ウエラン井口、とろサーモン久保田、霜降り粗品『M-1』王者たちの『THE SECOND』評

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2024年05月22日 19:01  日刊サイゾー

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「中堅に殺されるぞ……」

 とろサーモン・久保田かずのぶも、あきれ返るしかなかった。

 21日深夜、久保田とウエストランド・井口浩之の毒舌『M-1』王者コンビがMCを務める『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日系)は、先日放送された『THE SECOND』(フジテレビ系)の話題から始まった。

『THE SECOND』は、結成16年以上の漫才師によるトーナメント。今年は結成19年目のガクテンソクが悲願の優勝を果たしている。

 お笑い界隈では大きな盛り上がりを見せている『THE SECOND』について、「うらやましさとかあります?」と井口に尋ねられた久保田は「うらやましいとはならない。僕の中で『M-1』が一番だと思ってるから」と、各方面に最大限配慮しながら答える。

 すると井口は待ってましたとばかりに持論を展開。

「それは言っていきましょう。『M-1』の15年でダメだったというのは言わないと!」

「みんな盛り上がって熱くなるけど、待て待て待てと。15年で決めようぜというところで勝てなかった人たちだから、それを思い出さないと!」

 そんなことはわかっているけど、声を大にして言わなくてもいいし、いちいち思い出さなくてもいいものだ。『THE SECOND』は、それはそれとして楽しめばいい。ファンの気持ちとしてはそんなところだろうが、井口は言うのだ。井口が井口たるゆえんである。

 生き生きとしゃべり出した井口と、思わず顔を伏せる久保田。この番組ではたびたび見られる風景だが、あの久保田が善人に見えてくるのだから井口というのは貴重な存在である。

 もうひとり、『THE SECOND』に辛辣な感想を述べていた『M-1』王者がいた。こちらも井口と双璧をなす「口に戸が立たない」芸人、霜降り明星の粗品である。

 昨年6月、自らのYouTubeチャンネル「粗品のロケ」で吉本興業東京本社を訪れた際、粗品は『THE SECOND』のポスターを目ざとく見つけると、同行スタッフに「見た? どうやった?」と感想を求めた。

「おもしろかったですよ」とスタッフが応えると、途端に怪訝な表情を浮かべながら「うーん、だって15年以内に成功してない人らのネタの大会やもんな。しゃあないかな、って感じちゃう? レベルは」「おもろい人もおったけど、微妙やなぁ」と一刀両断していた。

 受け取り方はさまざまだろうが、この3人が『M-1』を勝ち切る難しさを知っていることは間違いないし、それを言う権利のある数少ない芸人たちだ。これを言うことで、『M-1』の価値を守ろうという意図もあるだろう。

 特に井口は以前から「『M-1』チャンピオン史上初のネタに定評のない漫才師」を自称し、「こんな何もできないやつ(相方・河本太)を連れて『M-1』を獲った僕がいちばんすごいんだから」と吹聴してきた。

 横柄な粗品、遠慮がちな久保田、自分以外の芸人が人気者になっていくことに小さな体の全身を使って嫉妬を表現する井口。態度はそれぞれだが、『M-1』王者たち3者3様の『THE SECOND』評もまた、この大会を彩る要素といえそうだ。

(文=新越谷ノリヲ)

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