『アナと雪の女王』日本公開10周年! 意外と知らない事実を今こそ考察――実はエルサは悪役の予定だった!?

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2024年03月14日 09:11  クランクイン!

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『アナと雪の女王』場面写真  写真提供:AFLO
 本日からちょうど10年前の2014年3月14日、ディズニーアニメ『アナと雪の女王』が日本で公開された。ヒロインのエルサ・アナ姉妹の人気はこの10年間衰えることを知らず、公開当時まだ生まれていなかったであろう子どもたちがコスプレをして、今日も世界中のディズニーランドを駆け回っている。そして今年6月、東京ディズニーシーには『アナ雪』をテーマにしたゾーンのある新エリア「ファンタジースプリングス」が誕生する。さらに、3作目となる映画の公開も発表された。そんな、10年経っても大人気な『アナ雪』には、あまり知られていない事実があることをご存じだろうか? 今回は、『アナ雪』意外なトリビアを紹介していきたい。

【写真】10年経ってもこいつだけは許せない 『アナ雪』ヴィランのハンス王子、登場カット

■“ディズニー初”づくしだった『アナ雪』

 童話をモチーフとし、プリンセスや王子が登場し、映画公開後も歌い継がれる名曲がそろう、一見“ザ・ディズニー”な『アナ雪』。しかし本作は、ディズニー初となる試みがこれでもかとちりばめられているのだ。

 そもそも、エルサとアナはディズニーアニメ初の「ダブル・ヒロイン」。それまでのディズニーヒロインというと、周りには意地悪な親類しかいなかったり、ちょっと変わり者扱いされていたり、どこかに閉じ込められていたり、動物しか話し相手がいなかったりと、とにかく心を許せる同世代の人間が周りにいなかった。しかし、エルサとアナは違う。エルサが持っていた魔法の力のおかげでしばらく顔を合わせることはなかったものの、2人は心でつながる姉妹。物語としても、恋よりも家族の愛や絆に重きを置かれていた印象だ。これも、それまでのヒロインたちとは違うポイントといえる。

 そんな姉妹を生み出したのは、クリス・バックとジェニファー・リーという2人の監督。リーは“ディズニー初”となる女性監督だ。ちなみに、彼女の娘であるアガサ・リー・モンはアナの幼少期役を演じており、「Do You Want to Build a Snowman?(雪だるまつくろう)」でかわいらしい歌声も披露している。

 “ディズニー初”がそろっていた『アナ雪』は、ディズニー・アニメーション・スタジオ製作長編アニメ史上“初”のアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞。さらに、エルサ(イディナ・メンゼル)が歌う「Let it Go(ありのままで)」が歌曲賞も受賞している。さまざまな“初”の試みで生まれた『アナ雪』は、ディズニー100年の歴史の中で大きな功績を残した結果となった。

■プリンセスじゃないし結婚もしない ちょっと異質なヒロイン“エルサ”の秘密

 “ディズニープリンセス”というと、たとえその作品を見たことがなくても何人かのヒロインの顔が思い浮かぶのではないだろうか。2024年3月現在、ディズニープリンセスと公式で定義されているのは、白雪姫、シンデレラ、オーロラ姫(『眠れる森の美女』)、アリエル(『リトルマーメイド』)、ベル(『美女と野獣』)、ジャスミン(『アラジン』)、ラプンツェル(『塔の上のラプンツェル』)、モアナ(『モアナと伝説の海』)、ポカホンタス、ムーラン、ティアナ(『プリンセスと魔法のキス』)、メリダ(『メリダとおそろしの森』)、ラーヤ(『ラーヤと龍の王国』)。実は意外にも、アナとエルサは“ディズニープリンセス”の仲間には入っていない。

 アナとエルサもアレンデール王国の王女として登場したので“プリンセス”であることは間違いないが、なぜなのか。そこで考えられるのは、「アナとエルサがすごすぎた」という理由。アナとエルサの人気がすごく「ディズニープリンセス」の枠に入れずとも利益をたたき出せるキャラクターであるため、わざわざ入れていないのでは? という説だ。ちょっと夢がないが。

 中でもディズニーヒロインとして特に異質なのは、姉であるエルサだろう。ディズニーのヒロインというと、一人っ子か、もしくはシンデレラやアリエルのような妹キャラなイメージがあるが、エルサはめちゃくちゃ長女。人に頼るのが下手で、1人で抱えこんで爆発してしまう…長女である筆者もその“長女ムーブ”には奥歯を嚙み締めたのを覚えている。

 そんなエルサはもともと“悪役”となる予定だったという。プロデューサーのピーター・デル・ヴェッチョは、インタビューで「エルサは自ら“雪の女王”を名乗っていて、純粋な悪役だった。アンデルセン童話でのようにね。だから最初は、女性の悪役と純真なヒロインという設定で、悪役のエルサが自らの軍隊として雪のモンスターたちをつくり出し、壮大なバトルが繰り広げられるというエンディングだったんだ」(※1)と語っている。しかし、悪役・エルサの心境に納得できず、「愛を象徴するアナと、恐れを象徴するエルサというキャラクターたちが生まれた」と明かし、『アナ雪』が善vs悪ではなく愛vs恐怖、という構図のストーリーになったというのだ。そんな背景があるからこそ、エルサにはほかのディズニーヒロインとはどこか違うものを感じるのだろう。

■ほかにも隠された秘密が…3作目の映画にも期待

 『アナ雪』には、「隠れミッキー」ならぬ「隠れディズニーキャラ」がたくさん隠されている。公開から10年が経ち、もうストーリーも曲もすっかり頭に入っているという人は、ちょっと視点を変えてみてはいかがだろうか。きっとアレンデールが今まで以上にきらめいて見えてくるだろう。そして、今年6月には日本でも東京ディズニーシーで『アナ雪』の世界を体験できるようになり、2026年には3作目となるアナとエルサの新たな映画もお目見えする。まだまだ『アナ雪』の魔法はこれからも解けることがなさそうだが、10周年を機にもう一度、はじまりの物語『アナと雪の女王』を楽しんでみてほしい。(文:小島萌寧)

※1 『アナ雪』全く別のストーリーだった!エルサとアナは姉妹ですらなかった… シネマトゥデイ

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  • レリゴー「原詩と訳詩の解釈の差」とかは言わないよな、浅いよね。
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