【木村和久連載】気をつけよう! 昭和生まれオヤジのお節介&老害ゴルフ

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2024年05月26日 07:30  webスポルティーバ

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木村和久の「新・お気楽ゴルフ」
連載◆第38回

 ゴルフは"オヤジの遊び"でしたが、最近は女性や若者の進出が著しく、オヤジ的な振る舞いがNGになることが多々あります。

 ゴルフ場がオヤジの天下だったのは、昔の話ですかね......。自戒を込めて、ラウンドにおけるオヤジのお節介と老害ぶりについて、綴ってみたいと思います。

(1)キレやすく、せっかち
 まずは何と言っても、歳をとると我慢が利かないというか、キレやすい性格になります。自分の思いどおりにいかないと、クラブを地面に叩きつけたり、怒鳴ったりしがち。どうやら自分に怒っているようですが、そういう人にはちょっと近寄りがたいですよね。

 そもそもゴルフは、自分の思いどおりには運ばないゲームです。そこで癇癪を起こしていたら、ゲームそのものが成立しません。

 そして、キレやすい人は総じてせっかち。だから、打ったらすぐにスタスタと先に歩いていってしまう。打つ順番なんかもお構いなし。特に今は準備が整った人から打てるルールになったので、クレームしづらいです。

 この間なんか、こっちがまだグリーンにも乗っていないのに、自分だけパターを打ち終えて、クラブを片付けている人がいました。いくら何でも早すぎでしょ。

 以前、そんなふうにキレやすい高齢者から、本音を聞いたことがあります。なかなか含蓄があることを語ってくれましたよ。

「怒ってはいけないとわかっているが、自分では歯止めが利かないんだ。気づいたら、勝手に怒鳴り散らしていた」とのこと。怒りの暴走機関車は、もはや無限列車になっていますね。

 そんなに生き急いでどうするんですか? 早死にしますよ――と心配するのは、余計なお世話です。そういう人に限って、長生きするのです。憎まれっ子世にはばかる、と言いますし。

(2)下半身事情
 年配の方は"出物腫れ物所構わず"ですから、トイレが近くなると我慢ができなくなります。たいてい昼休みにはビールなどを飲んでいるので、当たり前のように立ちションをします。

 もちろん、過去の自分も我慢しきれず、何度か立ちションをしたことがあります。けどこの前、友人が立ちションをしたときは、衝撃的でした。

 というのも、お茶屋が目の前にあるのに、立ちションをしていたからです。「なんで? トイレを使えばいいじゃん」と言ったら、「人が入っていたから」と答えるのです。

 え〜っ!? それだけの理由で立ちションをするの? 1〜2分待って、トイレで放尿できないんですかね。

 緊急性があるときは立ちションをしても構わないと思っていますが、昭和生まれのオジさんは、芝の上は全部トイレとばかりに、どこでも立ちションをしがち。これ、なんとかなりませんか?

 今やゴルフ場は、オヤジばかりではなく、若者や女性がたくさんいます。つまり、渋谷のセンター街くらいの、公共の場になったのです。センター街で真っ昼間に立ちションしますか?ってことです。

 ついでに言うなら、大きいほうも問題です。自分も過去に何回かコースの茂みに入って、やむなく大を放出したことがありますが、ここ十数年はしたことがないです。

 それは、便意をもよおさない工夫をしているからです。

 ラウンド中にトイレに行きたくなるのは、7時半ぐらいにコースのレストランで朝食を食べて、8時ちょっとすぎにはスタートするパターンでしょうか。そりゃ、食べてすぐに体を動かしたら、トイレに駆け込みたくなります。

 しかも、前日にお酒なんか飲んでいると、お腹をこわしている場合が多く、便意をもよおしたら、速攻で出たがります。これが、問題です。

 そこで、自分はラウンドスタイルを変えることにしたのです。スタート時間はだいたい10時前後。朝食はコースまでの移動中に済ますか、ゴルフ場で食べるにしても早めに来て食べます。さすれば、ラウンド前にトイレに行って、あとは楽しくプレーできるというもの。

 だから、8時前後のスタートはしんどいです。可能であれば、断ります。どうしても、という場合は、朝4時ぐらいには起きて、早めに朝食をとります。

 トイレが近い人、お腹が弱い人などは、そういった工夫をして乗りきりましょう。ラウンド中に便意をもよおすと、プレーに集中できず、ゴルフをぜんぜん楽しめませんからね。

(3)仕切りたがり
 余計なお世話だけど、オヤジにはやたら仕切りたがる人がいます。スタートの打順決めに始まって、記念撮影をしたり、常にナビをチェックして「前のカートがいなくなったよ、はいどうぞ」と指示したり、ね。

 そこまでは、ありがとうございます。

 でもそういう人は、さらにグリーン上でも"パット奉行"をやり始めます。微妙な距離が残っているのに、勝手にオーケーを出して、ボールまで拾い上げて渡して寄こすのです。実は、その微妙な距離を練習中で、ぜひ打ちたかったのに......。その様はまるで、いつしかのトランプ大統領と安倍晋三首相のゴルフみたいでした。

 その人は、よかれと思ってやっているのでしょうが、それは相手を見下しているように取られかねません。お節介もほどほどに、ですよ。

(4)ラウンド中の通話
 ラウンド中に携帯電話で話すのは、周りに迷惑がかからなければ黙認します。ところが、オヤジのなかには平気で長電話をする人がいて、困りものです。

 そのホールをパスすればいいものを、「ちょっと待って、大事な話なんだ」と言って同伴プレーヤーを待たせることも......。これは、明らかにマナー違反です。

 そういう自分勝手な人は、ボール探しにも消極的で、探しているフリだけして、「早くロストボールにしろ」といった視線を投げかけてきます。

 じゃあ、逆に自分のボールを探すとなったらどうか? これが意外に粘らない。さっさと諦めてOBにするかと思いきや、「ボールがどこに消えたかわからないから、ワンペナでいいな」と、自分のルール解釈でとっととプレーを再開する始末......。

 本来、ロストボールは2打罰だけど、それを言えない雰囲気に。どうやら、何でも都合よく脳内変換する癖があるようです。

(5)せこい奢り
 お茶屋で自販機のお茶などをいただくときがありますが、あれって効果的な奢り方ですよね。たかが250円ぐらいの飲み物でもいただくと、こちらは「ありがとうございます」って頭を下げてしまう。

 相手からしてみれば、250円で相手が頭を下げてくる、恩を着せる、という意味では非常にコスパがよくないですか。

 同様に、レストランで一品料理を頼むオヤジがいます。1000円程度の白菜のハルピン漬けとか、イカゲソとかをオーダーし、「みんなで食べてください」と言うのです。そうしたら、こっちは「ありがとうございます、いただきます」と返事をせざるを得ません。

 これまた、効果的な奢り方です。それなら、もっとお礼を言いますから、いっそプレー代すべてを奢ってほしいものです。

 というわけで、オヤジは何をやっても裏目に出がち。あまり仕切りたがらず、謙虚にラウンドをするべきです。

 最近、自分はホームコースで同伴者にいろいろと説明しながらラウンドしていますが、もしかすると、それも余計なお世話かもしれません。

 自らもオヤジとして、いろいろと考えるところはあります。

 意識の高いトンカツ屋で、「最初は塩で」というお店がありますが、それこそ余計なお世話じゃないですか。ワシはソースをドバドバかけたいんじゃ〜......って。

 そんなことをふと思い出す、今日この頃でした。

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