アストンマーティンの新型「ヴァンテージ」は何がスゴイのか

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2024年02月20日 11:41  マイナビニュース

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アストンマーティンが新型「ヴァンテージ」を日本でお披露目した。今回は大規模なマイナーチェンジでありながら、馬力(最高出力)は驚異の155PSアップを果たしている。どうやってパワーアップを実現したのか。新型ヴァンテージの何がスゴイのか。実車を確認してきた。


「真のドライバー」のために作りました



新型ヴァンテージはワールドプレミアからたったの1日後に日本に登場。改良型は前モデルに比べ、155PSもの出力アップを果たしていた。しかも、現代のクルマでは当たり前ともいえる「電気のパワー」(ハイブリッドシステムなど)を使わずにだ。どんなクルマに仕上がっているのだろうか。



発表会に登壇したアストンマーティンジャパン プレジデントのグレゴリー・アダムス氏は、「皆様の前にあるクルマは、限界の限界まで走りを楽しみたい『真のドライバー』のために設計したスポーツカーです」と挨拶。「数時間前、英国のシルバーストーンで、F1カーのAMR24とGT3レーシングカーとともに発表したばかりです」とし、日本市場の重要性を強調した。


最高出力665PSを発揮!



ユニオンジャックのカバーの下から現れた改良型ヴァンテージは、同社のアイコニックカラーである「スターリンググリーン」ではなく、新鮮で珍しいレッドに塗られていた。アストンの伝統に則ったロングノーズ・ショートデッキの迫力あるボディはコンパクトかつワイド(全幅は先代比30mm拡張)。長いボンネットのミッド寄りに、新しくなった4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンが収まる。


動力性能は最高出力665PS(489kW)/6,000rpm、最大トルク800Nm/2,750〜6,000rpmと圧倒的。前モデルに比べると、なんと155PS、115Nmも数値が増えている。向上率はそれぞれ30%と15%だ。昨今のモデルによくみられるモーターアシストでなく、純粋なチューニングによるものというから驚くばかりである。



開発チームはタービンの大径化やエンジンカムプロファイルの変更、圧縮比の最適化などを行うことで高出力化を達成したのだが、一方で気になるのは発生する熱負荷の増大だ。このため冷却システムも完全新設計とし、インタークーラーの冷却水回路に低温ラジエーターを追加したり、中央のメインラジエーターに補助クーラー2機を追加したり、表面積を2倍に拡大した補助外部オイルクーラーを取り付けたりして対処したようだ。


インテリアはスポーティーかつラグジュアリーで、デジタルとアナログを上手に融合させたイメージ。5つに増えたドライブモードの変更や空調の調節など、よく使う機能にはダイヤルやボタンなどの物理スイッチを用意する。一方、10.25インチのタッチスクリーンには進化したコネクテッド機能を搭載。「what3words」が使えたり、Bowers&Wilkinsのオーディオで極上のサウンド空間が楽しめたりと便利に使える。


すごい“サウンド”が楽しめる!



増大したパワーを受け止めるのは、ミシュランがヴァンテージ専用に開発した「AML」コード付きの「パイロットスポーツS5 AML」タイヤ。21インチの鍛造アロイホイールの中には前410mm、後360mm径のカーボンセラミックディスク(オプション)を装着。それぞれ6ピストン、4ピストンのレッドキャリパーも備え付けられていて、それがホイールアーチに隙間なく完璧に収まっている様子は見事というしかない。ちなみに、ウインタータイヤも専用のものが用意されているというから、さすがである。


ローンチコントロールやESP(エレクトリック・スタビリティ・プログラム)、ATC(アジャスタブル・ドラクションコントロール)、E-Diff(エレクトリック・リア・ディファレンシャル)など、タイヤのスリップやトラクションをコントロールする機能はフル装備状態。足回りには最先端のサスペンションを搭載している。



アルミニウム構造で乾燥重量1,680kgのボディは前後重量比50:50を達成。2トンを超えるボディを大パワーの電池とモーターで動かすスポーツEVとは一味異なる、機敏でシャープなハンドリングを見せてくれるはずだ。8速のZF製オートマを介したその性能は、0-100km/h加速3.5秒、最高速度325km/hを実現している。


発表会を終えたグレゴリー氏に話を聞くと、「発表前に100人ほどのお客様に見てもらいましたが、いずれも大好評でした。ここでは試すことができませんが、走るとすごいサウンドが聞こえてくるんですよ」と純エンジン車の魅力をアピール。やっぱり、こういうクルマを求める人はまだまだたくさんいるのだなと思わされたし、既存のスタイルをピュアに突き詰めたクルマを開発し続ける英国ゲイドンの開発陣には頭が下がる思いだ。



この性能で2,690万円というのは、ちょっとしたバーゲンプライスかも。2024年の第2四半期にはデリバリーが始まるという。


原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら(原アキラ)

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