フェラーリ、WEC開幕戦での競争力不足に苛立ち「パフォーマンスの差があまりに大きい」

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2024年03月05日 13:30  AUTOSPORT web

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83号車フェラーリ499P(AFコルセ/左)と6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/右) 2024年WEC第1戦カタール1812km
 2023年のル・マン王者であるフェラーリは、3月2日(土)にカタールで開催されたWEC世界耐久選手権の2024年シーズン開幕戦において、『フェラーリ499P』がLMDhカーを走らせるライバルに対してパフォーマンスを発揮できず、ベストフィニッシュが5位となったことに「非常にイライラ」している。

 ルサイル・インターナショナル・サーキットでポルシェ963が総合トップ3を独占した『カタール1812km』の決勝レース直後、フェラーリの耐久レース責任者であるフェルディナンド・カンニッツォがそう語った。

 フェラーリ勢ではAFコルセが運営する計3台の499Pのうち、ロバート・クビサ、イーフェイ・イェ、ロバート・シュワルツマンの3名がシェアした“黄色いフェラーリ”こと83号車が、優勝したポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ6号車から1周遅れの総合5位でフィニッシュした。

 2台のファクトリーカーは、ともにレース序盤に後れを取ったあと上位に復帰することができず、それぞれ総合7位と12位に終わった。50号車はスタートでトップに浮上したがピットイン時のホワイトラインカットによるドライブスルーペナルティで後退。また、姉妹車の51号車はユナイテッド・オートスポーツのマクラーレン720S GT3エボとの接触で、ウイングごとリヤのボディカウルを失った。

 ミゲル・モリーナ駆る50号車はレース開始から約15分間、ハイパーカークラスの隊列リードしていたが、ペナルティを受ける以前から499Pがポルシェ963やプジョー9X8にペースの面で劣っていたのは明らかだった。

「残念ながらレースの結果は我々の予測を裏切るものだった」とレース後、カンニッツォは記者団に対して語った。

「我々も苦戦するだろうとは予想していた」

「最適化するためにあらゆることを試した。段階を踏み、タイヤを劣化させることなくダブルスティントやトリプルスティントが可能になるセットアップを見つけることができたので、その点では満足できると思う。(レース中に)コンパウンドを変える決断はすべて完璧だった」

「その面では非常に満足している。一方でパフォーマンスの差はあまりに大きく、その差を埋め合わせるような戦略はとれなかった。そのため、私たちにとってはフラストレーションが貯まる展開となった」

「我々は信頼性の問題なしに3台のマシンを持ち帰ることができたが、結果は完璧ではなく確実にもっとうまくできたはずだ」

「しかし、パフォーマンスという点ではそうではない」

■「LMDhと同じポテンシャルを」昨季と発信サイドが逆転

 Sportscar365から、トップ5フィニッシュとLMH(ル・マン・ハイパーカー規定車)の最高位という結果に満足感はあるかと尋ねられたカンニッツォは次のように答えている。

「そうでもないよ。このとても苦い日に、甘い言葉はかけたくない」

「後れを取っているときは何かを生み出そうとするものだ。例えば、何かが起こったときのために準備をしようとする。しかし、今回はセーフティカーなどギャップをリセットするようなことが何もなかった。この場合、結果は増幅される」

「私たちはLMHカーとここにいることを嬉しく思っている。しかし、もうひとつのプラットフォーム(LMDh)と競争する限り、同じポテンシャルを持ちたいと考えている」

 同氏は、フェラーリが4月19〜21日に地元で開催される第2戦に向け、イモラでのレースとの間にテストを計画していることを認めた。

 BoP(バランス・オブ・パフォーマンス=性能調整)について直接言及することは避けながらも、彼はルサイルでの結果は2024年の改訂されたBoPシステムの下で状況を再評価する際、ルールメーカーに充分な考えを与えることになるだろうと示唆した。

「イモラはカタールと同じくコース幅が狭く、オーバーテイクのチャンスはそれほど大きくない」と語ったカンニッツォ。

「いずれにしても難しいと思う。コーナーでアグレッシブになる必要があるため、重量が影響を与えるもうひとつのトラックと言えるだろう。攻めなければ、タイムを大きくロスしてしまうからね」

「イモラでは条件が変更され、我々がポテンシャルを発揮できること、より多くの可能性を持てることを期待している」

「このレース(開幕戦カタール)は、運営組織が何をすべきかについて多くの考えを与えることができると思う」

「今日の結果は良くなかったが、だからこそ悲鳴を上げなければならない。私たちは自分たちの仕事に集中し、ミスを犯さず、クルマを改善し続け、フェアなレースができることを願っている」

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