「手応えあり」のSHADE RACINGと「全然わからない」Studie。雨予報の鈴鹿でミシュランの逆襲はあるか

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2024年06月01日 21:20  AUTOSPORT web

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2024スーパーGT第3戦鈴鹿 シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸/清水英志郎)
 6月1日に三重県の鈴鹿サーキットで行われた2024スーパーGT第3戦『SUZUKA GT 3Hours RACE』のGT300クラス公式予選で、ミシュランタイヤを履くシェイドレーシング GR86 GTが4番手につけた。一時雨予報の決勝レースに向けて気になるのが、これまで雨を得意としてきたミシュラン装着車両。コンディション次第では優勝候補に挙げられる、シェイドレーシング GR86 GTの平中克幸と、Studie BMW M4の荒聖治に決勝への展望を聞いた。

■ダンプコンディションなら「もちろん優勝を狙う」平中克幸
 2022年からスーパーGTに参戦を開始したSHADE RACINGは、今季から装着タイヤをミシュランにスイッチ。予選最上位だと、昨年の第6戦SUGOで2番手になっているが、今回の4番手はミシュラン変更後のベストグリッド。

 予選Q1A組でトップタイムを記録した平中だが、「午前中の公式練習で少しバタバタしていて、思うようにセットアップが決まっていませんでした。(鈴鹿に向けて)変更してきたものが裏目に出てしまいました」と、クルマがあまり決まっていなかったことを明かす。

「その部分を元に戻して(予選に)挑むかたちになりました。なので、ちょっと気持ち悪いと言いますか、自信を持ってできたアタックではなかったです。でも、そんななかでそこそこのタイムが出たので、少しホッとしました」

 今季のGT300は、第1戦岡山ではブリヂストン、第2戦富士ではヨコハマが速さをみせてきた。この第3戦に向けては、5月8〜9日に鈴鹿サーキットでGTエントラント協会(GTE)主催の専有テストが行われており、そこで得られたデータも活きたようだ。

 そして、GTEテストでのミシュランとのやり取りに加えて今回の躍進を支えたのが、クルマ部分のアップデートだ。SHADE RACINGはシーズンオフのテストからGTA-GT300規定車両ということを活かし、シェイドレーシング GR86 GTのフロントからリヤの空力パーツなどの改良を独自で進めてきた。

「チームが昨年から今年にかけて、ファクトリーでのアップデートをすごく頑張ってしてくれています。そのアップデートがテストやレースを重ねるにつれて良い方向にいっていました。その部分が今回の予選の速さに繋がっているのだと思います」と平中。

 気になるのが決勝日の天気で、50パーセントながら朝から小雨〜弱雨の予報になっている。昨年までのレースをみていると、ミシュランは雨が降ると無類の強さを発揮しているだけに、チーム初優勝の期待もかかる。

 それは平中も意識しているようで「昨年のレースを見ていても、ダンプコンディションでは7号車(Studie BMW M4)がけっこう速かったですよね。そういった部分は僕らもテストで確認できているので、あまり不安はないですし、“イケる”という手応えは持っています」と自信を覗かせる。

「コンディションによるかと思いますし、予選の順位だけを見ると777号車(D’station Vantage GT3)や61号車(SUBARU BRZ R&D SPORT)が少し速いかなとは思いますけど、ダンプコンディションやいろいろなレース展開次第では優勝を狙えると思うので、もちろん優勝を狙っていきます」

■今のところは「全然わからない」荒聖治
 一方で予選8番手となったStudie BMW M4の荒聖治は「今ある材料のなかでは、良いパフォーマンスは出せたかなと思っています」と少し厳しい表情を浮かべた。

「今季は予選フォーマットやタイヤの使い方など、いろいろと“今年ならでは”の難しさがあります。良いリザルトを得るには、その部分をどう適用していくかが、けっこう勝負になってくると思っています」

「なので、その部分を『どう攻略していくか』です。このルールのなかで自分たちの武器をうまく使いつつ、どうやって戦っていくかというこ部分は、やはり速くて強いクルマが多いので、簡単ではありません。本当に毎回挑戦です」

 5月のGTE鈴鹿テストにはStudie BMW M4も参加しており、そこで「きちんとやってきたことが今回のレースウイークで結果に出ている」と荒。雨の予報が出ている決勝に向けては「全然わからない」と展望を語る。

「もう『やってみるしかない』といいますか、昨年も一昨年も良いリザルト(編注:どちらも優勝)は残せているんですけど……。本当に毎回がいろいろな挑戦といいますか、明日のコンディションに合わせて、どれだけしっかりと適応させて良いパフォーマンスを出していけるかですね」

「そんなこともあり、今のところは全然わかりません(苦笑)。とりあえず予選までは悪くはないんじゃないかとは思っていますし、速いクルマも多くいますけど、頑張りますよ」

 ダンロップを履くD’station Vantage GT3とSUBARU BRZ R&D SPORTがワン・ツー、ブリヂストンのmuta Racing GR86 GTはサクセスウエイト“最重量”ながら3番手につけた2024スーパーGT第3戦のGT300予選。決勝ではGT300タイヤウォーズに加え、各チームの戦い方にも注目していきたいところだろう。

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