シューマッハーのAIフェイクインタビューを掲載した出版社に対し、裁判所は約3400万円の賠償金支払いを命じる

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2024年05月29日 07:00  AUTOSPORT web

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2006年F1ブラジルGP ミハエル・シューマッハー(フェラーリ)
 F1のレジェンドであるミハエル・シューマッハーの家族は、2023年4月にドイツの雑誌が7度の世界チャンピオンの捏造インタビューを掲載したことにより、多額の賠償金を受け取ることになった。

 この紛争は、ドイツのダブロイド誌『Die Aktuelle』が“ミハエル・シューマッハー、初のインタビュー”という記事を掲載し、タイトルを表紙に書き立てたことから起きた。この記事は、2013年にフランスのメリベルで起きたスキー事故で重度の脳外傷を負って以来、家族により世間の目から遠ざけられてきたシューマッハーがすべてを打ち明けたとするものだった。

 このインタビューはまったくのフィクションであり、『Die Aktuelle』は人工知能(AI)を使用して、シューマッハー自身からのもののように思える応答を生成していた。この欺瞞的なやり方は、レース界や一般の人々の激しい怒りを引き起こし、論争をきっかけに『Die Aktuelle』の編集長は解雇された。

 シューマッハー家は、雑誌の発行者であるFunke Mediengruppe社に対して迅速に法的措置を取った。ミュンヘンの労働裁判所は最近、シューマッハー家に有利な判決を下し、Funke社に対し、一家に20万ユーロ(約3400万円)という多額の賠償金を支払うよう命じた。

 このケースは、ジャーナリズムにおけるAI技術の悪用に対する厳しい警告となっている。誠実なジャーナリズムの重要性と、ディープフェイクに関連する潜在的な倫理上の危険が浮き彫りにされた。

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