連続表彰台ストップのM.マルケス、デスモセディチGP23と2024年型の違いは/第7戦イタリアGP

0

2024年06月03日 05:20  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

マルケスのイタリアGP決勝レースは4位だった
 マルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)はイタリアGP決勝レースを4位で終えた。決勝レースにしぼって見ると、マルケスはスペインGP以降、3戦連続で表彰台を獲得していたが(スペインGP:2位、フランスGP:2位、カタルーニャGP:3位)、ムジェロで連続表彰台にストップがかかった。

 決勝レースのマルケスは、1周目からずっと、3番手のエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)の後ろを走っていた。確かに少しずつ差が縮まってはいたが、なかなかオーバーテイクにまでは至らない。マルケスは、バスティアニーニの後ろで苦戦していたのだ。

終盤の18周目にようやくパスし、そのとき2番手だったホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)を追いかけたが、残り2周で勢いを取り戻したバスティアニーニによってかわされ、再び4番手に後退した。

「バスティアニーニはまるでニュータイヤを履いたみたいだった。最終ラップはすごく速かったよ。というわけで、諦めたんだ。4位でゴールしよう、と思った」

 ムジェロ・サーキットは、ブレーキングを得意とするマルケスにとって相性がいいとは言えない。ホンダ時代には、マルケスがムジェロで優勝したのは、2014年だけだ。今回は、そうした総合的な要因があったのだろう。とはいえ、すでに2024年シーズンは7戦を終え、果たしてマルケスの優勝はいつだろうか、と考えたくなる。

 現在、マルケスは昨年のマシン、ドゥカティ デスモセディチGP23を走らせている。対してランキングトップのマルティン、ランキング2番手のフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)は、2024年型、デスモセディチGP24である。

 この違いを確認していくことにしよう。なお、第7戦イタリアGP終了時点で、決勝レース、スプリントレースで優勝しているドゥカティのライダーは、2024年型を走らせるバニャイアとマルティンのみである。

 バニャイアは、デスモセディチGP23についてこう述べている。

「確かに、僕たちは昨年のバイクにうまく適応した。2023年型は、適応するのに時間がかかるんだ。でも、いいバイクだったよ。(GP23が)とても強いサーキットもあれば、そうでもないサーキットもあった。ここムジェロやバルセロナは素晴らしかった」

「2023年型は、ヘレステストで昨年直面していた問題にとても役立った、異なるエキゾーストのバルブを使用した。というわけで、だいたい今は、(GP24と)とても近い状態だ。だから、2023年型が勝つのはもうすぐだと思うよ」

 マルティンは「僕としては、2024年型の大きな変更は、ブレーキングだと思う。だから僕は2024年型を選んだ」と言い、2023年型には2023年型のよさがあるという。

「ここでは2023年型はもっと強かったと思うんだけどね。切り返しについては、僕は今年よりも去年のほうがよかった」

 バニャイアやマルティンによれば、マシンとしては、いや、「マシンの素性としては」というべきかもしれないが、大きな差はない、ということだ。

 では、マルケスはどう感じているのだろうか。これまで、何度かマルケスは2023年型について質問されたが、コメントはほとんど前向きなものだったと記憶している。それは、努めて前向きであろうとしている、という姿勢とは少し異なるように見えた。そして、この日、マルケスはこう言った。

「(新しいパーツの投入などについて)グレシーニと契約する前に、ドゥカティのテクニカル・スタッフはとてもはっきりさせた。だから、僕は決して不満を言わない。僕たちは自分たちが持っているもののなかで全力を尽くす必要があるんだ」

「でも、コースで見るに、パフォーマンスとしては(2024年型と)そんなに大きくは変わらないよ。どのコースでもペコ(フランセスコ・バニャイア)やマルティン、今回はバスティアニーニだったけど、もっとも安定しているライダーたちに近いところを走っているしね」

 マルケスは、手にできる最善は「現状」であると知っているのだ。ただ、2024年シーズンのマルケスは、表情が以前のように明るくなった。少なくとも、現状と結果が受け入れられるものだろうと窺える。マルケスの優勝は遠くはないのだろう。そう考える程度には。

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定