その日父から告げられたニュースは、私にとってあまりにも寝耳に水な話でした。
「お父さんの家の近くにあるアパートに引っ越すつもりです。細かいことが決まり次第また連絡するね」
今後リカたちが近くに引っ越してくるということは、今まで以上にソノミちゃんを預かる機会が増えるということでしょうか。私の負担も大きくなってしまうので、事前に相談してほしいです。
ソノミちゃんを預かるなら、こちらにも都合というものがあります。当然のようにアテにされても困るのです。
ソノミちゃんがわが家に来たため、引っ越しについてそれとなく聞いてみることにしました。
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マユは「近くに引っ越すの? 今よりもっと遊べるね!」と嬉しそうにしています。ソノミちゃんのはっきりしない様子に、それ以上聞くのはやめました。やはりリカの返事を待つ必要がありそうです。
引っ越しの話はどこまで進んでいるのでしょうか。私だって当事者であるはずなのに、相談もなしに計画を進められているようでいい気持ちはしません。
のほほんとする父に、私は余計にヤキモキしてしまいました。
突然わかったリカの引っ越しの話に、私はヤキモキが止まりません。こちらが気にかけて連絡をしているのに、「決まったら教える」のひと言だなんて……。もちろんリカやソノミちゃんを純粋に心配する気持ちもあります。しかし一方で「ソノミちゃんをわが家に預ける予定のくせに、事前に何も相談しないなんてひどい」とイライラもしてしまうのです。このままソノミちゃんを預かるのが当たり前になる前に、姉として妹の振る舞いに対して「相談してほしい」と指摘するべきなのでしょうか。
【第3話】へ続く。
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