ダンシーあずさ「キレ食い」時期も乗り越えビキニ階級で5連覇 「過酷なことはしてません」週5時間のみのトレーニングの秘密

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2024年03月08日 10:41  webスポルティーバ

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ビキニフィットネス・ダンシーあずさ インタビュー前編(全3回)

国内最高峰のボディコンテスト「オールジャパン フィットネス チャンピオンシップス」(JBBF主催)のビキニフィットネス163センチ以下級で5連覇中のダンシーあずささん。彼女の強さと美しさの裏側とは? 自身が経営するパーソナルトレーニングジムを訪ね、直撃インタビューを行なった。

* * *

【週5時間の筋トレで女王に?!】

ーー「オールジャパン」階級5連覇達成、おめでとうございます。単刀直入にお聞きしますが、なぜそんなに強いのでしょうか?

ダンシーあずさ(以下同) 理由は自分でもわからないですね(笑)。ただ、ビキニフィットネスという競技が好きという気持ちはずっと持ってます。トレーニングも、大会の衣装選びも、ヘアメイクしてステージで自分の体を見せるのも、全部好き。だから続けてこられたんだと思います。

ーーとはいえ、これだけの結果を残すために、過酷なトレーニングをしているのでは......?

 私は、3歳から8歳までクラシックバレエ、中学では新体操、高校ではチアリーディングをやっていました。ビキニフィットネスは筋肉を見せながら女性らしいエレガントなポージングが必要なので、そんな経験が役に立っているかもしれせん。

 ただ、トレーニングでいえば、過酷なことはしてませんよ。基本的に1日1時間。週2日は休養日にしてます。長くやればいいってものじゃないし、犬を2匹飼ってるので、早く家に帰りたいんです(笑)。

ーー週5時間でこの体......!? 信じられません。

 自分で言うのもなんですが、トレーニングはうまいと思います。すべての種目、すべてのセットでしっかりと筋肉のストレッチをかけられていると思います。バレエや新体操、チアで培った柔軟性のおかげかもしれません。

ーー筋トレの効率がいいということなんですね。

 トレーニングの1時間にめちゃくちゃ集中しているので、無駄なセットはひとつもないと自負してます。1日1時間半〜2時間、週6日でやっていた時期もありましたが、それだと集中力が続きづらいし、疲労も抜けきらなかった。私的には今のスタイルが合っていると思います。

【シーズン前に大好きなマヨネーズを断つ】

ーーその他に、トレーニング哲学はありますか?

 とにかくフォームを美しく、です。雑なフォームで雑なトレーニングをしてると、筋肉があっても雑な体になってしまう。たとえば、ベンチプレスだったら反動や勢いを使うと、重量は上がるけど、負荷が筋肉ではなく関節にかかってしまう。そうすると、本来、筋肉が太くて関節は締まるはずなのに、関節も太くなる。そういう体は美しくは見えないです。

 だから自分的には高い重量を上げられなくても、きれいなフォームで丁寧に行なう。それはすべての種目で一貫して守ってます。

ーー食事面はいかがですか?

 オフシーズンは約3時間おきに1日6食ほどとるようにしていて、基本的には鶏むね肉100〜150グラムとトマトとレタス。朝はオートミールとプロテインに玄米。トレーニング後はプロテインとバナナなどで炭水化物を入れます。

 プラス、脂質をとらないと女性は生理に影響があるので、アーモンドやナッツも食べます。あとは、ゆで卵を1日1、2個、たまに魚や牛の赤身、もものしゃぶしゃぶを食べたり。

 シーズン中もメニュー自体は同じで、量が減るくらいですね。猫のエサってくらい少量の時もありますし......。

ーーブロッコリーやアスパラガスがトレーニングにいいとは聞きますが、トマトやレタスもいいんですか?

 むね肉だけじゃ悲しくなるから、彩りというか気休め(笑)。ちなみに、ブロッコリーに含まれる栄養素はサプリを活用して摂取しています。

ーーオフシーズンはフィットネス競技者でも好きなものを食べる方が多いと思いますが、いかがですか?

 めちゃくちゃ食べますよ。ふだんは頑張りますけど、外食する時は気にしません。ぼんじりも食べるし、食べ放題もいく。オンとオフのメリハリが大事ですから。

 私の一番好きな食べ物がマヨネーズ。シーズン最後の大会が終わるとファンの方がたくさんくれるので、オフシーズンはむね肉に小さじ1杯のマヨネーズを添えて精神の安定をはかってます。そして、大会4カ月前にマヨネーズを断つところから減量がスタートです(笑)。今は絶賛マヨネーズ消費中ですね。

 減量中だって週1回は好きなものを食べるようにしてますよ。毎食、グラムを測って食べていると疲れちゃいますからね。トレーニングを始める前は飲み食いがすごく好きだったので。

【"キレ食い"してしまった経験も】

ーー今でこそある程度慣れていると思いますが、トレーニング開始当初はつらかった?

 最初の頃は、よく"キレ食い"をしてましたね。我慢の限界を超えると、いつの間にか家にあるものを食べていたり、無心でコンビニで買ってきたものを食べて全部吐いたり。あれは病気ですね......。

ーー今ではキレ食いはしない?

 小さじ1杯のマヨネーズが気づいたら大さじ1杯になってることが......(笑)。マヨネーズが本当に大好き。あとタルタルソースも。最近、いぶりがっこタルタルソースっていうのが流行ってるんですけど、あれは私には"麻薬"です。

ーー(笑)。トレーニングがオフの日は何をしていますか?

 寝てます。競技に関しては、みなさんが思っているほどストイックではないかもしれませんね。だって、ビキニフィットネスだけが自分のアイデンティティになるのが嫌ですし、競技のイメージを変えたいというか......。

ーーイメージを変える?

 実際、多くの選手はトレーニング以外にもストレッチ教室や整体に行ったりと多くの時間とお金を使っていて、一般の人ではなかなかコンテストで勝てない競技というイメージを持たれてしまっている。

 でも、私自身のトレーニングは、普通のジムの会員になって毎日通って継続してるだけ。それでも好成績を目指せることは私だから伝えられるのかなと思ってます。本当に気軽にできるんです。まあ、衣装代は1着5〜6万円と、高いですけどね(笑)。

ーー中編では、ビキニフィットネスとの出会いをお伺いします。

中編<「こいつ、やばい」ビーチでポテチ、朝までクラブで飲酒...ぽっちゃり留学生だったダンシーあずさはなぜトレーニングに目覚めたのか>を読む

後編<ダンシーあずさ、離婚→心身の不調→4年連続2位で涙「ステージ上の自分が楽しそうじゃなかった」>を読む

【プロフィール】
ダンシーあずさ 
1990年、東京都生まれ。大学卒業後、社会人生活を経て25歳のスペイン留学中にホストマザーの影響でトレーニングを始める。「オールジャパン フィットネス チャンピオンシップス」(JBBF主催)・ビキニフィットネス163センチ以下級で5年連続優勝、階級無差別の「JBBFフィットネス・グランド・チャンピオンシップス」(同)のビキニフィットネスでは4年連続2位。2022年のIFBB世界フィットネス選手権のビキニフィットネス160センチ以下級では3位に入った。

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