早くお金を増やすために、リスクの大きい金融商品に投資したり、深く考えることなく感情のままに投資先を決めてしまったりする。

もちろん、こうした行動によってお金が増えるスピードが速くなることはない。それどころか、ほとんどの場合は判断ミスによって失敗してしまう、とキム氏は述べる。たまたま運よく成功しても、考えなしの投資が成功し続けることはない。

早くお金持ちになる唯一の方法は、早くお金持ちになろうとしないこと。曰く「20代や30代で富を築いたとしても、それを生涯守り切れる人は数えるほどしかいない」。お金持ちになるには、ふさわしい年齢があるのだ。

キム氏によると、お金持ちになるのにちょうどいい年齢は50歳過ぎ。その年齢になって初めて、投資で利益を追う気持ちと、手持ちの資産を守るスキルのバランスが取れてくるのだという。富を築くのを焦ることはない。若いうちは懸命に働き、貯め、その資金を守るスキルを身につけることに費やすのが、結果的にお金持ちになる最短の道ということなのだろう。

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本書はお金持ちになりたい人への、アドバイスやエール、そして警鐘に満ちている。凡百の「お金本」にはない厚みと含蓄に富んだ一冊。

いつかはお金持ちに、という夢を実現するためには長い時間がかかる。本書はその長い時を伴走してくれる一冊となるだろう。

（新刊JP編集部）